妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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二刀流と魔王城4

「少年、貴方が私を呼んだのだな?」

「お前、誰だ……?」

 

 金髪で、彼が持っていた装備よりも真っ白な白装束を着た少女はコウヨウの前に現れた。

 

「私は……くどはる」

「偽名にしてももっとなんかあるだろ」

「私は闇の全てを打ち滅ぼす存在……貴方の心が、私を呼んだ」

「なら、さっさと俺に力を貸せ。アイツボコるから」

 

 自分に呼ばれたのなら力を貸して魔王を倒させろと全力で訴えるコウヨウに対して、落ち着きたまえ、少年と一言。そして……

 

「貴方の願いは魔王を倒すだけか?」

「違わないけど違う。でも、最優先はそれだ」

「なら本当の願いを強く願え、さすれば叶えてやる。私の魂を武器として、装備として……貴方に委ねよう」

 

 コウヨウはその言葉に少し驚いて、眼を瞑る。何を願ったのか、コウヨウしかわからない。それでも、その願い聞き届けたと、出てきたのは……

 

「何あれ……レリフルの時より真っ白な白装束と……」

「黄金の刀……?」

「なるほどな、コイツは確かに俺の願いの本質をついていやがる」

 

『天聖剣 クニツナ』

 かつて民のためを想い続けた伝説の将軍が付けていた刀。自分や民のために名誉を守った魂はもう絶対に敗北しない想いが込められている。詠唱しながらスキルを使うと威力は想いの強さと比例してSTRが倍になる。上限20倍

 

『天聖の衣 オニマル』

 かつて民のためを想い続けた伝説の将軍が付けていた装備。誰かのために身につける力は、必ず全てを凌駕する。詠唱しながらスキルを使うとAGIが倍になる。上限20倍。

 

「俺は男であり兄だ。誰かのために、この刀を振るえるなら、これ程幸せな事はねぇ……」

 

 ——願いは一つ。俺は不死身のコウヨウだ。

 

「やっと回復したか……みんな! 一旦引け! コウヨウの援護に回るぞ!!」

 

 コウヨウはゆっくりと歩く。綺麗な真っ白な装備を身につけて、刀は抜かず、一歩一歩魔王の元に向かう。

 

『なんだ……またすぐにやられにきたか……?』

「来たは来た。だが、やってみろ……飛ぶぜ?」

 

 ならばと魔王は二刀を高く上げる。コウヨウはそこに攻め込んで、魔王はその二刀を思い切り振り……

 

「【一之太刀】」

 

 ——バッギィィィイイ!! 

 

 振り下ろすと同時に魔王の刀が二刀とも折れた。

 

「ま……マジ……??」

「魔王の刀……へし折った!?」

 

 誰が言ったかもう分からないが、その後に驚きの声が上がり続けた。誰も二刀を止めることができなかったのに、コウヨウは装備1つ変えるだけで、一刀の居合だけでそれをへし折ったからである。

 

『な……なんだ……その力は……?』

「テメェらより強い将軍連れてきたぞ……【剣豪将軍】」

 

 コウヨウはその後すぐに消える。気がつくと、化け物の左腕が10等分されてそのまま左腕だけ落ちて粒子に変わった。

 

『ぐっ……ガァァァァァァァァァ!!?』

「どうした師匠、その程度か?」

『くそ……権之助! 何をした!!』

『フフッ、お前が容赦無くしそうだったからな……少しばかり同じ土俵に立てる物をくれてやったのだが……やはり失敗だったな……』

『なんて事をしてくれたんだ……!? それじゃあ今のアイツは……』

『なぁ、宮本武蔵。もう、良いだろ?』

 

 宮本武蔵と権之助が話している間にも、コウヨウはゆっくり歩いてくる。体勢を整えようと、闇の怪物は下がろうとするが……

 

「【多重炎弾】【多重風刃】!」

「【神罰】!」

「ソウ、【破壊砲】【ハイドロレーザー】!」

「弓が使えないのは不便ですが……【トルネード】!」

「【遠隔設置・炎刃】【遠隔設置・風刃】」

「【アイテム強化】! 発射!」

 

 ——諦めろ、諸行無常だ。宮本武蔵

 

 そう聞こえた魔王。それを目で見ればわかるような大火力。カナデやフレデリカのバフは今回に関してコウヨウにもかかっている。

 

『何故だ……さっきまで何も出来ていなかった者どもが……』

「「【飛撃】!!」」

『喚くな……人間……!?』

「【天下五剣】」

 

