妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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絶対回避と二刀流の恋人

「昔からコウヨウは私の……私達のことを大切にしてくれたけど……私はコウヨウに何も返せてない。ずっとコウヨウが家事やってくれて、私はヒモのようにダラダラしてて……ゲームだってコウヨウに助けられてばかりで……私はあんまり活躍してない……もう嫌だ……私コウヨウと恋人になる資格ない……サリーおうち帰りたい……」

「「本気でそう言ってるなら潰すよ(潰しますよ)?」」

「ユイ!? メイプルさん!? ちょっと落ち着いて!?」

 

 闇サリーに対してブチギレるメイプルとユイ。あの後メイプル、ペインやミィ3人でコウヨウをとっ捕まえて、本気の敗北宣言を聞いた後、仕方ないから逃がしてあげたのである。そうして、メイプルがギルドホームに帰ろうとした瞬間すごく暗い顔をした闇サリーがいた。かなり怒っていたユイから事情を聞いたメイプルは同じく激怒した。

 

「大体お兄ちゃんで卒業したくせに今更何言ってんのさ?」

「強引にやったから今はそれすらも……罪に聞こえる……」

「メイプルさんのいう通りです。コウヨウさんとヤらかしてるくせに今更自分が似合わないなんてゴミみたいなこと言わないでください」

「私はそもそもユイがその知識を知ってる年である事に対して驚いてます」

「「そんな事どうでも良いでしょ(良いじゃないですか)」」

 

 どうでも良くない。天使、(STRほぼ)最強、(コウヨウを倒したのでほぼ)天王山であるユイちゃんがその知識を持っていた事に対しては異議を唱えたいのだ。

 

「メイプルさん、サリーさん、最近ユイはコウヨウさんに惚れたせいで余計な知識や言葉を身につけてしまったんですよ」

「じゃあお兄ちゃんを潰せばいい?」

「ユイに10割本で知識を与えたのはカナデさんです」

「カナデは今度搾り尽くしてあげよう。そうしよう」

「メイプル君怖い」

「「「そんな事よりも貴方の根性を叩き直そうかな」」」

「た……助けて……コウヨ……」

「助け呼ぶくらいならそんな情けないこと言うのやめてくれませんか? 私本気で今サリーさんにムカついているので」

 

 ユイに容赦は無く、そのままお説教の時間が始まった。

 

「というかお兄ちゃんと並びたいとかほざくなら家事してよ」

「ゴフッ……」

「「え?」」

「サリー現実世界でお兄ちゃんに家事全任せにしてゲームしまくってダラけてるだけだから」

「「うわぁ……」」

「やめてメイプル……」

「働けサリー」

「ぐはぁ……」

 

 ☆

 

「あれ? なんでコウヨウさんがこんな所に?」

「サリーが……まぁ、少し体調不良で、代わりに伝えにきたんです」

 

【楓の木】の訓練所でコウヨウはベルベットと会った。サリーからは話を聞いてないし、ユイも珍しく怒っているだけで何も言ってくれなかった。

 ただ、なんかサリーが危ない感じがしたので、恋人として出来ることをやっておく事にしたのだ。

 

「本当はそっちのギルドまで伝えようと思ったんですが、入れ違いを牽制してここで待っていました」

「なるほど……それで、サリーさんは……」

「大きな病気ではないです。ただ、少しバイタルが安定しなくてシンクロ率が下がってるだけで」

「どこの新世紀人造人間パイロットっすか」

 

 ベルベットの突っ込みに対して少し笑って、彼は去ろうとしたのだが……

 

「待ってくださいっす。せっかく来て何もしないのもアレなんで、私と対戦して欲しいっす」

「俺と?」

 

 ベルベットの中では戦いが嫌いなコウヨウで通っていたので断られるのも頭に入れながら聞いてみた。しかし彼は頷く。折角来てもらって本人が不在なので、その詫びもあると伝えて受け入れたのだ。

 

「ならお相手お願いするっす」

「時間はどうします?」

「時間? ここは決闘じゃないからそんなのないはずっすけど……」

「そうじゃ無くて……」

 

 ——何秒で俺はお前を斬ればいい? 

 

 ベルベットは目を開いて自分の耳を疑った。分でもなく秒。しかも、確実に自分を斬る宣言をしたコウヨウを少しばかり睨みつけた。

 

「私じゃ倒せないと?」

「まぁ……分からないですけど。サリーみたいに器用じゃないんで、そこまで楽しい戦いにはならないかなって……」

「【紫電】!!」

 

 コウヨウの言葉に対してベルベットはすぐ仕掛ける。無数の雷をコウヨウに向かって発動するが、コウヨウは……

 

「だってお前ユイより弱いじゃん」

 

 全部身体で避けた。ベルベットはさらに驚いたのはいつもなら刀で無効化するコウヨウが、今回はただの回避術で避けた事。

 

