妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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二刀流と夜戦

「夜は眠いですわ」

「死んでも良いなら寝て良いよ?」

「それは相手プレイヤーにですの? それともわたくしですの?」

「私を何だと思ってるの?」

「誤解とはいえ味方に刃物を向けるとは何事ですの?」

「浮気や隠し事をしたコウヨウが悪い」

「してねぇですし今はレリフルですわ」

 

 もはや開き直ったサリーにレリフルは呆れる。愛してくれていると実感できるのは良いが、それが他者に影響するのは流石に見てはいられない。

 

「ところで……イズさんが言ってたコンティニューって何?」

「わらしのおかげですわ」

 

 そう言ってレリフルは事の経緯をサリーだけに伝える。サリーは苦笑いと幽霊に対して少し恐怖しながらも、最終的に出した言葉はコウヨウが化物である事だった。

 

「わたくしは人間ですわよ」

「ただの人間は1500以上も斬らないし、生き返らない」

「クロムさんだって生き返るではないですか」

「それは確率依存でしょ? テイムモンスターの犠牲だけで自分を生き返らせるスキルなんてみんなからすれば最高スキルだよ」

「わたくしの代わりに散ったムサシのためにも、二度と負けませんわ」

「念のため聞くけど勝算はあるの?」

 

 サリーの言葉に大きく頷いて、レリフルは空に向かって手を突き出した。そして、何も話さずに多くの水弾を放つとサリーは少し笑って察した。

 

「流石に不意打ちどころかチートすぎない?」

「全スキル対応ですわ」

「これならいけそうかな」

「サリー、帰ったらまた、デートをしましょう。その前にこの試合の決着をつけてしまうのが先ですが」

「うん。コウヨウが誘ってくれるなら、絶対行くね」

 

 そう言って、サリーはレリフルに顔を近づけてキスをした瞬間……

 

「2人とも準備は……」

「「あ」」

「すぅ……おーいメイプル!! 今すぐカナデとキスしてくれー!! 追加で尊みを補給したいんだー!」

「「何言ってんだアンタは!!?」」

「カスミ!? どういう事!?」

 

 運悪く入ってきたカスミはガン見した後一息ついて、メイプルの元に走って行った。そこで発した言葉は全く脈絡がないセリフでサリーとレリフルだけでなくメイプルとカナデも流れ弾をくらった。

 

「で? カスミは何であんな事言ったの?」

「尊いが足りないからだ!!」

「コウヨウお姉ちゃん、カスミの頭叩いて良いよ」

「カスミさん、峰で打っていいですわね?」

「全くよくない!!」

 

 じゃあ仕方ないと、ダメージは無いが拳で頭を殴られたカスミである。レリフル及びコウヨウの、グーパンの犠牲者がこれでまた増えた。

 

 ☆

 

「ごきげんよう……幽霊ですわ」

「は? こ、こいつ……どこ……か……ら」

「え? ちょ……どういう……」

「な、なんで生きて……」

「だから言ったではありませんか……幽霊ですわよ」

「こ、コウヨウの怨念だぁぁ!?」

「騒ぐなバカ……」

 

 闇に隠れてボロマントに装備したレリフルは敵を斬り裂く。メイプルが毒の雨を降らせている間、別のエリアの敵を斬り裂く作戦を決行した。レリフル1人の方が、戦いやすいのと、彼曰く、自分が幽霊だとハッタリを伝えながら斬れば怨念だのなんだの言ってくる奴がいると。

 実際ほんとにそうだった。レリフルは口調を崩しながらも、そのまま斬り裂いて前人未到のキル数に勝手に挑みまくる。

 

「クロムさんがいるから死神の座はあの人にあげましょう。わたくしは怨念。ただの幽霊でいいですわね」

 

 そう言ってレリフルはスキルを詠唱せずに、宙を舞ったのだった。

 

「スタァになるのは、このわたくしですわ」

 

 ☆

 

「嘘だろ……? おい! リリィ、ウィルバード、ベルベット、本当にコウヨウを間違いなく倒したんだよな?」

「私達が嘘を付く理由などありませんよ。現に、私も何が起こっているのか分からないんです」

「だよな……」

「ごめんなさい、ちょっと普通に吐きそうっす……」

「どうして彼がまだここに……」

「本物なのか……??」

 

 ポップアップを見たミィやウィル、リリィにベルベットは絶望した。いや、嘘だと思いたかった。確実に粒子になるのを見届けたはずのプレイヤーが生きているからである。

 それがただのプレイヤーなら良かった。もう一度倒せばいいだけの話だから。だが、不幸にも生き返ったのはコウヨウ。

 トップギルドのマスター含め4人がかりでも1人やられた挙句、全員のHPをギリギリまで持って行かれた最強の二刀流釣り師である。恐らく1VS1なら100%負けるし、4人でここまでなら3人で勝てるかすらもわからない。

 ベルベットはいまだに混乱しすぎて言葉を発せないしなんなら少し吐きそうな顔をしている。

 

「な、何で……いや……本当に……どうして……」

「原理は分からない。だが、恐らくスキルだろうな。似たようなスキルの報告もあるし……だが……」

 

 それにしても、不死身過ぎるし、チート過ぎる。正直呆れるしか無いミィであったのだが、復活したものは仕方がない。

 

(シンもミザリーもやられちゃったし……もう嫌だよぉ……コウヨウに会いたくないよぉ……そもそもどうして生きてるのぉ……!?)

 

 それを踏まえても彼女の心労と心の声は覆す事ができなかったのだった。

 

「また……倒さないといけないね……いや、無理だなぁ……」

「絶望が絶望を呼んでいるようにしか見えませんがね……どなたか助けて下さいませんか?」

「うぅ……メイプルさんやサリーさんすら倒せてないのに……こんなのってないっすよ……」

「やっべぇ、マジどうしよう……とりあえずマルクス呼ぼう……もうミィチカおうち帰りたい……」

 

 普通に心の声がダダ漏れの4人である。

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