 ユイとマイの襲撃を止めようとした魔王だが、それをコウヨウが邪魔した。

 コウヨウの周りに5種類の刀が現れて、魔王の四肢(左手以外)に対して、そして頭に対して計5点を一斉に斬り裂いた。

 

『ガハッ……!? な、なんでその……技が……!?』

「やれ、ユイ、マイ」

「「師匠の仇です!!」」

「死んでねぇ」

 

 久しぶりにマイもユイと一緒に師匠呼びをした。結局コウヨウはマイには刀をあげなかった代わりに大槌のメンテナンスと新しい大槌があればプレゼントする事で話を終わらせたのだが、やはり威力は化け物である。

 

『な、ならば……魔王らしく……行け! 我が怨念を集めたしもべ達よ……!!』

「「あーあ、師匠の祠壊しちゃった……」」

『はっ……?』

 

 魔王は流石に不味いと分かったのか、コウヨウに対して数百体の魔物を用意して、一斉攻撃を仕掛けようとする。

 

「やっぱ呪われてるよ、俺も、お前も……【鹿島斬り】」

『バカな!? 200は出したはず……!?」

「まぁ、師匠だからね……これくらいは普通でしょ」

「どれだけモンスターが出てきてもコウヨウさんの呪いには勝てないよ」

 

 全員、秒で斬った。流石の魔王も驚きあきれるしかないのが黒い塊ではあってもコウヨウには確認できた。

 

「ユイ、マイ。人を幽霊みたいに言うんじゃねぇよ」

「そもそも装備変えただけでこんなこと出来る人がいますか? 流石化け物さん」

「師匠は祠の祟り神……いえ、祟り神です!!」

「言い直してくれんのかと思ったら何も言い直してなくて泣く……仕方ねぇな。全員攻撃特化だ!! 刀があるから攻撃を防がれるなら腕を斬れば攻撃は通る、その腕は俺が斬る!! ってかもう斬った!!」

 

 魔王はさらに悲鳴を上げた。いつ斬ったのかを誰1人把握していないが、既に魔王の両手が無くなっていた。

 

『き、貴様……いつ……』

「今でしょ」

「「どこの塾講師なの!?」」

「お、メイプル、サリーお疲れ様」

「まだ終わってないでしょ!? いや……ほぼ終わってるのか……??」

「お兄ちゃん……やっぱり人間やめたんだね」

「まだ人間だよ……あ、武蔵野いるか?」

「指揮官、どうかしましたか?」

「「お兄ちゃん(コウヨウ)がまた女連れてきたよ!?」」

 

 違うと否定はしたいけど出来ない。折角だから一発頼むぜとコウヨウが武蔵野に伝えると、彼女は【エンゲージ】を自分で展開した。

 

「「「その女(女性)誰(誰ですか)!?」」」

「武蔵野さん、お久しぶりですね」

「「いやユイは知ってんのかい!?」」

「ユイ……また私に内緒でコウヨウさんの秘密を……」

「久しいわね、ちっちゃくて可愛い……誰か?」

「ユイです」

「ユイちゃんね……それじゃあ……行きましょうか……」

 

 そのまま45口径46cm3連装砲 3基9門を武蔵野がぶっ飛ばした。魔王に直撃した瞬間凄まじい轟音と炎に包まれて、HPもほぼほぼ底を尽きるところまで持っていく。

 

「流石武蔵野……というかお前はシステムモンスターなんだな」

「指揮官のためならこれくらいはね……言ったでしょ、私はあの場所でゲームシステム壊すからって運営に隠されてたのよ」

 

 数いたコウヨウのゲームシステム外モンスターの中で、武蔵野のだけは本物のシステムモンスターだったみたいである。恐らく隠しキャラの一種だろう。

 

「ってか、メイプルはどうやって来たんだ?」

「飛んできた!! ついでに魔王倒しにきた!」

「大楯が飛ぶなよ」

「いや、前から飛んでるでしょ……」

「サリーは何しにきたんだ?」

「刺すぞテメェ!!」

 

 魔王の前だというのに何故かダガーをコウヨウに向けるサリー、普通に助けに来たと言いたかったのだが、ほぼコウヨウ1人で沈めやがったので返す言葉が無くなったやり場のない怒りからの行動である。

 

「【古代兵器】【滲み出る混沌】【攻撃開始】!」

「【氷柱】! 私は上に……ってアレ? みんなは?」

「サリー、後ろを見てみろ……魔王の異形がまだ残ってた」

 

 コウヨウ達の後ろで、ペイン達は魔王が放った異形と対峙する。

 

