妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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消えた二刀流と残された二刀流2

「あのコウヨウが【魔王】に攫われたのは本当か!?」

「あのコウヨウさんが誘拐されたって本当っすか!?」

「あの化け物が誘拐されたってマジ!?」

「なんでみんな兄さんの前に『あの』を付けるの??」

「「「『あの』化け物だからだよ!!」」」

 

 ちゃんならぬ、あの(コウヨウ)君である。コウヨウが誘拐如きで戸惑う人間とも思わないし、そもそも最強の二刀流なのでそんな事件の前に拳か刀で解決するはずだ。そう考えるのはクロム達が呼んだ【集う聖剣】などのメイプル知り合いギルドマスター達である。ミィとベルベット、フレデリカはコウヨウ誘拐について1番最初に突っ込んだ。

 

「アイツが無抵抗で消える訳がない、あいつに何か目的が……」

「ペインさん、今回に関してはお兄ちゃんは普通にやられたとムサシが言ってます」

「うむ。主が完全に不意を突かれたのは私が【魔王】に少しばかり支配されていて意識がなかった。私だと思い油断した主は斬られ、そのまま闇の穴の中に引き摺り込まれてしまったのだ」

「斬られたって……コウヨウは無事なのか??」

 

 分からないと答えたムサシ。声は出ていたが、かなり深く斬られたのもあり動ける状態でもなかったみたいだと伝える。

 

「どのみちコウヨウを助けるには【魔王】? ってやつを倒さないといけないみたいだな」

「だけどよドラグ、俺達がコウヨウを倒せないなら、コウヨウを不意打ちでも負かした【魔王】はかなり強いんじゃねぇか?」

「ふむ……あのコウヨウさんを誘拐出来たモンスターがいるならそれは事実だろうね」

「だとしてもどうしますかリリィ……私達全員でそれを倒すしか……」

「私はみんなで【魔王】に挑んでコウヨウを助けたいです」

 

 ウィルバードの言葉にサリーは伝える。無茶苦茶な話に巻き込まれたコウヨウだが、サリーは彼について行くことは決めている。一方でメイプルは……

 

「カナデお兄ちゃん……抱っこ……」

「僕は兄さんじゃないからしっかりして!?」

 

 流石に今回のコウヨウ事件に対してストレスがマッハしたせいでちょっと幼児退行した。カナデがいるのでなんとかなってるが(?)今までの無茶苦茶な話を聞き続けたのもあり、妹として耐えられなかったみたいである。

 

「目標は決まったけど……まだ【魔王】の条件も満たしてないし……ベルベットと一緒にクエスト回らないと……」

「ヒナタはんの言う通りやわぁ……手伝えるところはうちらも手伝いますさかい、今日はお開きにしましょうや」

「お前はなんで京都弁みたいなのを混ぜているんだコウヨウ……」

「え?」

「とりあえず【魔王】とくっちゃべったら回復して返してくれたから、クエストクリアしてもう一回喧嘩せぇへんとあかんのよな。後、ムサシテメェ覚えてろ説教だ」

「まぁ、とりあえずお前が無事に帰ってきてよ……かっ……た……???」

「はい?」

「んじゃ、メイプルお兄ちゃんだぞーほら、頭撫でてやるよ」

「お……お兄ちゃんの亡霊だぁぁぁあああ!!?」

「実態だよ」

「「「「「ええぇぇぇぇえええ!!??」」」」」

 

 なんか大事な話してるのに普通にメイド服着てそこにいたコウヨウ。とりあえずさっきから無言だったユイマイに殴られた。

 

「「どこ行ってたんですか馬鹿師匠!!」」

「【魔王】に誘拐された後、アイツの話聞いたら返してくれた」

「コウヨウ、なんでメイド服を着てるの?」

「装備ここに放り投げてきたから。ユイ、俺の装備返して」

「レリフル装備があるんじゃないの?」

「大事な話してるのにお嬢様口調とかダメだろ」

「メイド服の方がよっぽどだと思うけど!?」

 

 サリーがコウヨウの首を掴んで揺さぶりながら聞くが……コウヨウはニコニコしながら答えない。そんな中でミィとペインは真面目に話した。

 

「コウヨウ、流石に今回の件は誤魔化せないぞ」

「そうだな、ここまで集めて話し合ってるのに、本人は無事で戻ってきたので何も話しませんとは言わせない」

「「何があった?」」

 

 ミィとペインの言葉に一つ息を吐いて彼は答えた。

 

「【魔王】は人間だった……これだけは伝えられますね」

「に、人間? ゲームシステムではないのか?」

「ムサシと同じ……宮本武蔵と同じ転生者です……後は……俺がやらないといけない……ムサシ!」

「呼んだか……というかよく無事だったな主……」

「テメェを引きずってでも【魔王】の元に連れていくから覚悟しとけ」

「私は何かしたか??」

 

 転生者。その単語を聞いたミィとペインは黙った。サリーはコウヨウの首を掴みながら脅し続ける。

 

「全部言え」

「言えない」

「みんな心配してるんだけど」

「ごめん」

「コウヨウの話?」

「それは違う。今回は俺ではなくあくまでムサシ」

「私だと……? どう言う事だ主……」

「言わねぇ、お前自身が気づくべき話だ」

「そう……ごめん、今日はみんな解散!!」

「ちょっとサリー!?」

 

 サリーはコウヨウの話を聞いて一度解散指示を出す。サリーの言葉に驚いたフレデリカは突っ込んだが、サリーはコウヨウが一度こうなったら止められないからと伝えた。

 

「お兄ちゃん、後で話さないと食べるよ」

「心臓くらいならいいよ」

「兄さんそれ、くらいじゃないよね??」

 

 コウヨウが黙っているので仕方がないと、改めて解散をしたメンバー達だが、サリーとメイプルは兄を細い眼で見つめて、コウヨウはムサシを睨みつけていた。




 コウヨウ「あの後、魔王と一緒にご飯食べて帰ってきました」
 メイプル、サリー「本当に何してんだお前」
 カナデ「兄さん、それヨモツヘグイじゃない? 大丈夫?」

 みたいな会話もちょっとしたみたいです。
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