妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
第九層で【楓の木】メンバーは探索とレベル上げをしていた。ここでは経験値効率が良く、メンバーの成長も出来るのでみんなでモンスターを狩ったり、新しいドロップアイテムを手に入れてたり、良い時には新しいスキルを手に入れられるかもしれない。なのでコウヨウもレベルMAXではあるが、参加をした。
「それにしても、ユイもマイも立派になったな」
「そう言ってくれるのは師匠のおかげです!」
「ユイとマイは逞しくなったよね、コウヨウにキスしやがって」
「サリー落ち着け。というか特訓した俺は最初くらいだろ、今はメイプルとサリーが鍛えているんだし」
「それでもコウヨウさんと会わなかったら私達はここに存在してなかったですよ?」
「私達が【楓の木】にいない世界線だってあったわけです」
「世界線かぁ……サリー、アトランティス」
「やめろ」
ユイの世界線という言葉に少し苦笑いをするコウヨウ。サリーがそんな事も言ってた気がすると伝えると、近くにいたサリーは顔を赤くした。
「何だっけサリー……『アトランティスの世界線は人間の世界線とは少し違う……』だっけ?」
「忘れろぉぉぉ!!」
厨二病が疼き出したサリー。黒き歴史がこんにちはしたが、メイプルも笑いながら、探索をしていく。
「んじゃ、俺も活躍出来る世界線があった訳だ」
「世界線やめてね」
「私がお兄ちゃんの妹じゃない世界線があったのかなぁ……」
「その時は俺もサリーやメイプルとは赤の他人だな」
「涙流しながら言うなら兄さんも言わなければ良いのに」
「というかお兄ちゃんめっちゃ泣いてない!? 冗談だからね!?」
「海の都の女神は言った。私の未来は貴方と共にと!!」
「やめてコウヨウ! 私の精神力はもう0なの!」
流石のサリーも回避不可能である。ここまでダメージを食らったのはいつぶりだろうか。
「前から思ってはいたが……流石に八本持ちになってから破壊力が段違いだよなあ」
「細かい操作はまだできないんですけど……」
「まとめて動かすのはもうばっちりです!」
「俺も頑張って3刀流だから八本持ちは流石に負けるな」
「コウヨウの場合は一撃が違いすぎるだろ……」
「しかも二刀に変化する刀って全く聞いてないんだけど……」
「ユイとお兄ちゃんの【コネクト】凄かったなぁ……」
カスミ達ツッコミはもっともである。ユイとマイのような複数持ちはあまりやらないが、ただの刀で超巨大クレーターを作り上げるユイとマイが合わさっても出来ない芸当を【楓の木】最高レベルのSTRで彼はやってみせるのだ。
それの一本一本がその一撃なのだからたまったものではない。そんな話をしながら、探索をしていると新たにモンスターが出てきた。マイとユイは大槌を構えるが、そこでコウヨウは待ったをかけた。
「俺が行こう。2人のやる気は分かるが、2人だけに任せるわけにはいかない」
「良いんですか?」
「ムサシからの言葉だ……見る事もまた、戦いだ」
2人は薄々気がついていた。最初に会ったコウヨウとは、最近になって何かが違う事を。悪い意味ではない。むしろ……何か新しい強さを持った様な、何かを決意した様な……【楓の木】の一部はそれを理解していたが、彼がどこまで強いのかまだ分かっていない。
「よう、俺とやらねぇか?」
モンスターに対して話しかけながら刀を二本に変化させるコウヨウ。
「な、なんか……コウヨウいつもと違くねぇか?」
「そうね……いつもは戦いを避けるのに、珍しいわね」
「2人は見た事ないと思うが……アイツは、コウヨウはまた一歩化物になったぞ」
「確かにコウヨウ最近ムサシと特訓してるもんね」
「テイムモンスターと特訓する意味がわからないんだが……」
