妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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 これが本当の最終章です。


二刀流と最終決戦

「いやー、いよいよかぁ!」

「楽しみだな、今日の決闘」

 

【集う聖剣】のフレデリカとドラグが2人で話をする。今日からかなり特別な日であり、みんなが集まれる本当に最後の時。そして、今日行われるのは……

 

「審判はペインだろ? 一体どんな戦いが始まるんだろうな?」

「コウヨウVSメイプル&サリーか……この戦いならどっちが勝つかもわからんな。というかペインが審判する前に大暴れしそうだが」

「私達もかなりこの戦いを楽しみにしてたよ。ね、ウィル」

「ええ……私の矢を切り裂いたサリーさん、そしてメイプルさんを斬ったコウヨウさん……一体どちらが勝つのやら……」

「私はコウヨウさんにボコボコにされたのでサリーさんに仇を打ってもらいたいっすね。ヒナタは?」

「まぁ……ベルベットの話はわからないわけじゃないけど……コウヨウさんが本気で負けた事ないから確かにサリーさん達が勝つところ見たいかも……?」

 

 コウヨウが、サリーが、メイプルが待ち望んでいたエクストラマッチの試合である。最後のイベントではコウヨウが優勝したが、サリーとの戦いは実現出来なかった。

 そこで【楓の木】、【集う聖剣】、【炎帝の国】、【ラピッドファイア】、【thunder storm】合同で提供と開催をしたこの戦いは、正直みんなが楽しみにしていたことである。

 

「とんでもない試合になりそうだな」

「化け物と化け物ですからね……優勝予想すら出来ないです」

 

 ミィの言葉にミザリーが頷きながら発言するが、本気でこの試合は分からない。そろそろ時間だと言いながらミィ達はゆっくりと【楓の木】訓練所に向かった。

 

 ☆

 

「やぁ、みんな。今日はお集まり頂きありがとう。【楓の木】もこの訓練所に俺達を呼んでくれたことを心より感謝する」

「「師匠(コウヨウさん)待てー!!」」

 

 ——ズドォォォオオオオ!! 

 

「えっと……今日はコウヨウVSメイプル&サリーの試合があって、勝敗予想もどうなるか分からないエキシビジョンマッチだ」

「あばよ、双子のバカ弟子!!」

 

 ——ガキィィィイイイ!! 

 

「俺含めて全力でみんな応援を……」

「コウヨウ二天!!」

「「負けません!!」」

 

 ——ズバァァァァァァァァアア!! 

 

「「グゥゥゥ……!!」」

「ガッチャ、楽しかったぜ!」

 

「「「「「いやお前らなにしてんだよ!!?」」」」」

 

 前座決闘だった。コウヨウVSユイ&マイはペインが司会をする前にすでに始まっていて、勝者はコウヨウ。大槌8本全ていなして、ユイの刀も弾き返し、最後は同時に斬り倒した事で、勝負は決した。

 

「師匠……今までありがとうございました」

「コウヨウさんに教わった事忘れない様にします」

「俺はお前らに何か教えたか?」

「「五輪書読めと」」

「それは教えじゃないです」

 

 教えはどうなってんだ教えは。まるで二刀流の賜物という様なコウヨウの発言にユイマイは笑いながら……

 

「師匠、またログイン出来たら、鍛えてくれませんか?」

「その時は俺を殺しに来い。2人まとめてな」

 

 そして、師匠として最後の言葉を双子に告げた。

 

「幸せになれ」

「「はい!!」」

 

 正直双子はめっちゃ泣いてるし、涙流しまくっているが、コウヨウもコウヨウで泣きまくってた。

 

「涙とまらん……ペインさん一旦ストップで」

「あ、あぁ……ところでメイプルとサリーは……?」

「「ここにいます」」

 

 いつからいたのかはコウヨウも分からない。だが、覚悟の決まった目をしながらメイプルとサリーはコウヨウに向き合った。

 

「お兄ちゃん、この前はごめん……」

「いや、時間切れなんだから仕方ないだろ」

「コウヨウあの後ブチギレて1000人斬ったの知って怖かったよ」

 

 あのイベントでサリーとメイプルはお互い相打ちになり、コウヨウの元に行こうとしたのだが、イベントのタイムアップによって直接試合は出来なかった。だからこそこの機会を設けたのだ。

 一方でコウヨウはあの後『テメェらの遅延行為のせいでメイプルとサリーの試合に間に合わなかった』と理不尽にキレ、1000人斬りのニューレコードを達成して優勝を勝ち取ったのである。

 

「前のイベントは倒した敵の数じゃ無かったからレコードとか無かったけど……やっぱり優勝はコウヨウだったかぁ……」

「言うが易し行うが難し。だが、出来てよかったこの戦いが」

 

 お互いに頷く。ペインに合図を出して、少し距離を取った3人は、そのまま武器を抜く。

 

「さぁ、準備は良いか?」

「「はい!!」」

「ちょまま」

「「「「「よくねぇのかよ!?」」」」」

 

 普通に座って刀を見ていたコウヨウ。少し困った顔をしたペインだが、メイプルとサリーは少し笑って見ていた。

 

「お兄ちゃんにとって、刀はこのゲームで私達よりも大切な絆ですから」

「ちょっと待ってみようか、メイプル」

 

 そう言うと2人はコウヨウに近づいて、刀を研ぐ彼の姿を見た。

 

 ——トンテンカン! トンテンカン!! 