「なら……【極光】!!」

「はいはい」

「なんで避けられるんですか!? まるでサリーさんみたいな……」

 

 初めて見るベルベットのスキル対しても、気怠そうに返事をしながら全部また避ける。遠距離だから避けられるんだと考えたベルベットはすぐに距離を詰めて近距離で戦う事にした。

 

「サリーが避けられるなら俺も避けられるはずなんで」

「なら……ここまでくれば……サリーさんじゃ無いから当たるはずっす! 【スタンパーク】、【雷神再臨】!!」

 

 確実に刀を抜くだろう。そう思ったベルベット。だが、コウヨウから出た言葉はさらに意外な言葉……

 

「朧、【黒煙】」

「はぁ!?」

 

 コウヨウの背中から急に出てきたサリーのテイムモンスターが黒い煙を放つとコウヨウの姿が消えた。ベルベットは驚きすぎて、意味わからなさすぎて狼狽えるしかなかった。その瞬間。

 

「チェックメイトは王手じゃない。王の首を取ったという報告だ」

 

 自身の首筋僅か1ミリギリギリに綺麗な刀が置かれていた事にベルベットは項垂れてしまったのだった。

 

「いったいどんなカラクリっすか!?」

「サリーがちょっと精神不安定で、メイプルたちが様子を見ているのですが、朧は主人の心配とベルベットさんの試合を心配してたので、サリーにお願いして朧だけ借りたんです」

「朧たんマジきゃわわ……」

「ツルギステイ」

 

 ベルベットとコウヨウは座りながら話をする。ちょっと強引までは行かないが、少し無理させて連れてきた朧は戦いに満足したのか人型ツルギに変身した膝の上で眠っている。ツルギはなんか興奮してるので止めているが……

 

「というか今の戦い方、サリーさんに似てたっす……」

「見様見真似しただけです。俺のスタイルとは違いますからそこまででもないでしょう」

 

 そう言ったコウヨウだが、ベルベットからするとサリーよりも恐ろしかった。サリーは攻撃が当たらない代わりに少しずつダメージを与えていくプレイヤーである。だが、コウヨウは全てが一撃一殺スタイル。そんなプレイヤーが回避術まで身につけた挙句弱点が無くなったらたまったものではない。

 

「サリーさんの上位互換みたいっす……」

「サリーと同じスタイルなら俺は今でもノーダメージでしょうね」

「サリーさん……どうかしたんすか?」

「さぁ? でも……なんというか、これから俺がサリーにかけないといけない言葉は分かります」

 

 ——お前の事しか好きじゃないんだよ

 

「そう言ってもう全力で接吻するしかないです」

「大胆っすね……」

「サリーに襲われてるので今度はこっちが襲う番です」

 

 お互いに顔を赤くしながらも話をするコウヨウとベルベット。そろそろサリーの元に行くとベルベットに声をかけて、帰ろうとした。

 

「コウヨウさん、お相手ありがとうございました」

「サリーじゃなくて申し訳ないです。ただ、これだけみんなに伝えといてください」

「はい?」

 

 ——俺を1対1で倒せるのはほぼいねぇぞ

 

 そうハッキリ伝えられたベルベットはコウヨウが負けた事実や、サリーともし戦ったらどうなるのかを暗示しているようにしか聞こえなかったのだった。同時に……

 

「それあんまり負けないって事っすよね?」

「ツルギも俺が斬る予定なんで、多分もうユイとサリーくらいしか相手にならんでしょうね。束になられたら別ですけど」

「テイムモンスターを斬るってどんなプレイヤーっすか……」

「あいつ面倒くせぇから斬る」

 

 ☆

 

「紅葉ぃ……紅葉ぃ……ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」

「お前ら説教するからそこに並べ」

「お兄ちゃんはとりあえず話聞いて」

「聞けるか、ユイとマイがいるのに本名で泣かれたらたまったもんじゃねぇ」

「「コウヨウさんって別の意味でコウヨウさんだったんだ……」」

「ユイ、マイ、この事は内密に頼む。本名は流石にな?」

「分かりました……まぁ、私達も本名みたいなものです。しね、お姉ちゃん」

「今ユイに死ねって言われた……」

「違うよ!?」

「言葉の伝え方だな、「ですしね」が「です。しね」って聞こえた」

「お兄ちゃんはなんで文章でもないのに分かるの!?」

 

 death、シネ。結局コウヨウは本日休めなかった代わりに、サリー達から事情を聞いて、もう一度恋人と話し合う事にしたのだった。

 

 ——私はコウヨウさんが大好きなサリーさんと、サリーさんが好きなコウヨウさんが大好きなので、いかに本人といえどそれを否定するなら本気で潰しますよ? 

 

「コウヨウ……ユイが怖い……」

「今のアイツは鬼神だからな。とりあえず事情話してくれ」




 紅葉ことコウヨウは特別な存在(オリ主)なので【楓の木】に本名バレても問題無しです。
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