妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
「ただいま戻って来たつもりです。相変わらず凄い罠ですね」
「あら、コウヨウ君無事だったのね」
「まぁ、一応。メイプル、ごめん」
「どうして謝るの?」
「あの弓魔法クソ野郎二人組をキル出来なかった」
「やっぱり行ったんだ……というかお兄ちゃん凄く怒ってるよね!? 相変わらず言葉が酷いね!?」
「だが……挑まれた決闘は勝ってきた。一撃を入れてやったぞ」
「今はそれで充分だよ。ありがとうお兄ちゃん」
「メイプル……お前はなんて良い妹なんだ……結婚してくれ」
「カナデが良いならいいよ」
「兄さん、メイプルが欲しいなら僕を倒してから……」
「コウヨウ二天」
「「もう首に刀が!?」」
「仲間割れはやめなさいコウヨウ君」
「うっす」
コウヨウの言葉にメイプルはすぐ理解した。あの【ラピッドファイア】2人とやり合ったのだと。だが彼からすれば大した戦闘では無かったという。少しカナデと戯れあってイズに止められてからコウヨウは続きを話した。
「まぁ、ぶっちゃけ不意打ちしただけだしな」
「どうやって??」
「俺を生贄にムサシを召喚しただけだ。そして俺はファッションショー」
「「「???」」」
イズ、カナデ、メイプルは彼の言っていることが全然意味わからない。それでも、コウヨウが無事であったという事はどのみちコウヨウが有利だったという事なので、とりあえず安心したメイプル。因みにサリーはコウヨウの頭を思いっきり叩いた。
「なにすんだ!?」
「フラフラどこか行くな! ワンデスで終わるんだからもっと慎重になってよ!」
「そ、それは……ごめん(あのスキルは黙っておくか……イベントでも使えるかわからんし)」
「はぁ……まぁメイプルからコウヨウがこのイベントで、自分に挑んでくる人間を全員斬るっていう目的も応援しない訳じゃないけど……それでも、コウヨウは自分が思っている以上に私達の最強の最終兵器なんだから、死んだら作戦練り直しなんだからね!」
「え? そうなの?」
「そうだぞ、コウヨウ。俺の掲示板仲間を瞬殺した挙句……いや……これは言わない方がいいか?」
「あ、すみません。ヤッちゃったぜ☆」
「反省してねぇのが見え見えだな」
「クロム、ちょっと待て。今の言い方だとまたコウヨウが何かしでかした様な感じなのだが……」
「とりあえずコウヨウがプレイヤーとNPC合わせて500キルした事はポップアップ出てたけど言っておこう」
「それはとても助かるわね……」
「兄さんにはもうヤバい以外の感想がない……」
コウヨウが無詠唱でスキルを使える可能性がある事をクロムは掲示板でしか知らない。なんならそれが事実であることを知っているのはコウヨウだけである。
一方クロムはコウヨウの偉業を話した後、イズが味方で良かったと心底思ったのは別の会話である。
☆
「ユイ! マイ! 大丈夫?」
「おう、ユイにマイ。無事だったか?」
「師匠! メイプルさん! 生きてたんですね!!」
「ユイ、流石にコウヨウさんなんだから大丈夫でしょ……でも、フラフラどこかに消えたってサリーさんが怒り2割の心配8割で涙目になって呼んでましたけど」
「そうだよお兄ちゃん。サリー本気で泣き喚いてたんだから」
「それはマジでごめん。とりあえず、メイプルの仇はメイプルが取る。だが兄として1つだけ傷をつけてきた」
「ウィ、ウィルバードさんと戦ったんですか?」
「不意打ちでムサシがブッ刺しただけだ」
「本当によくダメージ与えられたね……」
「お礼に百万石のお酒飲みたいな」
「お前モンスターだろ酒なんて……いや、なんか前わらしが飲んでた様な……??」
コウヨウの言葉ですぐ【ラピッドファイア】と喧嘩してきたことを悟ったユイとマイ。しかも、あの2人にダメージを与えたなんて信じられなかった。
