妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
「そんなわけで【楓の木】を狙う奴は全員殺す事にします」
「堂々とした殺人宣言だな……」
「でも、それで笑えないのがコウヨウだ……コイツなら本気で出来るだろうからな」
「あのトップギルドの2人がそこまで言うなんて……流石コウヨウさんっす……です」
「話によれば刀だけでなく弓矢も扱えると聞いたが……事実ですか?」
「サジタリアスの弓矢はここにありますわよ」
「出すな出すな手の内を見せるな!!」
釣りをしながらコウヨウはレリフル口調で弓矢をリリィに渡すが、ミィは全力でツッコミするしか無かった。今は【集う聖剣】、【炎帝の国】、【thunder storm】、【ラピッドファイア】のギルドマスターが集う会が行われていた。
ペイン、ミィ、ベルベット、リリィ、そして何故かメイプルではなくコウヨウが揃っている。その理由は……
「コウヨウさんやべえっすね……」
「そんな事より釣りません? 新しい層が出来たとはいえ、第八層の方が釣れる魚の種類は多いので」
「そうだな」
「まさか私達だけでなく別のギルドからも来るとは思わなかったが」
「メイプルのお陰ですね、ベルベットさんリリィ……さん、今日は敵味方関係なしに釣りしますので」
「コウヨウさんからメッセージが届いたので何かと思えば……まさか釣りとは思わなかったです……」
「しかもトップクラスのギルドマスター全員を誘っておいてやる事が釣りですからね」
「俺はギルドマスターじゃないですから、会議はメイプルがいる時に頼みます。じゃけん釣り同好会しましょうか」
釣り同好会を勝手に結成したコウヨウの言葉に笑いながらも、借りた釣竿を湖に垂らす4人。コウヨウはいつも通りに釣りまくり、ペインやミィもそれに続く。それを見ながら初参加のベルベットとリリィは驚きながら話しかける。
「いつもそんなに釣ってるん……釣っているんですか?」
「ああ、でも、コウヨウの方が速いし大きな魚を釣るから、俺はまだまだだけどな」
「私もコウヨウより遅いが、どれだけ釣ってもアイツが全部絶品魚料理に変えて振る舞ってくれるからな」
「とりあえず自分のペースで自分の分とか釣っといてもらえると良いっすねー」
「適当っす……いや、適当ですね」
「そういえば、どうしてコウヨウさんは先程私に敬語を? 前は付けてなかったですよね?」
釣りをしながらリリィの言葉にコウヨウは答える。元々年上だと思うから敬語で話したかったのだが、出会いが出会いなのもありずっと呼び捨てにしてた事を伝えた。
「いつ言ったものかと思いましたけど、せっかくの機会なので」
「別に……気にしなくてよろしいのですけど」
「最近俺の中でカップリング作るの趣味なんですよね」
「コウヨウの台詞に何の脈絡も無いんだが!?」
「とりあえず俺とサリーは確定で、ミザリーさんはマルクスさん。リリィさんはウィルさんでフレデリカさんはドラグさん……あれ? どうしました??」
コウヨウが適当に作った訳ではないカップリングはミザリーとマルクスだけであった。これはミザリー本人から聞いたので確定申告だが、後の2つは予想で言ったのだ。リリィは顔を真っ赤にして、ペインはなんともいえない顔でコウヨウの言葉に少し頷いた。
「ま、まぁ……ウィルとはいつかその時まで取っておこうと思ってましたよ……」
「はよ告れ、叩き斬るぞ」
「本当に容赦の無いお方だ!?」
「コウヨウ、ドラグとフレデリカだが……まぁ、お察しの通りだ。確定ではないが、俺もドレッドも肯定している……」
「おめでとう御座います。今度ドラグさんと腕相撲しますね」
「意味がわからないっす……」
「ミザリーとマルクスは時すでに遅しだな」
「何でミィさんは悪い方向の言い方何ですか?」
「私だって恋人くらい欲しいのにギルドマスターを置いて先にゴールインとか認めない」
「この人めんどくせぇ」
ただの嫉妬である。ベルベットは笑いながらもコウヨウに聞いてみた。正式に恋人がいるのはこの中でコウヨウだけである。だからこそ、どこまで行ったのかと女の子らしく聞いてみた。
「キスした」
「顔真っ赤だぞ!?」
「たった一言でなんでそんなに赤くなるんすか!?」
「コウヨウ本人から聞いたが、ここまでその話題に弱いとは……良い弱点を見つけたよ」
「それを知っても勝負には勝てないでしょう?」
顔を真っ赤にしながら釣りをして言葉を返すコウヨウに対して大人組は驚きながらも苦笑い。それでも彼は釣りを続けながら言う。
「とりあえずサリーは俺の恋人なので、サリーが嫌がる事をしたらその相手は殺す事にします。殺しても殺しきれん。ついでに俺に挑むやつも皆殺しです」
「とんでもない彼氏だな」
「だが、コウヨウらしいな」
「私もここまで好いてくれる彼氏が欲しいっすね……」
「先ほどから気になってましたが……ベルベットさんは本来その口調なのですか?」
「し、しまったっ……」
「良いんじゃないですか? 別に戦闘スタイルや奥の手がバレた訳でもあるまいですし」
「ま、まぁ……コウヨウさんの言う通り……そうっすけど……」
「俺なんてリリィさんにステータスほぼ見せたんで大丈夫ですよ」
「「それは大丈夫では無いだろう!?」」
「いや……その……私も……あの時は驚いてまして……」
コウヨウのとんでもない発言にミィとペインも流石に黙っていなかった。ステータスを敵に全部見せるとか何考えているんだと聞くと……
「俺のステータスを見せたところでみんながムサシより強くなる訳ではないでしょ?」
「主なら勝てるよ」
「ムサシもこう言ってますし」
「は……ははっ……私達はこんなプレイヤーに……これから挑もうとしてるんですね……」
「もはやコウヨウしか言えないな……このセリフは……」
「テイムモンスターの話しかしないが、本人自身もまた強くなったとは聞いてはいる……次に戦うのが楽しみだ」
「私はもうみなさんについていけなさそうっす……」
コウヨウの言葉だけでなく、それに対してそれぞれの言葉を聞いたベルベット。全員言葉は違えど視線は鋭くコウヨウに向けられているのを見た彼女は改めてコウヨウの恐ろしさを感じたのだった。
「主、頑張ったら釣竿に変身出来た」
「ナイスムサシ、使わせろ」
「本当このモンスターなんなんだろうな……」