「【破砕ノ聖剣】!」

「【炎帝】! 【噴火】!」

「「【覚醒】!」」

 

 ペインとミィはお互いのテイムモンスターを【覚醒】させて異形をまとめて木っ端微塵にする手立てを立てた。それを確認したコウヨウは向こうは大丈夫だなとサリー達に伝えて、目の前の野郎をぶった斬ることを考えた。

 

『ぐぬぬ……余の怨念をほぼ消し去るとは……だが、これで勝ったと思うな、魔王が1人だと思うな!!』

 

 そう言いながら魔王は変身する。黒い物体が全て一点に集まり、その中から1人の侍が姿を現した。

 

「やはりお前が来たか、宮本武蔵」

「ふむ……若造。貴様の強さ、今しかと見届けた。ここから先は……私と貴様の……一騎打ちだ……!」

 

 現れた侍宮本武蔵が指を鳴らすと、周りの異形は彼に吸い込まれ、紅い鎖となってコウヨウ以外のメンバーの腕と足を締めた。

 

「うわ!? なんだこれ!? 身体がうごかねぇ……」

「お兄ちゃん大丈夫!?」

「俺はな! ただ、サリーまでも……!?」

「コウヨウ、落ち着いて! ダメージは無いから!!」

 

 回避の帝王であるサリーすらもその鎖からは逃げられずにそのまま捕まったが、皆にダメージは無い。二刀流の王は笑いながらコウヨウに伝える。

 

「今はダメージが無くても、貴様が負ければ次はお前だ、黒の大楯使い。そこから一人一人対戦して私が全て斬り刻んでやる」

「怨念がほぼ消えた今権之助はいない。私が最後の敵だ」

 

 どうやらこの魔王は一騎打ち限定でしか倒せないみたいだ。コウヨウはその意味を理解すると、なるほどと言って刀を鞘に収めた。そして高々と大笑いしてから魔王を見る。何が起こっているのかわからないみんなと少し目を点にする魔王。

 

「お前、名前は?」

「は?」

「名前、教えろよ」

「何を言い出すかと思えば……私は魔王。真の名は宮本武蔵だ」

「武蔵? カッコいい名前だな。俺はコウヨウだ」

「あぁ……ダサいな」

「うるせぇよ! 俺の親に謝……いや、コウヨウは俺が決めたのか……確かにそのまんまだしな……」

 

 魔王は気づいたのか、少し笑ってコウヨウの名を貶した。コウヨウも少し笑い……

 

「とりあえず頑張ってクリアするからなんかくれ、意外にも魔王と戦うのは初めてなんだ」

「いいだろう、見せてやる。我が二天一流をな」

「宮本武蔵、この喧嘩、俺が買ってやる」

 

 何を話しているのかはわかるが、何故自己紹介からしたのか分からないメンバー。それでもコウヨウと宮本武蔵にはこのセリフは切っても切れない大事なセリフであった。

 

「「一撃勝負だ」」

 

 そう言って、宮本武蔵は二刀を中段に構え、コウヨウは一刀を抜かんとばかりに鞘を左で持ち、右で刀に手をかける。

 

「雷の無呼吸、教えてやる」

「真の夢想を、見せてやる」

 

 その5秒後、お互いの位置は既に入れ替わっていた。片方の刀は抜かれ、片方の二刀は振り下ろされた後。

 

「どっ……どっちが勝ったんだ?」

 

 クロム含めたドラグやドレッドなどの男性陣の声に対して分からないと女性陣は答える。ペイン、ミィの会話に関してはもはや何も見えないと言ういつもの台詞。メイプル、サリーは……

 

「お兄ちゃんの肩に斬撃エフェクトが……」

「コウヨウ、無事なの!?」

 

 ハッキリとでは無いが、彼の肩にダメージエフェクトが入っていたのを見た。だがしかし、コウヨウに唯一、特別ルールだが、一度だけ勝ったユイは……

 

「この勝負は師匠の勝ちです」

 

 宮本武蔵はコウヨウよりも早く身体全体を粒子に変えたのである。

 

 ——まだ、終わりでは無い! 

 

【一之太刀】

 刀の一閃で対象を斬る。スキル発動の一撃のみSTRとAGIが10倍になる

 

【剣豪将軍】

 自身のSTRの5倍威力である10連撃で斬り裂く。

 

【天下五剣】

 将軍が手に入れようとした五つの伝説の刀を自身の周りにストックする。刀一本につき10倍のSTRを付与出来、好きな所に五本まで飛ばせる。

 

【鹿島斬り】

 広範囲の敵に自身のSTRの3倍威力のダメージを与える。

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