妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
「ここから先は通さないわよ」
「嫌だ、コウヨウおうち帰りたい」
「サリーに負けたんだからちょっと悔しいの、相手してくれるわよね?」
今度の相手はフレデリカ。コウヨウが連戦してても疲れてないので問題はないが、今はマジで急いでます。通せマジで。
「えっと……サリーが不合格になってもいいのでサリーの時間全部あげます。だから見逃して下さい」
「人の心とかないんか!?」
正直今のメイプルやサリーは勉強しなくてもある程度やれるレベルまで行ってるので最悪いいんじゃね? と思った。
「えーと……あ、じゃあ……【集う聖剣】にいた可愛い女の子紹介するから……」
「いらねぇ」
「えーと……新しい魔法……」
「いらねぇ」
「アイテムとかお金とか……」
「これからログインしないのにいるわけないだろ」
「アンタ物欲無いわけ!?」
「サリー1人と平穏のみ」
この男に何を言っても無駄なので、力尽くで喧嘩する事にした。フレデリカ。仕方ないから相手してやるとコウヨウが言うと……
「俺のターンドロー」
「え?」
「俺は魔法カード【鬼神】と【エンゲージ】を発動!」
「はい?」
「集いし願いが新たに煌めく天空のアーツ……いやアーク??」
「なんか色々混じってない!?」
「ペンデュラム召喚! 綾波、武蔵野!!」
「綾波、指揮官のために出撃するのです」
「可愛い指揮官のためなら妾も協力しようかしら」
「ちょっと待てぃ!!??」
フレデリカ1人に対して普通に3人いる。なんだこれはとツッコミを入れるがコウヨウは……
「ペンデュラム召喚」
「ナニソレ」
「ペンデュラムスケールにセッティングしてやる召喚方法ですけど」
「意味わかんないしそんなんでわけ分からない女の子2人出すんじゃないわよ!?」
「えい」
コウヨウが手をフレデリカに向けた瞬間、武蔵野の砲撃がフレデリカめがけて一直線。やべぇと本能が考えたフレデリカは【多重障壁】でバリアを作るが……
——ズドォォオオオオオオ!!!
「痛ぁぁぁぁぁああいいいい!!」
「そりゃ、火の海ですから」
あの一瞬でバフを自身にかけてバリアを貼る芸当はフレデリカだからこそできる。ただ、相手(のSTR)が悪かったのだ。普通に7割削られた。
「綾波でダイレクトアタック!!」
「させるか!! 【多重風刃】、【多重水弾】!!」
「綾波は指揮官のために鬼神になるのです」
テイムモンスターがプレイヤーの魔法を斬り刻むなどシステム上ではありえない事をやりやがった綾波。しかしそのせいで動きを一瞬止められてしまう。
「そこだ! 【超多重炎弾】!!」
硬直した綾波に凄まじい数の炎弾が飛んでくるが……
「トラップカード発動! 『無限泡影』!! これにより、プレイヤーはプレイヤーにダイレクトアタック出来る!」
「出来るかぁ!! そもそもそのカードの効果は違……!?」
【無詠唱】【雷加速】でコウヨウは綾波と炎弾の間に入り込み、
「【魔法削除】最大火力!!」
全てを高速の刃で斬り落として無効化した。
「ノーツ! 一旦離れるわ!」
「貴様に見せてやる。マジックカード発動! 【天下五剣】!!」
そういうとコウヨウの周りに5種類の刀が現れる、これはたった一度だけ【魔王】を倒す時に使ったスキルであり、フレデリカどころか全員一度しか見ていない。五種類の伝説の名刀をフレデリカに向かって発射する。
「うらぁ!」
「危なぁぁい!? 何それ! あんた遠距離魔法なんて使えたの!?」
「体は刀で出来ている。ほらどうした、かかってこい俺は急いでるから油断した時点で貴様を斬るぞ」
「ぐっ……なら……【超多重風刃】【超多重炎弾】、ノーツ【増幅】!!」
サリーにも使った最強コンボ、サリーはスキルを使って避ける事によって無数の魔法を回避した。だからこそフレデリカには勝てたのだが、コウヨウは真逆である。
「リミッター解放レベルMAX! レギュレーターオープン! ナビゲーション! オールクリア!」
「り、リミッター? レギュ……なに???」
「冷たい炎が世界の全てを包み込む! カモン! シンクロ召喚!! 【魔法反射】火力最大!! コウヨウ二天!!」
多重の炎も風も水も彼に乗っては使える飛び道具。勝つためには使えるものは全て使って、利用して、そして相手に全力で応えるパワープレイ。フレデリカが避ける準備をする前に……
「オラオラオラオラオラオラオラ……オラァァァ!!」
「いや……嘘……で……しょ……!?」
まさかの全弾刀で弾き返すという芸当を見せつけた。サリーならともかく、フレデリカがそれを避けられるはずもなく、そのまま複数の魔法によってHPを削られたのである。
「綾波の出番なかったのです」
「ごめんて、また後で呼ぶから」
「その前にコイツら説明しなさいよ!?」
かくかくしかじかとコウヨウは手の内をバラした。フレデリカは青ざめた。
「本当になんでアンタがギルドマスターじゃないのか不思議ね……」
「メイプルがギルドを作ったので。俺はただの釣り師です」
「なるほどとはならないわよ。はぁ……サリーにも負けてコウヨウにも負けて……なんか、上には上がいるってやっぱり悔しいわ」
「んじゃ、俺用事あるんで」
「無視かい!?」
「フレデリカさん」
「何よ……」
——動きは速く、心は動かず。
「は?」
「貴方は魔法を撃ちながら焦りすぎです。誰であっても不動の心を持ってください。勿論、速く高台に移動するとか、魔法を撃つとか、動きは速くを心がけて、されど心は冷静に……そうすればある程度何とかなりますよ」
「それは……うん、そうね。サリーの時もちょっと焦ってた。ずっと負けてたし、悔しかったし……」
フレデリカはコウヨウの言葉に冷静になって答える。ただ……
「仮に冷静になってもアンタのパワープレイには勝てないっつの」
「悔しかったら登って来い、意地があるなら当ててみろ」
そう言ってコウヨウはまた一歩目標地点に進むのである。