妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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二刀流と惨劇(敵視点)

「コウヨウが来たぞぉぉ!!」

「うるさい……」

「総員戦闘準備……がっ!?」

「邪魔……」

「ちょ!? 速……!?」

「主の邪魔するな若造共が」

「くっそ! 全然見えねぇ……ぐはっ!?」

「とりあえずここにいる50人全員生かすなムサシ」

「主の怒りは私の怒り」

「みんな援軍が来てく……援軍すら死んだぁぁぁぁあ!!?」

「「成敗」」

 

 戦闘が多く飛び交う立地でコウヨウは戦場無双をしていた。コウヨウの野望というのが相応しいのか分からないが彼は今、最強にして最高の戦力で戦っている。ムサシの上に乗りながら、攻撃をしているのだが、両手に【青龍以下略】の刀、【救いの手】をカスミの刀で使った3刀流である。

 

「みんな! コウヨウさんに続け! 最強の二刀流がいる間なら攻め切れるぞ!」

「邪魔すんな若造」

「え?」

「コウヨウ三天……サリーの仇じゃけん。全員ぶった斬ってやるぜ……!!」

「あれ? 俺達の仕事無くね?」

「な、なんで……3本……?? ってか……全員一撃かよ……」

「剣は折れぬと心得よ。聞くがいい、(サムライ)の歌を」

「歌いながら……攻撃してる……しかもなんでこっちの攻撃が当たらねぇんだ!?」

 

 どれだけ弓を撃っても、魔法を撃っても、何をやっても当たらない。それじゃあまるで【楓の木】にいる有名プレイヤー、サリーだと思った瞬間にそのプレイヤーは粒子となる。

 3本の刀とたまにテイムモンスターを自由に振り回して、プレイヤーを斬り裂いたり、殴り飛ばしたり、地面にめり込ませたり、コンクリに埋めたり、小指だけを斬ったり。もはや任侠の世界である。

 因みにコウヨウはサリーの様に避けている訳ではない。乗っている間ムサシが正確なコントロールでコウヨウに攻撃が当たらない様に、自身を傾けたりして彼の角度を変えているだけである。まぁ、その時のバランス感覚はコウヨウが取っているのだが。

 

「レリフル姿でゲーミングアイドルやってて良かったぜ」

「主、何だそれは?」

「【楓の木】でライブやって歌って踊ってたアレ」

「なるほど、あの時の主はおなごかと思ったぞ」

「ムサシ、お前もサリーに似てきたな……いや、お前の場合朧か?」

「おぼろだいすき、主は?」

「サリー大好きLOVEチュッチュ。お前ら仲良いもんな。そう言えば今さっきメイプルから伝言メッセージ。あいつら無事だとよ」

「そうか、良かった。けど……」

「「それとこれとは別だがな」」

 

 片言で喋りながらもムサシは嬉しそうだとコウヨウは笑う。それでも、あそこまでサリー達を追い詰めた怒りだけは消えない。

 

「うちの仲間は死んでないが、お前らにはとりあえず死んでもらう」

「くっそ……負けるか!!」

 

 そう言って、コウヨウは【名状しがたい何か】も発動。そのまま喰った。そして彼は既に数百は斬っている状態から、更に戦力を減らそうとしている。

 

「おい! コウヨウ! 俺の仲間をよく虐めてくれたな!」

「あれ? シンさん? 何してるんですか?」

「ああ? そんなの決まってんだろ? ついさっきサリー達とやり合……」

「そうかテメェか」

 

 ──バキベキボキ……

 

「え……ゴフゥ!?」

 

 全てのセリフを言う前に、【炎帝の国】に所属しているシンは彼に3発顔面を殴られた。【宝剣】の異名を持つシンですら、彼の本気のスピードにはついていけない。殴られたのがその証拠である。

 

「ムサシ、手を出すな。お前……いまなんて言った?」

 

 ──バキッ

 

「が……ぐっ……!!?」

 

 ──メコッ

 

「お前がサリーを虐めたのか? あんな馬鹿丸出しの火遊びでよ」

 

 ──ズドン

 

「そ……それが……どう」

 

 ──ゴキャ

 

「天誅」

 

 ──ボトッ

 

「ガァァ!?」

 

 ──ザクザクザク

 

「くっ……【崩け……」

「今死にてぇならやってみろよ」

「ひっ……ゴフゥ!?」

 

 スキルすら発動させない睨みをきかせて、コウヨウはシンをとりあえずボコボコにしながら蹴り飛ばして遠くに吹っ飛ばした。そこまで本気では無い(仮)ので、恐らく1割はギリギリHPが残るだろうと思いながら、前半プレイヤーで密集していた場所が自分1人になった事を確認すると、そのままムサシに乗って指示を出す。その前に……

 

 ──ウメタァァ!! 

