妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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二刀流と最終イベント2

「こんにちは、妹に会いたいので通っても良いですか?」

「あぁ……ダメだ」

 

 コウヨウはふざけてこんな事を言ったわけではない。相手を見て、すぐにこの台詞が似合うだろうと予想して彼に言葉を投げた。

 

「もう既に武器を持つとは……ここまでの距離、分かります? 5メートルくらいあるんですけど」

「お前の場合、その距離でも勝てないからな。正直嬉しいような、嬉しくないような……」

「嬉しくないなら通してくださいよ。俺は妹と恋人に会いに来たんです」

「申し訳ないがこれは俺のエゴだ。通すわけにはいかない。そうだろう、レイ」

 

 彼のテイムモンスターである白き竜は小さな体を前のめりにして頷いた。彼は自身の象徴である【聖剣】を構えて……

 

「俺は今度こそ、お前を地につけておかねばならない……覚悟しろコウヨウ」

「ならばそちらも……覚悟しろペイン。コウヨウ二天」

 

 セリフと同時に刀と剣が凄まじい勢いで火花を散らした。コウヨウが相手するのは、自分が現れる以前にNWO最強プレイヤーとして名を馳せた【聖剣】ペイン。彼こそがナンバーワンであり、誰も敵うわけがない玄人プレイヤーである人間である。

 それを破ったのは、ここにいる最強の二刀流にして【塚原卜伝】というかつて最強であった侍を二つ名として手に入れた男。

 

「ぐっ……やはりSTRとAGIでは負けるか……レイ、行くぞ」

「【聖竜の加護】【聖なる守護】!」

 

 ペインの言葉で大きくなった白き竜はペインを乗せて空中に飛んだ。コウヨウは上空を見上げて再度二刀を構える。

 

「指揮官……綾波も……」

「危なくなったら頼む」

「なっ……!? 1人でやる気です?」

「宮本武蔵との約束がある……なるべく負けるなと」

 

 そう言ってコウヨウも空を飛ぶ。なんだかこの光景は見た事がある、馬に乗った世紀末覇者と伝承者。今回は竜だが、ペインはNWO覇者。対してコウヨウは宮本武蔵直伝二刀一流の伝承者だった。

 

「そんな動物に乗った所で全力は出せぬ」

「ドラゴンを動物と呼べるのはお前くらいだなコウヨウ」

「【ホーリーレイン】!!」

「【雷加速】!」

 

 コウヨウに対して考えなしに大技を振っても硬直時間に敗北するだけ。だからこそペインは硬直の少ないスキルを使い、危なくなったらレイに避けてもらう戦法を取る。コウヨウもペインが真正面から来ないのは分かっているので空中で喧嘩を買う。

 

「レイ! そのまま爪でコウヨウを押しのけろ!!」

「ならば刀で押し返すのみ!」

 

 レイもペインの指示によりドラゴンである力を使いながらコウヨウを吹き飛ばしにかかるが、爪を刀で押し返されてそのまま距離を置かれる。

 

「燃やせレイ!」

「炎も光も強いし立派である。されど刀には程遠い」

 

 レイとペインの指示で攻撃を仕掛けていく。全部コウヨウに斬られてなお攻撃の手を止めない。やがて、少しばかり疲労があったか、攻撃を中断した。

 

「コウヨウお前、やはりソロか?」

「案ずるな。1人でステージに立つことは慣れた身だ!」

「ならば丁度いい、俺も色々あって1人でな。テイムモンスターがいるから2VS1だが、悪く思うなよ!!」

「貴様みたいなのはそうやって、見下ろしてばかりだから勝機を見落とす!」

「俺がいつ勝機を落としたと……いや、前からか……思えばお前は初めて会った時から生意気な口を叩くやつだと思ったよ……だが、今日でそれは終わりだ!!」

 

 ペインはそういうと、思いっきりレイの背中から飛び降りて、コウヨウがいる斜め下にスカイダイビングする。レイが拾ってくれると覚悟をしてでも飛び降りてあいつに向かわなければ勝てないと、ペインはずっと前からきがついているのだ。コウヨウもそれを踏まえて二刀流を全力展開した。

 

「【壊壁ノ聖剣】!!」

「うらぁ!!」

 

 わざと出した【壊壁ノ聖剣】はスピードで決める技だ。【破砕ノ聖剣】を出しても、タメもありコウヨウに避けられる。だからこそこっちを出したのだが……

 

 ——ガギィィィィィィンンンン!! 

