妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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二刀流とお説教

「ねぇ? コウヨウ? 私の事愛してるよね? ネェ? アイシテルヨネ???」

「愛してます……痛い痛い痛い……」

「お兄ちゃん? サリーがいるのに浮気してないよね? ユイの事愛してるって言ってるし思いっきりキスしてたけどウソダヨネ? ネェ? オニイチャン??」

「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い……」

「とりあえず兄さんは反省しないとダメだね」

「おいこらカナデ痛いお前だけは痛い許せん」

「なんで僕だけ??」

「め、メイプルさん! サリーさん! 師匠は悪くないんです!!」

「ネェ、ユイ? ワタシヲサシオイテ、コウヨウサンニ、コクハクシタアゲク、キスマデシタッテホントウ??」

「お姉ちゃんも怖いよ!?」

 

 イベントが終わり、ギルドホームのセーフティエリア内でメイプルとサリーにダガーと短刀を仰向けになってカナデに拘束された身体に突き立てられまくるコウヨウ。痛みしかないがダメージが減らないので本気で痛みしか感じないから辛いし痛い。対してユイは姉であるマイに言葉で地獄を味わっていた。

 

「そ、そろそろコウヨウ君を許してあげたらどうかしら? ほら、誤解といっても……身体を許したとかはなかったわけだし……ね?」

「お、俺もそう思う。もしユイちゃんとそういう関係になってたらアレだが……結局、コウヨウはユイちゃんから【コネクト】のステータス共有を申し込まれて、告白されてキスされただけ……なんだから……な?」

「「告白はともかくキスされたのはダメデショウ??」」

「それはサリー達の言うとおりだな、反省しろコウヨウ」

「カスミさんの痛い裏切り者痛い……痛い痛い痛い痛い痛い痛い……」

「兄さんにはそろそろ痛い目を見てくれないと困るよね」

「カナデ痛いテメェ痛いスライム出せ痛い、木っ端微塵痛いにしてやる痛い」

「私もコウヨウさんが好きなのに……ユイに先を越された挙句……コウヨウさんに命を預けてもらったなんて……羨ましい……ユイ??」

「はい!?」

「フフフ……ワカルヨネ??」

「分かりません!! お姉様!!」

「オシオキデスヨ?」

「怖いです! マイお姉様!!」

 

 結局あのイベントの勝敗は玉座に手をかけたメイプル達の陣営に軍配が上がった。ベルベットやヒナタ、ウィルにリリィの実質四天王をコウヨウが1人で壊滅させた挙句に、敵のチームで最強の総大将であるミィをコウヨウとユイが倒したのもあり、流石の相手チームも意気消沈であった。

 

「で、でも! 師匠が私に命を預けてくれなかったら、私もすぐに死んでたし……それに! あのミィさんも倒せたんですよ!?」

「うん、そうだね。ユイとコウヨウがいなかったら結構大変だったけど……ウワキハゼッタイユルサナイヨ?」

「あのメッセージは……その……ごめんなさい……ドラマで見ただけで……深い意味は無くて……」

「サリー、ユイを責めるなら俺を刺せ。マイも、ユイに怒るくらいなら俺に大槌を振え。今度こそ死んだ身だ。こんな痛みくらい耐えてやる」

「うっ……コウヨウさんにそう言われたら……」

 

 結局、ユイがミィのスキルを受けてしまったのもあり、【コネクト】で繋がっていたコウヨウも公式で初めての死亡をカウントした。ユイは全力でコウヨウに謝っていたのだが、彼は笑いながらユイの頭を撫でてお礼を伝えた。

 

 ──ユイは俺を守ってくれたし、救ってくれたんだ。これくらいどうでもいいよ。寧ろ、本当にありがとう。

 

 ユイはまた惚れ直したし、もう一回キスした。口に。サリーはキレた。そうして、イベントが終わって少し経ってから、彼はメイプルとサリーに自分の気持ちを真剣に伝えた。初めは何を言っているのか、完全に誤解だと伝えた彼女達ではあるが、彼の真剣な目を見て、2人もコウヨウに対して思う所などを口にした。少しばかり言い合いが続いたのだが……

