妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
「そんな訳で今ペインさんに誘われてたけど同盟を結ぶよ!!」
「私が聞いたのは【thunder storm】は敵に回るって聞いた。コウヨウは?」
「4人のギルマスからお前を倒すから敵に回れって言われた」
「「普通逆じゃない!?」」
コウヨウが言った4人はペイン、ミィ、ベルベット、リリィである。ペインに関してはギルドの勝ちを優先するなどと言っておいてメイプルと【楓の木】を誘ったのにも関わらずコウヨウを仲間外れにするところが彼らしいと笑った。
「とりあえず俺はサリーとメイプルが行く所に行く。誰が敵でも知らんと伝えた。だから同盟に参加すると言ったときのペインさんの顔はちょっと笑ってしまったぞ」
「まぁ、コウヨウらしいね」
「結局全員同じになったのならお兄ちゃんとサリーと一緒に戦えるね!」
メイプルは笑いながら、サリーは少し考えながら、コウヨウはなんとなく嫌な予感がしながらもそれぞれ陣営の会話をしている。
『第十回イベントなのね、じゃあ記念にこれあげるわ』
そんな事を言われて吸血鬼から貰った装備を使うチャンスだとコウヨウは思ったが、果たしてどこまで通用するか……そもそもあんまり戦う気が無いのだが、折角だから使ってみようと考えたのである。
「なぁ、2人とも……」
「どうしたのコウヨウ?」
「今すぐに同盟を組んだ【集う聖剣】に会ってもいいだろうか?」
またなんか覚えてきたのかと考えたメイプルとサリーは頷いて、【集う聖剣】の元に向かうのだが……
「ペインさん、同盟よろしくお願いします。お近づきのポーションです。握手も」
「ああ……こちらこそよろしく頼む……」
「よし、同盟完了。帰るか2人とも」
「「本当に普通にただ挨拶しに来ただけ!?」」
「そうだよ?」
「ドラグ、少し身構えた俺は悪く無いよな?」
「ペインは何も間違っちゃいないぜ」
☆
「というわけで何だかわからないけれど……イベント開始早々お兄ちゃんはどこか行きました」
「あいつイベント中でも釣りしてるのか!?」
「コウヨウー!? どこー!!?」
イベント開始直後、やりたい事があると言ってコウヨウは駆け出した。【楓の木】はメイプルの指示のもと様子見だと策を伝えたのだが……
「お兄ちゃんどこ行くの?」
「散歩」
「バカなの!?」
普通に敵陣営目掛けて歩いて行ったのはメイプルとサリーが知っていた。サリーは大声でコウヨウを呼ぶが、返事は一向に無いらしい。それを聞いたペインは本来出さない声を出してどこに釣りに行ったのかとツッコむ。
「お兄ちゃんどこ? いないと作戦とか立てられないってサリーに言われたんだけど……」
「うぃーす……」
「コウヨウ、お前……さっきまでしてたんだ??」
「散歩です……敵いたんで逃げてきましたけど」
「本気で怖いからやめてね?」
あくまでも散歩と伝えたコウヨウ。良く逃げ切れたなとペインが言った瞬間すぐにイベントのポップアップがメイプル達味方陣営の前に出てきた。このシステムは誰が倒されたとか誰が倒したとかが逐一、敵味方関係無く報告されるポップアップである。
「もう試合が動いてるのか……って……は??」
「お、お兄ちゃん……? 散歩って言ったよね……?」
「散歩してたら囲まれた……モンスター達に」
メイプルとペインは目を開いてそのポップアップを見た。そこに書かれていたのは……
『【楓の木】コウヨウがNPCとプレイヤー含め100人斬りを達成しました』
「お散歩楽しいなぁ、囲まれたらしいなぁ、斬り刻んだら死んだぁ……OK?」
「「全く分からない(よ)!?」」
開始20分も立たずに散歩1つで100体の敵を斬ったコウヨウのポップアップを見た味方陣営は声を大きく張り上げたのだが、8割は困惑の叫びである。
「とりあえずサリー、作戦って決まったか?」
「もう……うん……とりあえず待ってて……」
恋人は彼の行動に頭を抱えた。
「コウヨウ……お前実は何しに向かったんだ??」
「決闘挑まれたんで、斬ってきました。俺を倒したい奴に礼儀で返したいので」
「お前本当すげぇよ」
本当に最近あの歌の『囲まれたらしいなぁ』が『囲まれたわ死んだぁ』に聞こえてしまう。コウヨウの場合未遂ですけど。