妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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二刀流と第十回イベント

 立てば殺戮、歩けば惨虐、歩く姿は大剣豪というトラウマを相手陣営に植えつけたコウヨウはサリーの待機指示を聞いた後、再び歩きながらモンスターを斬り刻んでいた。待機指示を聞いた後。

 

「俺は奇跡の殺戮者だぁ」

「モンスター狩りだな主」

 

 散々人殺しが嫌だと言っていたコウヨウが自ら駆け出して斬り刻んでいるのは訳がある。訳と言っても適当な考えなのだが……

 

「相手を斬れば有利になるが人殺しはしない主義であるならば、モンスターを斬ればいいじゃない」

「決闘受けたらプレイヤーでも倒すんだぞ主」

「分かってるよ」

 

 確かに今回のイベントは相手プレイヤーとそのNPC同時斬りイベントであるのでNPCを斬ればほんの少しだけ優位に立てるしコウヨウ満足なのは事実だった。ただ、ステータス的な意味でプレイヤーを倒した方が優位に立てるのが当たり前。コウヨウはそれを良しとしなかった。

 

「多少マシにはなったが……やっぱり人を斬るのは慣れないな……」

 

 急に暴走で仕掛けて来た目の前いるNPCを斬り裂いたコウヨウ。

 

「まぁとりあえず……【楓の木】やサリーに手を出すやつは許せん」

「いたぞ! 二刀流釣り師だ!!」

「あ、申し込まれた」

「お前だけは倒させて貰うぞ!!」

 

 そんな状況で集まったコウヨウを殺さんと集まった者達。全プレイヤーからして彼を倒そうとするのは強気者なら当たり前である。だが、タイミングは最悪である。

 

「俺の心のタイミングが最悪……ムサシー、斬ってー」

「はいよ」

 

 仲間を呼ぼうと後ろを振り向いた瞬間、男は粒子になり、その後来た味方も、そのままムサシが勢いで斬った。

 

「ちょ……速……」

「え? い、一げ……き……」

「ついでにお試しでこれもやっておくか……【名状しがたい何か】」

「ば、化け……ぎゃあぁぁぁぁぁ!!?」

「やっぱり普通に気持ち悪い……【呪斬】」

 

 叫びを聞いた味方も応戦するが、結局彼の前から姿を消すしかなかったらしい。

 

『【楓の木】コウヨウがNPCとプレイヤー累計150人斬りを達成しました』

 

 そんなポップアップは敵味方陣営に轟いたのだった。

 

「助かったムサシ」

「キュルル!!」

「痛い!?」

「たわけ、少しは反撃しないとお主が死ぬぞ」

「わ、悪い……ありがとう」

 

 テイムモンスターのムサシに殴られて少しばかり目を覚ましたコウヨウだが、ポップアップを見ると俺は何も倒してないのになと冤罪を主張した。

 

 ☆

 

「こ、コウヨウさんが……大暴れしてるっす……」

「でも……コウヨウさんが自ら斬ってる訳では……なさそうだよね」

 

 ベルベットとヒナタの【thunder storm】は戦慄した。あの後、誰よりも速くとてつもない勢いでNPCとプレイヤー合わせて200以上も斬っていたコウヨウの強さ。また、たった1人に自分達の陣営の200以上が消えた事が恐怖である。しかも、偵察隊の話では、爆速で粒子にする彼の姿が目撃されたとの事。

 

「コウヨウさんの実力なら50人くらいはすぐっすけど……この早さは……」

「多分、コウヨウさんに向こうから挑んで負けたんだと思う。そうじゃないとNPC合わせても200なんて……無理だよ」

 

 2人の予想は当たっている。コウヨウの強さであっても、モンスターとプレイヤー合わせても200なんて斬ることは時間的に不可能。でもそれは、コウヨウが自分の足で獲物を見つけて、狩り倒した場合である。

 誰もがと言う訳ではないが、コウヨウと手合わせをしたい人はこの陣営に何万人も存在する。最強の二刀流釣り師と名が高く、あのメイプルやペイン、ミィを倒した男であり、彼ら3人がかりでようやく敗北させられる実力を持つ彼。

 だからこそ、一度挑んでみたいと、噂を聞いた者達は彼に集う。だからこそ、コウヨウのキル数が異常な事になっているのだ。ちなみに今現在300に届く勢いで、コウヨウの名を書いたポップアップが表示されている。

 

「うわぁ……もう……何が何やら……」

「この人に私達挑むの??」

 

 開始早々1日目にしてやる気を削がれた2人だが、メイプル達と戦う決意をしたのだ。それくらい我慢してもらわないと困る。

 

「行くっすよヒナタ……コウヨウさんとメイプルさん、サリーさんを倒しに……」

「う、うん……頑張ろう……」

 

 どう転んでもイバラどころか溶岩の道を覚悟した2人はそのまま敵に向かうのであった。

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