 

「テメェじゃ話にならねぇ。仲間連れて出直してこい……ムサシ、帰るぞ」

「いいの?」

「いいよ、とりあえず戦力は削ったし、それに……」

 

 ──怒らないから帰っておいで

 

「恋人から説教受けないといけねぇしな。後、俺はあまり人殺しはしねぇ主義だ」

「ここまでやっておいてトドメを刺さぬか……このたわけ……」

「安心しろ、次はねぇ。埋めたから帰るぞ」

 

 そう言って、そのままムサシと一緒に帰るコウヨウはまたポップアップ表示を見る。

 

『【楓の木】コウヨウがNPCとプレイヤー累計900人斬りを達成しました』

 

「ポップアップうぜぇ……何人斬っても別に良いだろ。一度死んだら終わるんだしよ」

「目指せ1万」

「出来るか馬鹿……まぁ、あの生き埋めプレイヤーは俺が手を下さなくても勝手に死んでくれるわ」

 

 ☆

 

「サリー! 会いたかったですわ!!」

「コウヨウがいい」

「サリーよく無事でいたな」

「うん!! 頑張って逃げた! 褒めて!」

「よしよし」

「わふぅ……わんわん!!」

「うるせぇ駄犬」

「やっば……メイプル、ちょっと興奮して濡れちゃったから一旦離れるね」

「聞き捨てならないから逃さないけど??」

「一件落着だね」

「クロム、よく無事でいたわね」

「あ、ああ。サリーのおかげでな……ってか近くないか?」

「気のせいよ。私のSAN値が減ったから少しこのままでいさせて」

「だからこのゲームにSAN値はねぇからな!?」

 

 コウヨウは一旦陣営に戻ってサリー達と合流した。あの爆破予告に関してはサリーが予想して逃げの指示を出したのだが……

 

「【インフェルノ】か……多分斬れないだろうな」

「うん。流石のコウヨウも無理だと信じたい……斬れないよね??」

「ムサシは?」

「主、やってみないと分からんぞ」

「怖いから……ところで……暴れるなって話聞いたよね?」

「あ……いや、怒らないって言ったよね?」

「私のためとは言え流石にね? 本当に何してくれてるの? さっき倒した仲間の相手プレイヤーも言ってたよ。コウヨウがNPC含めてだけど、900人くらい斬って全部隊の2割以上壊滅したんだって……私待ってろって言ったよねぇ?」

「すみませんでした。それでも!!」

「土下座」

「うっす」

 

 普通に土下座した。とりあえず土下座しながら、クロムもカスミも無事であった事を確認して安堵する。サリーは土下座をしているコウヨウを見ながらこう思った。

 

(あれ? これ今コウヨウを踏んだら私がコウヨウの女王様になれるんじゃ……いいね、ゾクゾクする)

 

 末期である。そんな思いも知らないコウヨウは少し頭を上げて、みんなにこう伝えた。

 

「あ、そうだ。シンさん殺しかけたけど1割残した、ごめん」

「シンとあったのか!?」

「たまたまですけどね。後、どうでもいいわあんな男」

「お前のシンに対するその態度は何なんだ???」

「刀飛ばすしか脳がねぇなら、せめて刀に乗りこなしてから喧嘩売ってくれや」

「お前サリーが無事だったのにまだ怒ってるのか!?」

「当たり前です。サリーが無事だった事と、サリーを殺しかけた屑野郎の事は別問題です」

「口悪!?」

 

 シンと戦ったと聞いたカスミは少し驚いた。さっきはサリーと2人で戦うのが精一杯だったのに、サラッと1割まで削った事を話したからである。

 

「因みに、シンはどうやって追い詰めたんだ?」

「サリーを……って言いやがったんで顔面に数発拳を入れました」

「それで9割も削ったのか!!?」」

「いや、正直ブッ殺したくて5発ほど……とりあえず地面に埋めておいたので死んではないと思いますけど」

「もはや原型とどめてないだろそれは!?」

 

 クロムに対して返答したコウヨウだが、その戦い方にカスミはドン引きする。せめて刀を使ってくれればまだマシなものを、数発殴っただけでそのダメージ量なら、正直カスミとサリーが必死に戦った事が否定されそうだったからである。

 

「次会ったら骨ですよ。骨」

「怖いわ!!」

「コウヨウを怒らせちゃ行けないね……」

「お兄ちゃん昔から怒ったら怖いからね……」

「うん。怒鳴るとかじゃないけど、淡々と無表情で正論ぶつけて来るから……正直お化けより怖いかも」

 

 そう言いながらも【楓の木】のいつも通りはしっかりと戻って来たのだった。

 

 ☆

 

「シン!? しっかりして下さい!!」

「あ……う……が……あ……」

「いったい何があったの……シンの顔が地面に埋まってるんだけど……!?」

 

 因みに吹っ飛ばされたシンは地面に頭をめり込ませながらも間一髪のところでHPが持ってくれた。引き上げられてポーションを飲み、落ち着いてミザリーとマルクスに出来事を伝える。

 

「こ……コウヨウに……殴られた……」

「え? それだけ??」

「それ……だけ……だ……うん」

「あのシンですらも殴られただけでこの威力って……」

「あ、あいつは……お、恐ろしい……サリーの事を伝えた瞬間……もう俺の意識は無かった……」

「それ多分完全にブチ切れてるよ……本当に会いたく無いなぁ……」

「ミィに知らせましょう。殴っただけでHPを1近くまで持っていくSTRにどう対抗するかも分かってませんけど……」

「もう……嫌だ……今日ばかりはアイツに会いたくない……」

「それは俺のセリフだ……マルクス……くっそ……」

 

 とりあえずコウヨウは【炎帝の国】だけでなく、彼女達のいる陣営の敵はここまで恐ろしいやつだぞと伝える事が出来たので、割と戦況は大きく傾くかもしれない。

 

「おかしい……回復したのに……顔が痛い……寧ろ顔自体が無いような気がする」

「それ確か腕とか無くなった人が起こるやつだよね……顔ちゃんとついてる?」

「自信ねぇな……」

「ついてますから落ち着いてください」

 

 なおシンはコウヨウにとてつもないトラウマを植え付けられたのはその第一人者であるフレデリカですら知らない。




 この小説シンさんの扱い酷いな。

 原作のここの話ではカスミやサリーの2人相手でも拮抗させた程強いですよ。この人。
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