 

「ぐっ……やはり威力が無いと弾かれるか……!?」

「おい、降りてこい最強。【無詠唱】【呪斬】じゃ物足りないからな」

 

 サシでやろうぜ、俺とお前らの一騎打ちでとコウヨウは地面に着地して挑発した。折角レイに乗っているペイン。ここは従わず、レイの吐き出す炎などでコウヨウを焼けばいいのだが……

 

「フッ……やはりお前は……いや、俺が戦う相手はお前が相応しい」

「俺はユイがいいがな」

「そう言えるのもこの瞬間だけだぞ。さて……レイ、全力でやるぞ」

 

 ペインの言葉に対してレイは頷くと口を大きく開ける。ペインもペインで剣を握り、最大火力でコウヨウを仕留めに行く。それを見たコウヨウは……刀を収めて一刀を握った。【天聖剣 オニマル】コウヨウの新しい武器にして、想いの強さでスキルを使うとSTRが最大20倍になるぶっ壊れ仕様だ。

 

「一刀の無呼吸……俺の型……」

「二刀流じゃない……? コウヨウ、お前……俺に二刀流で挑まないと言うのか?」

『「黙れ、若造」』

 

 ペインは硬直した。一瞬見えたコウヨウの姿は……かなり前のギルド対抗戦イベントで追い詰められた時に見たヤバい方のコウヨウ。ペインが汗を1つかく中、コウヨウは居合の構えを崩さない。

 

「ならば……この攻撃を受けてみろ! 二刀流でもそうでなくても、お前ならこれをどう攻略するか、見せろ!! 【聖竜の光剣】!!」

 

 ペインの剣から光が集まり、それは広範囲の斬撃に切り替わる。レイも口から光線を出し、コウヨウ目掛けて一直線。それでもコウヨウはまだ刀を抜かない。

 

「俺はな、攻略とか考えねぇんだよ」

「逃げ場はないぞ、コウヨウ!!」

 

 ——いつだって俺は、真正面しか見てねぇんでな

 

「【居合極】【魔法削除】最大火力」

 

 もう、コウヨウはいなかった。ペインは確実に後ろに行ったと思い攻撃をさらに広範囲に仕掛けるが……光が消えた。

 

「は……? おい、レイ! いったい……!?」

 

 ペインのスキルエフェクトもレイの光線エフェクトもいつの間にか無と化していた。

 

「ど、どこに消え……」

「お前が、消えるんだよ」

 

 どこからかコウヨウの声を聞いたが、ペインは自身の変化に気づく。もう足の先から粒子になっている事を。その瞬間コウヨウはペインの目の前にいた。

 

「な……何を……した……?」

「居合して、もう一回居合して、また居合して、さらに居合して、トドメに居合した」

 

 装備の影響で出た自身のSTRとAGIを依代にした20倍火力。そこにスキル【居合極】の2倍から【雷加速】での10万越えSTRとAGI。ペインを一度どころか五度ほど斬るには丁度いい速さだった。

 

「安心しろ、このイベントは何度でも蘇れる。ただ、俺から一言言わせてもらう」

 

 ——最強は興味ねぇが、お前は最強ではないぞ、若造。

 

「ハハッ……そうか……お前はもう……人間ではなかったな……」

「俺は化け物じゃねぇです」

「あぁ……俺の負けだ……お前は……二刀流が本気じゃないのか……」

 

 最強の刀使い。相手にとって、不足は無かった。

 

「よし、2人とも、遅くなって悪いな。メイプルのところに行くか」

「なんだか可哀想になってきたのです……敵達が……」

「元々二刀流は宮本武蔵のバフがあるからやってただけだ。一刀の方がやりやすい」

 

 今までの話を返せと突っ込んだのは武蔵野であったらしい。だが……戦いは終わっていなかったがすぐに終わるという意味不明の結末がコウヨウを襲った。

 テイムモンスターと話をした瞬間、ペインがコウヨウの後ろに現れたのだ。驚いて声を上げる綾波に対して、コウヨウは……

 

 ——スパァァァ!! 

 

「う……嘘……だろ?」

「小賢しい真似すんなよ。最強が泣くぜ?」

「お……お前を倒すために……この瞬間を狙っていたんだが……」

「なるほど。はなっから一撃勝負する気はなかったって事か。だが、安心しろ」

 

 ——無意識の無呼吸でお前を斬った。

 

 完全に不意打ちをかます為に、コウヨウの後ろに復活したペインはなんの動揺も無しに、コウヨウに斬られたのである。

 




 ペインがらしくないことしましたが、コウヨウは全く気にしてません。
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