妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
「なんだ、お前も同じこと考えてたのか」
「だって……って同じ事?」
「俺普通の学生だし。サリーはゲーム界では有名人だし」
「普通の学生は勉強はともかくあまり料理洗濯裁縫掃除はしない」
「楽しいからやりたい。後あまりメイプルとサリーの時しかやらねぇ」
「ユイマイの時やったのに?」
「あいつらは俺の大事な弟子だ。これからは学校出て働いたら嫁にする予定のやつくらいしか今後はやらん。メイプルにはサリーの指のサイズ測ってもらったからそれより少し大きめで用意はするし……」
「ねぇ、待って?? ねぇ、コウヨウちょっと待って!?」
サリーの話を改めて聞いたコウヨウが少し早口で「不甲斐ない愛は愛したくない」などとの供述を連発しながらサリーとしては衝撃の話をしやがった。
「なんだよサリー」
「よ、嫁って……どういう??」
「うるせぇ、俺が学校出て働いて1〜2年後に慣れた時、精神病んでなかったら結婚するぞバカサリー」
「そして思ったよりもちゃんと未来設計してた!?」
「これくらい言わねぇと今のお前は納得しねぇだろ」
口からでまかせなんて言うつもりは一切ない。正直コウヨウはさっさとサリーとゴールインしたかったのが本心である。
「今悩んでんだよ、歴史の講師かゲームライターか……一旦講師するための免許取りながらパソコン資格取ってんだ」
「よくアレだけ家事と勉強とゲームしながら取れるね!?」
因みに現実の話をするとコウヨウは割と偏差値高い教育系の学校である。しかも元推薦。
「そんなわけでサリー、逃さんぞ」
「うっ……ま、まぁ、私もコウヨウが好きだし……」
「テメェが俺に負い目を感じようがカナデがメイプルとたまに俺の家でヤらかそうが関係ねぇからな」
「サラッと聞きたくないこと聞いたよ!? えっ、あの2人コウヨウがいる時に何してんの!?」
「ナニです」
サリーもドン引きである。いや、正直あの2人からすればコウヨウが居ないと思っていたが、実はコウヨウが静かに自室で本を読んでいた時におっ始めただけである。事故だ。おかげで、妹と義弟の新しい扉を開いた所の確認が出来たが。
因みにコウヨウとサリーはしっかりと親のいないところでサリーが襲っているので大丈夫である(メイプルにはサリーがどんな事したかバラしまくってるので遅いが)
「まぁ……話を一旦置いてだ……サリー、俺を葬りたければいつでも来るがいい。【楓の木】訓練所で受けてやる」
「まだ……いいかな。気持ちの整理付いてないし……」
「ユイに負けた今がチャンスだとは思わないのか?」
「そんな事でコウヨウが落ち込むわけないし、それに……ユイが言ってた。コウヨウはまだ、全スキルを使ってない……」
「タイミング逃したんだよ。だって大槌8本だぞ?」
「それにだ、カナデみたいにMP多いわけじゃねぇしな」
コウヨウは真剣に言っているがサリーは信じなかった。コウヨウの実力ならユイが……誰かが武器を構える瞬間に決着をつける高速ならぬ剛速を超えるスピードを持つ者である。試合開始の時点で不意打ちだって出来たはずだ。そう、サリーは伝えたが……
「五輪書ちゃんと読め。『剣術にしか役に立たないようでは、剣術すら知ることは出来ない』俺は二刀流だが、それしか役に立たない立ち回りはしねぇ。刀が一本の時、【エンゲージ】で砲術をかます時。全てのことにおいて役に立たないと戦いを知れないんだよ」
「そもそも普通の男の子は五輪書なんて読まない」
「不意打ちは嫌いだ」
「いつでも倒せるってこと?」
「そこはお前達次第」
もはや無茶苦茶としか言えない。サリーも開いた口が塞がらない。コウヨウはハッキリ言うと、不意打ちでいつでも殺せるが、俺の流儀に合わないと言いやがった。
「確かに、逃げはしないが隠れはするって感じで、あいつ……宮本武蔵は不意打ちをやりまくってた史実はあるけど、なんか……俺があまりやっちゃいけない気がするんだ」
なんの意地かはわからない。ただ、コウヨウは爆速の不意打ちだけはあまりやってはいけないとそんな気がするのだ。
「【魔王】くらいにはぶちかましても怒られねぇと思うが、サリーとメイプル、ユイマイには死んでもやってやらねぇ」
味方に優しく、敵は葬る。されど最終的に人間らしいプレイヤーには情けを渡す。コウヨウのプレイスキルは武士である。
