妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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 普通なら1話で本名言いますよね。とりあえず2話で本名出さざるをえなかったので、今日だけ連続投稿です。


二刀流と初ログイン

「絶対面白いから!」

 

 幼馴染である白峯理沙(しろみねりさ)から本条楓(ほんじょうかえで)本条紅葉(ほんじょうもみじ)はゲームを一緒にやってくれと頼まれた。最初は渋々だった楓ではあったが、彼女の兄である紅葉は言った。

 

「別にいいんじゃないか? 楓はゲームが嫌いって訳でもないだろ?」

「そうだけど……」

「お願い楓!」

「うーん、ゲームなんて殆どやったことないんだけどなぁ……まぁ、お兄ちゃんがやるならやろうかな」

「俺も?」

「今紅葉の分のソフト買ったから! お金は後で返して!」

「待って!? 流石に勝手すぎるだろ!? ちょい待ってくれ理沙!」

「なに? 紅葉は嫌なの?」

「あ……いや、そうじゃなくて……」

 

 紅葉の言葉に理沙は泣きそうな声で尋ねるが、別にゲームをするのは構わないと彼は伝えた。だが、一つ問題がある事は確かであった。それは彼がハードを持っていないと言う事である。

 

「理沙みたいにゲームをあまりしないからさ、いつも楓と交代でハードを使ってたし、俺の分が無いんだよ」

「お兄ちゃんも私の使えばいいんじゃないの?」

「それだと一緒にプレイ出来ないだろ。せっかく理沙が誘ってくれたんだからみんなでやろうぜ」

 

 そうして色々話し合った結果。紅葉だけハードを購入する事になり、今あるハードは妹の楓に使わせたのがかなり前のことである。結局紅葉がハードを手に入れたのは楓がメイプルというプレイヤーとして第1回イベントで3位になり、理沙も始めてある程度強くなった辺りであった。

 紅葉は楓よりも運が強くないので、ハードの抽選に落ちたり、並んでも買えなかったのだ。本来なら購入出来るものであったが、NWOが大人気になったせいもあり、動かすハードの機械も大人気になってしまったのである。

 

「理沙達に言うの忘れたけど……まぁ、楓はもうログインしてるから後で言うか」

 

 正直、妹と幼馴染は既にトッププレイヤー並の実力になっている話を聞いたので、自分いらなくねと思った。だから、少し意地悪だが、初ログインは黙っておいたのだ。

 そうして、始めてソフトをプレイしたのは、双子と釣りをしていた少し前である。いざログインすると初期設定の場所に飛ばされた。

 

「名前とか決めるのか……楓は確かメイプルだしなぁ……紅葉……ベニハ……いや、ダサいな……コウヨウでいいや。漢字同じだし」

 

 この妹にしてこの兄ありであった。名前も殆ど変わらないまま、プレイを始める。武器の選択があったが、秋といえば日本舞踊などコウヨウの中で日本文化を連想させたこともあり、刀にした。その時、よく分からないポップアップが出た。

 

『おめでとうございます。貴方は呪いの首輪を装備しました。現時点での解除は不可能です』

 

「え? 俺……呪われてね?」

 

『呪いの首輪』(基本破壊不能)

 全ステータスが二分の一になる代わりに、経験値とスキルポイントが多く手に入る。(装備から得るステータスは除く)

 

 紅葉の運の悪さはどうやらゲームでも依存するらしい。結局コウヨウは最初から、スキルポイントをある程度多く貰ったが、二分の一のステータスでなんとかするしかなくなったのである。因みにその時のステータスはこれである

 

 コウヨウ

 Lv1

 HP 10/10

 MP 5/5

 

【STR 80〈+10〉】

【VIT 0 】

【AGI 60】

【DEX 0 】

【INT 0 】

 

 装備

 頭 【空欄】

 体 【空欄】

 右手 【初心者の刀】

 左手 【空欄】

 足 【空欄】

 靴 【空欄】

 装飾品 【呪いの首輪】

【空欄】

【空欄】

 

 スキル

【極天二刀】、【居合】、【呪斬】

 

 レベル1にしてはそこそこであったが二分の一のせいで面倒な事になった。スキルポイントら殆ど極振りと変わらないが、それでも充分だ。だが、コウヨウは初手で呪われているポップアップとステータス二分の一という言葉に絶望したのもあり、この首輪の真の強さを全く理解していなかった。

 

【呪斬】

 呪われた力で敵を斬る。斬った相手のAGIをしばらく0にする

 

【極天二刀】

 刀を両手で装備した場合、STRが1.5倍になる

 

「初期スキルはこの二つか……極天二刀……なんか、普通に強そうだけど刀1本しかないし……しかも呪いの首輪がなぁ……」

 

 溜息を吐き続けても仕方がないので、このまま進める事にした。リセマラという選択肢もあったが、ゲームをあまりしないコウヨウにとって、こういう経験も貴重であったので大事にしたい気持ちがあったからである。

 そういう考えの元、紅葉改めコウヨウはこの姿でプレイする事にしたのだ。最初は確かにモンスターを倒すのに苦労はしたが、STRとAGIのお陰もあり、何とかゆっくりとレベルを上げていった。

 

「二分の一だからと言って全然削れない……って訳では無いんだな」

 

 そもそも最初の段階で割と高いので、スライムや虫などのモンスターは割と一撃近くで倒すことができた。スキルポイントが多く手に入ることや、新しい刀を身につけることで少しずつステータスを上げていったのだ。そこで、彼は見つけたのは……

 

「なんかここスライム1匹ずつ、すぐ湧いてくるんだけど……」

 

 コウヨウが見つけたところは初心者の穴場であるスライム無限エリアだった。ここではスライムを倒すと5秒前後で次のスライムが現れるエリア。

 そこに上限は存在しない場所なのでこのゲームが始まった時、初心者からはレベル5くらいまでなら上げられると少しばかり有名になったエリアである。

 ちょうど誰もいなかったのもあり、コウヨウはそこでレベリングをしようと考えた。

 

「せっかくだからスキル使うか……【居合】」

 

 そう言って、たまたま拾った木刀と初心者の刀を抜刀してスライムを斬る。【極天二刀】の補正もあり、倒すのは簡単であった。

 

「これは楽だな。よし、今日はここで粘るか!」

 

 そう言ってコウヨウはスライムを斬り続けた、次第に【居合】は【居合Ⅱ】に上がり、【居合Ⅲ】と連続で上げていった。普通ならスキルはここまで上がらないのだが……

 コウヨウは集中力だけで言えばゲームで本気になった幼馴染の白峯理沙以上にあった。現実世界では休日のテスト勉強に10時間全教科を集中してやって、学年どころか全国模試1桁に入る努力の天才である。妹や幼馴染から気味悪がられたが……

 それもあったせいか気づけば朝から晩までゲームのレベリング約8時間を3日程続け、スライムを斬り続けた。そして【居合】は【居合極】になった。

 

【居合極】(レベルMAX)

 刀から抜刀して素早く攻撃する。その一撃だけSTRとAGIが2倍になる。空中では使えない。

 

「これが最大かな……でも、理沙が言ってたけど確かレベル最大ってⅩじゃなかったっけ……まぁ、いいや、【極天二刀】と合わせたら3倍だし……それにしても、だいぶ疲れた……」

 

 その日は親に怒られながら、妹に夜更かしを心配されながらこのスキルを本気で鍛え上げた。その段階でコウヨウのレベルは10になりSTRとAGIは共になんとか3桁になったのだった。

 

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