 

「私はコウヨウのそう言う被害者振りは嫌い、でも、私達もコウヨウに嫌われるところはあったから……お互い様だよね……」

「お兄ちゃんのバカ! もう二度とそんな思いをしない様に私たちはお兄ちゃんのそばにいる!」

「カナデも混ぜてやってくれ……俺も、いや、元々俺も考えすぎだった……ごめん」

「「でもコウヨウ(お兄ちゃん)は倒す!!」」

「こいつらめんどくせぇ」

「兄さん、僕も一戦お願いしたいな」

「お前もかよ。ならスライム寄越せ木っ端微塵にしてやる」

「なんで僕だけスライムのソウが狙われてるの?」

「お前がユイにわけわからん本読ませたのは証拠が上がってる」

「僕逃げようと思う」

「待てやコラ」

 

 結局3人は仲直り……というかお互いを理解して、分かりあうことでまた1つ絆が深まった。それでも、しばらくはコウヨウ浮気事件を蒸し返されてはサリーに刃物で切られかける事があったが。

 

「コウヨウさん……」

「マイ?」

「私も、コウヨウさんが好きですよ!! ユイみたいにき、キスする勇気は無いですけど……サリーさんを愛してるコウヨウさんを、私も愛してますから!!」

「「マイ??」」

「お姉ちゃん??」

「あ……あはは……参ったなこれ……」

「わ、私もユイみたいに師匠ーって言った方が良いですか?」

「それはやめた方がいいぞ」

 

 ユイが師匠と呼んでくるのはしっくり来るのだが、何故かマイが師匠と呼ぶと何かよくないパクリな気がするので、マイは普段通り呼ばせておいた。結局修羅場はまだ続くのかと笑ったコウヨウである。

 

「私猫耳族では無いんですけど」

「はいアウトです」

 

 ☆

 

「おい! ペイン! 聞いたか!?」

「【炎帝の国】のミィが【楓の木】所属、最強の二刀流釣り師のコウヨウを倒した事か?」

 

 一方でイベント後の【集う聖剣】ではドラグが噂を1つ持ってきた。それはコウヨウがミィによって倒されたという事であるが、それは正直観ている人からすれば事実ではない。

 

「でもアレってコウヨウのスキルでしょ? 確か……お互いの命預けるみたいな?」

「そういえば確かにコウヨウがユイって子と命預けたから、どちらかが死んだらお互い死ぬって言ってたな」

「しかもあの【インフェルノ】をあの子が受ける直前に庇おうとしたんだろ? 相打ちしてまでやる事にしちゃ凄まじいよな」

 

【コネクト】の効果はコウヨウが味方だったこともあり、ペインにも教えていた。それもあって、今回はコウヨウでは無くユイが倒された事でコウヨウが死んだという結論になったのもあり、このギルドメンバーの全員はコウヨウが死んだが負けたわけでは無いと考えた。

 

「そもそもミィに倒されたのが事実になったとしても、NPCとプレイヤー合わせて2000人斬りなんて出来るプレイヤーなんて存在しねぇよ。やっぱりコウヨウは化け物だな」

「確かにそうだが、あのユイという子も底が知れないと俺は思っている」

「どういう事だ?」

 

 ペインはみんなに伝えた。コウヨウは見るだけでヤバいのは事実であり、化け物なのも事実。だが、あの時はその隣にいたユイもとてつもなく化け物だとペインは思ったのだ。その理由は動きにある。

 

「コウヨウのスキルでSTRはともかく、AGIも一緒であるならば、スピードの調整が難しい。サリーが俺達の攻撃を反射的に本能で避けることが出来るのも同じでかなり高いPSが必要なはず……それがたった1日……いや、現実では数時間の僅かなリミットで彼女はコウヨウと同じ動きでミィを攻撃していた」

「た、確かにヤベェな……」

「そう言えばあの子コウヨウの弟子だよね……まさかコウヨウと一緒に戦ってたから……彼の癖とか立ち回りをコピーしているのかな……?」

「それがマジならコウヨウだけが脅威じゃねぇな……しかも流石に【神速】持ちの俺でもいつもスキルと同じスピードじゃないからな……仮にコウヨウのAGIなんて貰ってもあんなに余裕を持って動けねぇ……」

