妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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二刀流と集合

「に……兄さん……大丈夫……?」

「カナデ、俺と協力して天才軍師になれ。策を立て直す。みんなはそのために呼んだ」

「お兄ちゃん……サリー大丈夫だよね?」

「サリーちゃんもそうだけど、クロム……生きてるわよね?」

「レ、レーダーには反応はあります……でも……あのミィさんのスキルを貰ったら……」

 

 追撃にあっていつ反応が消えてもおかしくは無いと、コウヨウがユイの代わりに伝える。話を聞いたコウヨウ達はすぐにイズとカナデを呼び出して、イズが作った罠の近くで合流する。

 カナデが最初に見たコウヨウはまるで別人であった。目を閉じて、そのまま歩き続けて、それを開けるまで何を考えているかもわからない。だが、彼が目を開いた瞬間、味方であるにもかかわらず、カナデはその一瞬だけで自分が死んだと本気で思った。

 

「睨んで悪かったなカナデ」

「初めてだよ……目を見ただけで僕は死んだんだなって感じたのは……」

「【死の瞳】はプレイヤーには効かないぞ」

「そう言う話じゃなくて……」

 

 少しの会話から、すぐに気を引き締めた残りメンバー。これから万が一に備えてどうするかを考えることにした。

 

「言いたく無いけれど……もし……クロム達が消えてしまったら、攻撃は厳しいと思うわ」

「俺もそう思います。かと言って、防衛だけしては負け戦です」

「万が一の事を兼ねて、攻撃要因の誰かを送る事になるけれど……」

「カナデの言う通りかもしれないけど、お兄ちゃんだけは……」

「ハッキリ言おう。無理だ」

「いや、大丈夫かな、お兄ちゃんだし」

「話聞けよ」

「「流石に厳しくないですか?」」

 

 

 コウヨウの言葉に意外にも頷いたのはユイとマイ。敵陣には数万単位のプレイヤーがいるのは彼女達でも分かる。いくらコウヨウが最強と言っても、数万の軍勢に1人は良くて撤退で生き残って逃げ切れるか、あるいは死。何故かメイプルは余裕の顔だったのはマジで意味不明だ。

 

「コウヨウさんは負けないと信じてますけど……でも、この人数だと流石に……」

「無事に逃げて帰って来るとは思いますけど……」

「ユイの言う通りです」

「お前達は例え妄想の中でも、俺を殺す気は無いらしいな」

「当たり前でしょ、兄さんだし」

「お兄ちゃんなら最悪『危ねぇ』とか言って帰ってきそう」

「まぁ、そうよね」

「イズさんまで……」

 

 そうして彼は考える。サリーを助けに行く考えは、正直無い。逆にペイン達の助太刀も考えてない。だが、彼は考える。

 

「サリーもペインさんも、どうしてもギルドとして勝ちたいから行った。それであの派手な結末だ……勝負もみんなの状態も、決まったわけでは無いが、誰かが敵陣に迫る必要はある」

「コウヨウ君……本当はサリーちゃん達のところに行きたいのよね?」

「ええ。めちゃくちゃ。でも、正直ミィさん達くらいなら……」

 

 ──いつでも殺せる

 

「「ひっ……!?」」

「サリーがフレデリカさんを格下呼ばわりしてるなら、俺の格下はミィさんらしい。なぁ、ムサシ」

「喚くな主、貴様にはやることがあるだろう……」

「あぁ、当たり前だ……」

「「勧善懲悪(皆殺し)」」

「お兄ちゃんがヤバい……本当に怒ってるからみんな一旦離れて」

 

 コウヨウ以外のみんなは確実に思った。彼が、彼らが本気でキレてると。ここまで自信があっても驕りすらない彼の本心を聞いたのは、久しぶりかもしれない。だからこそ彼は冷静にサリー達の思いを受け止めてここに留まる事を考えていると思った。

 ムサシもムサシですぐに攻めると言う話をせずコウヨウと共に今現状を見ながらコウヨウに対して策を考えて言葉を発している。

 

「ね、ねぇ、メイプルちゃん……ムサシとコウヨウ君……何だか雰囲気が全然違うんだけど……」

「お兄ちゃん今もの凄い怒ってますからね……私じゃ止められません」

「とりあえずだ。割と自軍の陣営は広い。俺は何かあればすぐにメッセージか、伝令を遅れと伝えて来る」

「兄さん、僕達は?」

「メイプルとユイ、マイは3人でワンチームだ。イズさんとカナデの2人で罠を作るのは変わらない。変わった所といえば……」

「防衛しか出来なくなった事……かしら?」

 

