妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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二刀流とクロム

「釣れねぇな……」

「ここは意外と釣れる魚は少ないですからね」

「の割にはコウヨウはかなり釣ってるな」

「スキルのレベルにもよりますよ」

 

 クロムとコウヨウは男同士で仲を深める為にもと釣りをしていた。カナデも男だが、最近コウヨウは女の子達といる方が多いなと感じた、勿論一旦声はかけたがそのまま不参加となった。

 

「カナデとメイプルって仲良いんですね」

「確かにあの2人が一緒にいるの多いな……兄としては心配か?」

「いえ……なんか……うーん……」

 

 なんだろう、メイプルとカナデは仲がいいというよりもむしろ……うん。多分まだ気づかない方がいいかもしれないと、コウヨウは思った。

 そう考えながらも、コウヨウはクロムの倍以上の魚を釣り上げて話を続ける。

 

「今度のイベント、正直参加したくないです」

「プレイヤーをキルするからか?」

「まぁ……でも、メイプルとサリーがやる気なら参加しますけど……複雑です」

「うーん……コウヨウの気持ちも分からんでもないが……そうだな、カナデやイズのように魔法で支援してくれるなら戦わなくていいと思うが……」

 

 クロムの言葉に無理でしょうねと笑うコウヨウ。仕方ないからみんなが戦っている間に、敵を倒しやすいように陣形を崩したり、纏めて叩けるように誘導でもしようかと言った。

 

「それでもだ、俺はコウヨウを頼りにしている。なんたってそのSTRとAGIから出される……【呪斬】? はかなり強力だからな。【極天二刀】と【居合極】のSTR3倍も、お前の元のステータスから考えると、メイプルちゃんの防御力を超える勢いだからな」

 

 クロムからすれば装備込みで3桁後半になっているコウヨウのSTRが3倍になるとすれば、今のメイプルが持つVITすらも超える勢いだ。その彼が本気で戦えば、きっと今回のイベントは番狂せが起こると簡単に予想出来た。

 最も、それはコウヨウが本気でプレイヤーを斬って勝利のために戦ってくれたらの話だが。

 

「俺は勝つためには戦わない……だとしても、サリーやメイプル……ユイとマイが……【楓の木】がやられるくらいなら、俺が斬る……その先が多分勝利なので、俺はその前段階の心構えです」

「今はそれだけでも充分だ。【楓の木】はメイプルちゃんの知り合いで集まってはいるが、殆どが初対面だからな。勝つためにとは言っても、名無しのギルドだからみんな不安もあるだろうさ」

「だからこそ、メイプルちゃんやサリーちゃん。コウヨウが引っ張ってくれると、俺も助かるよ。想いはどうであれ、【楓の木】の仲間のためってのは変わらないからな」

 

 クロムはコウヨウよりも大人である。だからこそ、コウヨウには彼の言葉が刺さった。そうして、彼は少し頷く。コウヨウの隣には、透明になったムサシがいたが、少しばかり主の目を見て微笑んでいたのは誰も気づかなかった。

 

 ☆

 

「あれ? お兄ちゃん珍しいね、刀振ってるんだ」

「イベントで粗相かましたら俺がムサシに怒られるからな」

「キュルルン」

 

 ギルドホームにメイプルが遊びに来ると、そこには1本刀を振っていたコウヨウがいた。隣ではちゃんと姿を現したムサシが彼の刀の持ち方、振り方に対して声だけだが何かを教えている。

 

「ムサシ、この場合はどう振るんだ? こうか?」

「ギュルルル!!」

「あ、違うのか……じゃあこうか?」

「キュルルン!!」

「合ってんだな……なんだか難し過ぎるぞ……」

「カスミにも教えて貰えば??」

 

 メイプルがいうカスミというのはコウヨウと同じ刀使いの女侍であり、イベントの上位入賞もしているベテランだ。

 

「それも良いな、ムサシとカスミさんに教えて貰えば結構戦えそうだ」

「ギュルルル!!」

「ムサシ? なんで怒ってんだ??」

「キュルル! ギュルルル!! キュルルン!!」

「なんで言ってるのお兄ちゃん?」

「うーん……ムサシ、何が言いたいんだ??」

『たわけ……主は二刀流だろ……』

「あ、そうか。構えが違うからあまり参考にならないのか」

「キュルル!!」

「今の会話でなんで分かるの!!?」

「今ムサシ喋ったから」

「キュルルしか喋ってないじゃん」

 

 言葉で話したとコウヨウが言うが、メイプルには聞こえなかったみたいである。

 ちなみにムサシは別にカスミに教わるのが悪いとは言っていない。ただ、コウヨウは二刀流でカスミは1本で刀を振るう。構えや立ち回りが刀1本増えるだけでだいぶ違うのだとムサシは言ったのだ。

 

「うーん、でも、心構えとかなら聞いても損はないのでは?」

「キュルルン!」

「カスミさんと一緒にやるか、じゃあ……」

「お、コウヨウとメイプル、今からクエストに行くんだが……」

「カスミさん、共に二天の向こうへ行きませんか?」

「コウヨウは頭でも打ったのか???」

「お兄ちゃん……サリーの厨二病出てるよ……」

 

 サラッとサリーに流れ弾どころか大砲が飛んだのだが、その後コウヨウとカスミは刀の特訓をした。

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