「愛の力かなぁ(遠い目)」

「そう言えばあの子コウヨウにキスしてたな、サリーがブチギレてコウヨウを串刺しにしてたけど」

「あいつよく無事だな!?」

「まぁ……あんな事があったけど、やっぱり本気でコウヨウを倒すなら直でぶっ倒したいよな」

「ああ。恐らくミィもコウヨウを倒したとは思っていないだろうな」

「本当にミィが倒したのはユイだからね……コウヨウに【インフェルノ】を撃ってないから。コウヨウがあの子の為に庇う動きして食らっただけだし……」

「あの時は二刀をミィに刺しっぱなしにしてたから、アイツなら刀があればそれすらも斬りそうだな」

 

 ドラグ、フレデリカ、ペイン、ドレッド達は感想を言い合うが、誰1人コウヨウが負けたとは思っていない。コウヨウさんは死んだだけだ、コウヨウさんは負けていないし鬼にもなっていない。化け物にはなっていたが……

 

「それにしてもヤバかったな……ユイとコウヨウの大地震は……」

「2人でSTR5桁超えでしょ? AGIも4桁」

「え? あれそんなに上がるのか!?」

「しかもコウヨウが自分でかけたバフが相手にもかかるらしいな……それでもアレは……全く、あいつには驚かされてばかりだ」

 

 実を言うと、お互いのスキルは使えないが、バフがかかったステータスを共有出来るので、5桁のSTRが引き起こす大地震はその場にいたプレイヤーと観戦エリアで見たプレイヤーに絶望を与えた。

 

「コウヨウがユイと2人で来たらどうする?」

「いや無理でしょ」

「寧ろコウヨウは妹のメイプルと組んだらもっと強いんじゃないか?」

「5〜6桁のSTRとAGIとVITかよ……いや、多分NWOの全プレイヤーでかからないと無理じゃね?」

「考えただけで震えが止まらないんだけど……」

「黒龍に怪物だろ?」

 

 化物と化物が手を組めばそれはもう世界滅亡である。

 

 ☆

 

「くっそ!! 私とした事が! コウヨウのあんな嘘に騙されるなんて!!」

「ユイにキスされてたけど」

「考えても分かるでしょう。俺はサリーLOVEですよ?」

「ユイにキスされたじゃん」

「だが、お前はそう言う話題苦手だっただろう!?」

「サリーに何度か性的に襲われたら嫌でも耐性付きますって」

「ユイにキスされてた」

「お前ら何回交尾したんだ!?」

「交尾言うな……あ、30匹目」

「30回だと!?」

「言ってねぇっす」

「正しくは10回以上」

「サリーうるさい」

 

 一方でそんな噂やらは気にしていないコウヨウはその話題中心の少女ミィと呑気に釣りをしていた。今回は何故かミィがコウヨウを誘ってくれたので、彼も頷いて釣りを開始したのだが……

 

「すぅ……はぁ……すぅ……はぁ……」

「というか、何でサリーがコウヨウの背中にくっついているんだ?」

「俺の頼もしい武器です」

「コウヨウは浮気疑惑があるのでついて来ただけです。ユイにキスされてたし」

「私は取らないから心配するな」

「コウヨウいい匂い……」

「ゲーム内で匂いとかある??」

 

 ないです。釣りをしながら、ミィは最近のイベント話を続けた。

 

「それにしても……まさかコウヨウがユイと単独で私たちを挟み撃ちするとは……サリーの案か?」

「それはユイです。私がコウヨウに言ったのは最終兵器は大人しくしてって事だけです。本当に動かないでって」

「お前……その指示あったのに勝手に暴れてNPCとプレイヤー合わせて2000斬ったのか……」

「いや……サリーがそれしか指示くれないし、メイプルと仲良さそうだし……俺が仲間外れな感じがしたので……ちょっとムカついて……後、俺には俺のレヴューがあったので」

「まだ言ってるのかそれ!?」

「別にコウヨウが嫌いなわけじゃないって……言ったでしょ?」

「悪かったよ……でも、ポジションゼロだったぞ。俺は二刀流の舞台の上で生かされてるんだよ」

 

