妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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二刀流と決戦前とか決戦後とか

 コウヨウ大決戦が始まる少し前のことである。イベントに参加をしながら少しばかり休憩をしていた【楓の木】達は情報交換をしていた。コウヨウは少しばかり自分の陣営を散歩して収集した情報を伝える。

 

「みんな聞いてくれ。さっき少しばかり散歩して状況を確認したんだが、ベルベット、ヒナタ、リリィ、ウィル、この4人が一緒に行動をしているのを目撃した人がいるらしい」

「お兄ちゃんはもう散歩しないで怖いから。と言うか誰から?」

「【集う聖剣】のメンバーの1人だ。ペインさん達のグループでは無いが、中々の好青年ならぬ、好少女で……サリーダガーしまえ」

「浮気??」

「違う。どうやら俺のファンらしくてな。折角だからフレンドになっただけだ」

「浮気だね」

「浮気だよね」

「「浮気ですね」」

「誤解だ」

 

 メイプル、サリー、ユイマイがコウヨウを濁った眼で見つめるが、コウヨウは少し考えていた。少女の名は何だったか……本人は名乗って無かったと思うが確か誰かに呼ばれていた時の名は……

 

「シャーレさん……だっけか……サリーダガーしまえ」

「アハハハハハハ……」

「お兄ちゃん、浮気はダメだよ」

「してねぇって言ってんだろ……サリー……」

 

 ──それ以上言ったら抱いてやらないぞ

 

「こ、コウヨウ!?」

「え? サリーどうしたの?」

「こっちの話だ、気にするな」

 

 コウヨウがまさかそんな事を言うとは思わなかったサリーは顔が真っ赤になっていた。いや、最初襲いかかったのはサリーだが、コウヨウもそれが何回か続いたのもあり、ある程度、ほんの少し、絶妙に耐性がついたので揶揄ってみた。

 コウヨウは少し顔を赤くしたが、裾で顔を隠す。それを見ていたメイプル、ユイ、マイ以外はある程度察した。

 

「とうとうサリーの願いが通じたのか」

「まぁ、恋人だからそうのもあるよな」

「そんな事よりもです……サリー、頼む。俺が4人を足止めして良いか?」

「コウヨウが??」

「あの4人が手を組んだら【集う聖剣】か【楓の木】どちらかと対戦カードになるのは目に見えている。大事な戦力を減らさないために、一旦俺がある程度削って撤退させる」

 

 サリーは考えた。確かに全力で戦うならまだしも、敵の撤退目的くらいならばコウヨウが姿を表して、見た事ないスキル1つでも見せれば出来るかもしれない。

 

「ベルベットさんは戦闘狂だからともかく、ウィルさんやリリィさん、ヒナタさんはサリー寄りの軍師側だ。勝てない可能性さえ与えれば撤退するだろう」

「ねぇ、兄さん。万が一の事聞いて良い?」

 

 彼の意見に対して単純にカナデが、撤退をしない場合はどうするのかと聞いてみた。だが、コウヨウは笑って答える。

 

 ──俺の代わりに、ミィさんを倒して勝ってこい

 

「ふざけないで、最終兵器がここで脱落とかありえないから」

「ホイップ」

「おいコラコウヨウ」

「マホイップ」

「進化すんな!」

 

 サリーの言葉にコウヨウは訳わからない返事をして4人の場所に向かったのが始まりであった。

 

 ☆

 

「ノーダメージで生きられるとは思っていなかったけれど……まさか……1人沈められるなんてね」

「ヒナタの仇っす!! 【過剰蓄電】!!」

「ははっ……主、楽しいな」

「俺は全然楽しくねぇ。なんでコイツら撤退しねぇんだよ……クワバラクワバラ……」

 

 コウヨウの作戦は上手くいかないどころか、もはや大激戦であった。ヒナタを不意打ちの【真空刃】でムサシが斬ったのは良かった。コウヨウの予想ではここでウィルバードとリリィが冷静に怒ったベルベットを連れて逃げてくれるものかと思っていた。

 だが、3人はベルベットと共にまさかの追撃を始めた。これには流石のコウヨウも驚くしか無い。

 

「ベルベットさんはともかく……【ラピッドファイア】まで戦闘狂かよ」

「こっちは1人失ったので大人しく帰る術が無くなりましたからね……」

「ならば命かけて貴方を葬った方が、戦況は大きく傾くからね」

「なるほど、ヤベェな火をつけちまったか……兵全開、武士全開……」

 

 3人としてはヒナタの仇もあるが、コウヨウが怒り狂って全力である事を見たのもあり、逃げても追撃されると誤解をしてしまった。だからこそコウヨウの思い通りにはいかなかった。

 そうして数十分ほど戦闘を繰り広げながら、手を出せたのは……

 

「うらぁ!!」

「くっ……!? 私がやられても……ウィル!! ベルベット!!」

「【砦落とし】!!」

「【雷神再臨】!」

「主、今い……ぐっ!? 邪魔をするな小童……!?」

「コウヨウさんのトドメは任せるっす!!」

「チッ……ムサシも間に合わない……まぁ、説教受けてから考えるか……」

「いっけぇえええええ!!!」

「む……むねぇぇぇぇん!!」

 

 ヒナタを粒子に変えたのはコウヨウ。だが、彼を最終的に下したのは……

 

「はぁ……はぁ……全く……なんて男ですか……」

「私達が……負けみたいなもんっすね……」

「た……助かりました……」

 

 HPバーが2割を切ったウィルとベルベット、そして1割すらも切ったリリィであった。倒されたコウヨウはたった一言、無念だ。そう返して光り輝いて消えた。

 

 ☆

 

「サリー! 無事だった……」

「フレデリカ……」

「え? 何? なにがあったの!?」

「フレデリカ……!!」

「え!? な、さ、サリー!? 私にそんな趣味は……ってなんで泣いてるの……??」

 

 何とか一度町に戻った【楓の木】と【集う聖剣】。フレデリカはサリー達にペインが作戦を立てる話をしようと誘ったのだが、サリーの様子がおかしい。普通に泣いていた。

 少しだけフレデリカに抱きついて、離れるとサリーは何かを悲しむ様な、それであって何かを怨むような、とにかくフレデリカが見るいつものサリーでは無かった。勿論様子を見に来たのはフレデリカだけでは無い。

 

「メイプル、何があったんだ?」

「ぺ、ペインさん……そ、それが……」

 

 事情を落ち着いて聞こうとした【集う聖剣】。ペインがメイプルに問いを投げるとそのトップメンバー達に告げられたのは、残酷な事実。

 

「お兄ちゃんが……死にました……」

「な……なんだと……」

「嘘!?」

「本当。マップから、コウヨウの反応が消えたから……」

 

 サリーの言葉に対して、マップを開いた全員は彼がいた場所を確認しながら彼の反応が無いのと、プレイヤーの名前が消えていた事を確実に見てしまったのであった。

 

「そんな……バカな話が……」

「あってたまるか……って言いてぇのは俺たちもそうだぜ」

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