「とりあえず今はサリーを抱きしめるか」
「え?」
そう言って、今までの話をガン無視した雰囲気でサリーをベアハッグした。サリーを思いっきり抱きしめて、そのまま持ち上げて走り出した。
「え? え!? 何、何、何!?」
「もう絶対離してあげないからな」
とりあえずしばらくはサリーのそばにいておこうと考えたコウヨウ。そのまま暇だからと言って【楓の木】のギルドホームに突撃したのだった。
「おーい、誰かサリーが病み病みの実食べたから解毒してくれ」
「サリー大丈夫? 骨」
「折れる可能性大」
「「見事なベアハッグだなぁ……」」
クロムとカスミがコウヨウのベアハッグを褒めた。悪い意味で。因みにサリーのダメージは0です。
☆
「俺が武士だ、分かったんなら退け。退かねば斬る」
第十層探索でもお構いなしである。今回の層は今までの総まとめとして第一層などの色んなエリアが交差するファンタジーの世界。だが、出てくるモンスターはかなり強くなっている。コウヨウはそれを軽々と斬り裂いて行く。
「流石コウヨウだな」
「クロムさん。お付き合い頂きありがとうございます」
現在コウヨウとクロムは第六層……要はホラーエリアでモンスターを斬り裂いていた。サリーの関係で2人が攻略をする事にしたのもあり、かなりスムーズに攻略は進んでいる。
「最近掲示板で敵が強くなった話を聞いてはいるが……」
「水のように、ラタトゥーユ。花のように、ラタトゥーユ……」
「なんでまだ一撃なんだよ」
たまに2〜3撃必要だとコウヨウはモンスターが強くなった事を事実だと伝えるが、クロムからしたら相変わらずに過ぎない。震える刃で貫きながら甲賀者と伊賀者を葬る事にした、そんなモンスターはいないが。
「そう言えばサリーちゃん大丈夫なのか?」
「元々俺を倒す手段考えてたら倒せない事がアイツの中で確定して、もうダメだおしまいだってなってたらしいです。そんな時に俺がユイに拳で負けたのでサリーの中で心壊れて、そんなにユイと相性良いならユイと付き合えばいいじゃないって暴走したみたいですね」
「複雑すぎて同情するわ……それでお前はどうしたんだ??」
「現実世界で2万くらいの指輪買ってサリーの本名彫ってもらってからそれをアイツの薬指にねじ込んでやりました。その後メイプルとサリーと俺、相互の両親顔合わせしたんで問題無いです」
「お前マジスゲェな」
「なので、メイプル達がログインしてる間はクロムさん達が面倒見てください」
「本当はコウヨウにも何か返したいところなんだが……もうお前欲しい武器とか無いだろ?」
「俺は暇してただけなんです。そんなお礼はいらないです」
「それでも俺は、お前がいたから楽しかったぞ。ギルド有名になったし、欲しい素材も手伝って貰ったし」
「じゃあ俺と一緒に【魔王】倒してください。ついでに俺も倒して下さい」
「後者は絶望だな!? 後それ間接的に第十層ボス倒せって言ってるよな?」
「倒さないと俺このゲームやめられないんで。下手すれば現実世界に帰れないんで」
「それなんてデスゲーム??」
完全なデスゲームに勝手に巻き込まれたコウヨウはその事を言わずにとりあえず第十層攻略をクロムとするのだった。
「そいえばお前ムサシは?」
「ここにいるぞクロム殿」
クロムの問いに対してムサシことツルギは人型になって姿を現す。
「コウヨウを手伝わなくて良いのか?」
「今の主は向かおうとしている。二天一流と五輪書を越える存在……即ち二天の向こうへと……」
「主が【魔王】と対峙するまでは、私もたまにしか姿を現さないでおくのだ。そうして
「コイツの力はもういりません。俺が武士なので」
「なんか違和感あると思ったらテイムモンスター使わずにその強さかましてたのか。納得してねぇけどしたわ」
「ってか今ムサシ余って言った?」
「気のせいだ余」
「ダジャレかよ」
Q、コウヨウ君は刀を抜く時は一刀流ですよね? 二刀流でしたっけ?
A、はい。一刀流です。ちょい複雑ですが、今のコウヨウ君のキャラデザの立ち方としては、左の腰だけに【青龍以下略】をつけています。抜いた時は一刀流の構えです。ただ、すぐに【青龍以下略】の刃を触って二刀流に変化させる形です。
よって、文章では「二刀を抜き」とか不可解な言葉が書いてたりしますが、正確には「刀を抜いて二刀に変化させる」が正しい表現です。
たまに木刀を右腰に付けて二刀する時もありますが、基本は一本の構えです。