 何があったかわからないミィだが、一つ言えるのは、まだサリーとコウヨウの仲が深まったくらいである。

 

「それにしても……コウヨウ1人に上位ギルドの1,2が全員負けるとは……」

「一度死んだので、コンティニュー無かったらヤバかったです」

「そうだ……聞きたい事がそれだ! コウヨウ、あのコンティニューとわけわからん大地震は何だ!?」

「テイムモンスターがくれたクロムさんが使ってる確定版デッドアライブ? みたいなスキルと、お互いのどちらかが死んだら片方も死ぬ代わりに、全ステータスをバフ込みで上乗せ共有するスキルです」

「バフって……最後何倍だ?」

「さぁ? 装備込みで12倍とかでは??」

「10万レベルが2人だと!?」

「怖……」

「化け物のレヴュー」

 

 ちなみに、サリーはコウヨウの後ろで蝉の様にくっついて匂いを嗅いでいるので(?)ほぼ黙っているが、2人の会話を聞きながらコウヨウヤベェと言って少し冷や汗をかいた。

 

「それにしても……おめでとうございます」

「何がだ?」

「また、人気が鰻登りじゃないですか」

「ふざけるなよコウヨウ」

 

 コウヨウが言ったのはミィの株がまた上がった事である。あのイベントで間接的ではあったものの、ミィとコウヨウとユイは相打ち扱いとして消滅した。

 その一部始終を見ていた【炎帝の国】のプレイヤー達からミィがあのコウヨウを倒したと言う噂が瞬く間に広がり、彼女の株が底上げされたが、ミィは良く思っていない。

 

「私含めミザリーやマルクス、シンはそうは思っていない。というかシンに関してはお前に殴られて埋められてたし」

「それでも、少しは誇ってくれないと困ります。これはミィさんを本気で倒すためにユイが真剣に考えた作戦です。俺もそれに乗って全力でぶつかったので、ユイのために胸張って下さい」

「そうか……お前はそういう奴だったな……自分より味方か……コウヨウ、次は負けんぞ……」

「その喧嘩は今度俺だけがやらせてもらいます……サリーもな」

「うっ……バレてた?」

「サリーがいるのにユイというやつにキスされてたことは許さんがな」

「それは私も許せない」

「勘弁」

 

 密かに対抗心を燃やしていたのはミィだけで無くサリーもである。今日、コウヨウは魚を100匹釣り上げて、ギルドメンバーに振る舞ったイベント終了後である。

 

「「コウヨウさん(師匠)の料理毎日食べたいです!!」」

「マイ? ユイ? コウヨウは私のだよ?」

「嫌ですー!! 師匠を下さいサリーさん!!」

「だめだ!」

「コウヨウさん、今度2人きりでデートしませんか?」

「「抜け駆けはダメ!!」」

「メイプル助けて」

「とりあえず打ち上げするから座ろうよサリー、ユイ」

「なんか……とんでもない修羅場に来ちゃったみたいっすね……」

「おう、ベルベットさん。遠路はるばるお疲れ様です。どうぞ座って下さいな」

「コウヨウさんはなんかもう……敬語なのが変に聞こえるっす」

「うるせぇ、ぶん殴るぞベルベット」

「そっちの方が私は好きっすね」

「ベルベット? 斬るよ?」

「潰しますよ?」

「サリーさん達が怖いっす!?」

「サリー、ユイ、ストップ」

「コウヨウさん……師匠ー、カレー食べたいですー」

「マイは言葉をストップで」

 

 イベントの打ち上げもあったので、コウヨウが用意した魚を全員に配ったのは結構すぐの事である。

 

「ペインさん、同盟ありがとうございました。お疲れ様です」

「あ、ああ。礼を言うのは俺の方だ、ありがとうコウヨウ」

「普通にペインと魚食って喋れるのはアイツくらいだな……」

 




 因みにマイのネタは中の人です。
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