カスミがクロムとイズにそう伝えると、また何か変なスキルを手に入れたのかと把握した。だが、そう言うわけではない。コウヨウはそれを一切気にせず、普通に戦うことにした。
「あれ? 師匠の構えが違う……?」
「本当だ、コウヨウさんあんな上まで刀を上げる構えなんて、今までしてないのに」
「アレは……宮本武蔵の本来の構えだと思う」
「え? カナデ、宮本武蔵ってあの歴史上人物か??」
「そう。兄さんのテイムモンスターは元々宮本武蔵。だから兄さんの戦いもまた宮本武蔵の【二天一流】を受け継いだ……その瞬間、天をも破る最強奥義が誕生するって事」
「カナデも厨二病になってる……」
「僕もこういうのは好きだからね……アトランティスは別として」
「カナデ……ヤメテクダサイ……」
ユイとマイが言ったコウヨウの構えはまさしく誰もあまり見たことがないあの構え。カナデはそれを瞬時に理解して言葉を発した。何の構えかはユイもマイも聞いただけでは分からなかったが、メイプルとサリー、カスミはあの構えを見た事がある。
「お兄ちゃんムサシと同じ構えだね」
「うん、間違いなくあれだね……ってか出来るの?」
「恐らく出来るぞ。最初私が受けた時、何が起こったのか本気で分からず死んでしまったからな」
何の話かわからないイズ、クロム、ユイ、マイ。カナデは話だけしか聞いていないので技自体見ていないが、直感で分かる。もしも受ける相手が自分なら確実に死ぬと。
「スキルは要らぬ……刀を構えるとき……構えるつもりで構えてはいけない。斬るつもりで、構える。それだけ」
モンスターは気にせずコウヨウに攻撃を仕掛けるその瞬間、既にコウヨウはモンスターの後ろにいた。誰もいつ彼が移動したのかすらも分からないまま、コウヨウは刀をしまって……
「うーん……少し斬撃が足りなかったかな?」
「タイミングはまだ完璧ではないが、マシにはなったな主」
コウヨウのセリフと共にモンスターが数十以上の斬撃エフェクトに包まれてダメージを受け続けた。バグか何かか分からないが、30秒程斬撃エフェクトが消えず、モンスターもカクカク動いて粒子になったり元に戻ったりして、最後は消えた。
「あれ? バグった?」
「な……何だあれ!?」
クロムが叫ぶ。流石にヤバいと思った。まるで意味わからんぞと言わんばかりにコウヨウのスキルを追求する。
「最近ムサシと特訓しました。それです」
「な、なるほど、そうか……とはならないぞ!?」
「な、何という……速さだ……以前斬られた時よりも……威力が上がっている……」
「お、男の子だもんね」
「イズ、それ関係なくない?」
クロムとカスミは驚きが隠せず、もはやイズに関しては見て見ぬふりをしているがカナデがツッコミを入れた。
「「コウヨウさん(師匠)カッコいいです!!」」
「おう、ありがとう……2人も頑張ってくれてるぞ」
「コウヨウの浮気者、ロリコンヨウ」
彼の近くまで来て本音で褒め称えるユイとマイ。コウヨウは2人の頭を撫でて彼女達の頑張りも褒める。サリーは暗黒界の女王になっているが、メイプルは今日くらいは2人の活躍に免じてと落ち着かせる。
こうして、まだ足りてはいないが、コウヨウのステータスにこっそりと新しいスキルが増えていたのであった。
【二天一流】→【二天の無紅へ】
一つに付きSTR×50倍の無限斬撃を繰り出す。繰り出される斬撃の数はプレイヤーの能力と技量で前後するが、最大はない。複数の敵を広範囲で斬ることができる。またスキル発動時のみAGI×20倍の動きになる。1日2回使える。
(コウヨウ……本当強くなったなぁ……アレ? 私もしかしてコウヨウと戦う事怖がってない??)
少しばかりコウヨウと戦う時を想像したら震えが出てきたサリーがここにいた。
命中する【二天一流】より弱いじゃんと思ったそこの貴方。安心してください。絶対命中の代わりに当たれば広範囲の相手絶対ぶった斬るマンになっただけなので強さは変わりません。