 イズの言葉に頷くコウヨウはそのまま歩き出した。メイプルにユイとマイを、ユイとマイにメイプルをお願いして、1人で味方陣営を徘徊する事にした。

 

「俺はみんなに伝えてくる……じゃあな……」

「サリーちゃん達を思って怒ってはいるけど……強いわね、コウヨウ君」

「やっぱり、僕達より大人だよね。僕だったらメイプルが死にかけたら泣き喚いて突っ込んでいくかもわからないよ」

「いえ、お兄ちゃんは……多分子供ですよ」

「そうですか? 師匠とってもお父さんみたいですよ?」

「ユイ、お父さんじゃなくてお兄ちゃんじゃない?」

「ううん。きっとお兄ちゃんこのままこっそり1人で行くと思う」

「「「「え?」」」」

 

 恐らく行く場所はサリーの元ではない、かと言ってペインの元でもない。みんなに伝えて、それだけでは終わらない。コウヨウの目的は、本人と実の妹しか分からない。だから、メイプルはみんなに伝える。

 

「みんな、ここを頑張って守ろう。お兄ちゃんが帰ってくるまで」

「そ、それってもしかして……」

 

 マイがそう言った瞬間、ポップアップが複数表示された。

 

『【楓の木】コウヨウがNPCとプレイヤー累計400人斬りを達成しました』

『【楓の木】コウヨウがNPCとプレイヤー累計450人斬りを達成しました』

『【楓の木】コウヨウがNPCとプレイヤー累計500人斬りを達成しました』

『【楓の木】コウヨウがNPCとプレイヤー累計550人斬りを達成しました』

『【楓の木】コウヨウがNPCとプレイヤー累計600人斬りを達成しました』

『【楓の木】コウヨウがNPCとプレイヤー累計650人斬りを達成しました』

『【楓の木】コウヨウがNPCとプレイヤー累計700人斬りを達成しました』

 

「「「「あの人何してんの(るんですか、るのかしら)!?」」」」

「師匠!? メイプルさん! 師匠は何してるんですか!?」

「あちゃー……やっぱり我慢出来なかったかぁ……敵の人可哀想に……」

「コウヨウさんが……文字通り無双してます……」

「ねぇ、待って……本当に待って頂戴……コウヨウ君、さっき行ったばかりよね……!?」

「恐らくムサシに乗って超高速で斬り刻んでいるんじゃないかな?」

「なんでそんなに冷静なの!?」

「僕だって悔しくて仕方ないし、兄さんが行かないなら僕がメイプルと行ってたかもしれないしね……それに、今のコウヨウなら戻ってくるよ」

「「流石コウヨウさん(師匠)……」」

「いや、ユイちゃんもマイちゃんもその言葉で片づくレベルじゃないでしょ!? 何よ700人斬りって!?」

 

 ツッコミ担当が不在のクロムやサリーからイズに変わった。ゲームだろうと最強プレイヤーだろうとこのスピードでプレイヤーとNPCを斬るのは不可能に近いのだが、コウヨウには最強テイムモンスターのムサシがいる。更に言うと、コウヨウを倒さんとばかりに群がってくるプレイヤー達もいる。彼にとっては今現在挑まれたところで愚か者でしかないのだが……

 それに、カナデが感じ取った彼の内側に眠る殺気は尋常ではない。人斬りくらいはやってやれる勢いで一瞬睨まれたからこそ、少し冷静になれた。

 

「兄さん、お願いだから生き延びてよ? 君の事でメイプルが泣いたら僕じゃ受け止めきれないからね」

「あ、お兄ちゃんからメッセージだ……」

 

 ──これより我ら、修羅に入る

 

「いや我らって何!?」

「ムサシでしょ」

「ムサシね」

「「ムサシですね」」

 

 そんな事を言いながら、コウヨウの無事を祈っていると……

 

「メイプル!! コウヨウはどこ!?」

 

 その声の主はメイプル達が……いや、恐らくコウヨウが本気で会いたがっていて、会った瞬間抱きしめる予定の青い装備にポニテの子、要はサリー含めた【楓の木】メンバーだった。

 

「サリーちゃん良かった!! 無事だったのね!!」

「お兄ちゃんは修羅で喧嘩してるよ。サリーのために」

「うわぁ……まぁ、今回に関しては私も何も言えないなぁ……ってかヤバいことしてないあの人?」

「その元凶は君だよサリー」

「少し見ない間にアイツマジで何してんだ!?」

「クロムさん達の仇取りに行きました」

「死んでねぇけど……あぁ、悪い。心配かけたな」

「お兄ちゃんに言ってください。もう遅いですけど」




バケモノの子、天気の子、ポニテの子
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