「ど、どうやったんです?」
「俺を生贄にオベリスクのムサシを召喚。ゴールドアタック。相手は死ぬ……まぁちょっと残ったけど」
「「「???」」」
謎である。とりあえずメイプルとコウヨウはサリー達が散歩(前進制圧)したと伝えた。しかしながら何もしていない3人は少し心が痛むのでどうするか考える。
「私達どうしましょう……」
「マップもあんまり覚えてないしね……」
「作戦はサリーが作るから私も向いてないかな」
「3人は人間を向こうまでぶっ飛ばせばいいんじゃないか?」
「「「え??」」」
こうして出来たのがユイマイロケットである。メイプルの羊毛で多くのプレイヤーを包み込み【身捧ぐ慈愛】でダメージ0のバフをかけてからユイとマイが大鎚で吹っ飛ばすという楽しいアトラクションだった。
「所属ギルド無い人は俺の元へ、はい、これポーションです。持ってて下さいね……ムサシ【変身】」
「え? なんでポーション……ちょっと待てそれてっぺんに棘生えてるガチの棍……」
「グワラキーン!!」
「ギャァァァァァァァァアアア!!?」
「おい!? メイプルのスキルありでもダメージ入ってんじゃねぇか!?」
「だからポーション渡すんですよ。頑張って1割残しするんで。ほら次」
「「「誰が並ぶか!!?」」」
棘とかの飾りでも刃物さえ付いていれば棍棒やケツバット、下手すればガトリングガンにもなれそうなムサシのスキルと彼のSTRの調節で吹っ飛ばす。
因みに彼のSTRだとメイプルの【身捧ぐ慈愛】ですら貫通して即死が入ってしまうので、首輪装着で1.5倍率のSTRに減らして、ポーションを持たせる事で実質ノーダメージ運搬をマジギリギリ可能にした。
「おい、メイプル……一旦中止だ」
「どうしたの? お兄ちゃん」
「何かあったんですか??」
「サリー達が……【炎帝の国】とやり合ってる」
そう言ってコウヨウはメイプル達にメッセージを見せる。サリーから来たメッセージは大変な事があったと思われるたった一文……
──ウェルダン
「「「いや意味が分かんないよ(分かりません)!?」」」
「なるほど……あいつ俺の名前入れる余裕もねぇみたいだな」
「逆にお兄ちゃんはなんでウェルダンで分かるの!? 恋人と言っても流石にエスパー過ぎない!?」
「恋人とかエスパー関係なくこのゲームの中でウェルダン並に焼きまくってるプレイヤーとギルドなんて1つしかねぇだろうがよ」
少し理解はした。だが、納得はいかない3人。対して彼はだから火遊びする人は嫌いだと鼻で笑った。それでも、彼の顔は晴れない。自分には無事で居ろと言ってサリーが死んだらやっぱりムカつく。
「でも、流石に間に合わねぇな」
「行こう、お兄ちゃん!!」
「落ち着け、今ここで向かったら防衛どうすんだ」
「そ、それは……でも……」
「落ち着け……楓……お前も焦ってんのはわかるがな」
ユイとマイに聞こえない様に、コウヨウはメイプルを抱きしめてから本名を呼んで落ち着かせる。本当はタブーだが、今回ばかりはなりふり構っていられない。
そんな時、大声でこちらに向かって来るプレイヤーが1人いた。
「た、大変だ!!」
「どうしました?」
「さ、さっき境界辺りで大規模な大爆発が起こって……」
「どの辺りだ?」
「あ、あそこだ……」
「ね……ねぇお兄ちゃん……あそこって……」
「あの火遊び女……俺の忠告を無視しやがったな……」
その大規模な爆発が放たれたのは……間違いなくサリー達のいる場所であった。
「主、ステイ」
「ムサシ、お前もステイだ」
「主、とりあえず温泉入ろう」
「いや、入るのは火遊び女とその取り巻きだな、勿論釜の中だが」
ムサシの苦し紛れの冗談に対してコウヨウは釜茹での刑を選択することにした。