 

「「「「「いや刀作ってねぇかあいつ!?」」」」」

 

「研いだぞ」

「「研いだだけではそんな音しないよ??」」

「んじゃ、やるか」

 

 話聞けよ、教えはどうなってるんだ教えは。

 

「二刀の賜物だな」

「うっ……!?」

「どうしたカスミ!?」

 

 観客席で急に身体を抑えたカスミに対してクロムが心配するが……

 

「あのコウヨウが研いだ刀……すごく綺麗だ……ふつくしい……アレを間近で見せられたら……私は……」

「カスミさん見ます? ほら」

「気持ち良すぎだろう!!」

「「「「「はいストップ!!」」」」」

 

 ぶっ壊れカスミに全員が突っ込んだが、前からこう言った骨董品やら刀やらのファンであるのをコウヨウは知っているので突っ込まないし引かない。

 

「コウヨウ……それで私を……斬っ……」

「りました」

「「「「「速いって!?」」」」」

 

 もはやコントである。カスミは普通にコウヨウに斬られて粒子になってから観客席に舞い戻ってきた。

 

「私は不死鳥だったんだな……」

「カスミ戻って来い、不死鳥なら本物がいるだろう」

 

 クロムはミィのテイムモンスターを指さしてツッコミを入れた。そうしてコウヨウは元の位置に戻ってから……

 

 ——トンテンカン! トンテンカン!! 

 

「「いやまだやるの!?」」

「終わったからやるぞ」

 

 汚れたら拭くメガネの様に斬ったらまた刀を研いだコウヨウ。そのまま鞘に入れて、もう一度抜き、木刀と【オニマル】を二刀で構えて中段に向ける。

 

「よし、それじゃあ今度こそ……試合! 始め!!」

 

 ペインの合図で3人は一斉に攻撃を……仕掛けない。しかも動かないし、そのままお互いを見るだけである。

 

「ど、どうしたんだ?」

「恐らく、この勝負一瞬だからかもな」

「え?」

 

 一手のミスを許して仕舞えばお互い負ける。それがこの3人の実力である。メイプルやサリーのどちらかが油断すればともかく、コウヨウが油断すればサリーに斬られ、メイプルに砲撃やら自爆やらされる。

 だからこそ、まずはお互いの様子を見ようとしたのだが、3人全員動かない。

 

「メイプル……行く?」

「うん……行こう!」

 

 先に動いたのはメイプルとサリーだった。

 

「【パラライズシャウト】! サリー、いっけー!」

「【ウィンドブラスト】!」

 

 メイプルがコウヨウを麻痺させてからサリーが風魔法でコウヨウを攻撃する作戦。別にこれが上手くいくとは全く思ってないが、軽いジャブ程度で撃ってみた。

 

「コウヨウが避けない……刀で斬るな」

「いや、麻痺はどうした? あいつが【魔法削除】するためには刀を抜かないといけないはずだろ?」

 

 コウヨウは刀を抜いていない。ただ立っているだけ。そこで違和感を持てばよかったのだが……そのままサリーの風魔法はコウヨウをすり抜けた。

 

「初っ端から【無双転生】!? メイプル! 気を……つけ……」

「よーしよしよし! よくやったなぁメイプル!!」

「あはは! お兄ちゃんくすぐったいよー!!」

「え? ナニコレ???」

 

 確実にコウヨウは今そこに、サリーの目の前にいたはずだ。なのに何故コウヨウはメイプルの頭を撫でているのか……?? 

 

「メイプル、強くなったなぁ!! お兄ちゃん嬉しいぞ!!」

「うん! この調子でお兄ちゃんを……ってお兄ちゃん何でいるの!?」

「「「「「「いや気づくの遅いよ!?」」」」」」

 

 サリー含め観客席の声である。サリーが意味不明な顔をしながら元々コウヨウがいた方を見ると、コウヨウにノイズが走りそのまま消えてしまったのだ。

 

「な!? これは……コウヨウ!? 何なのあのスキル! 【影分身】!? それとも【神隠し】!?」

「え? 【雷加速】だけど?」

「「ら……【雷加速】!?」」

 

 ありえない。そう誰かが言うと、観客席が静まり返った。コウヨウはあっけらかんと伝えるが、みんなは誰1人納得はしない。【雷加速】は確かに速いが残像が出せるほどの威力は無いのだ。【無詠唱】で不意をついたとしても、そこまでの勢いはないはずだ。

 

「何でそんな……?」

「どうして戦いの途中で言う必要があるんですか?」

「で、でも! お兄ちゃんが【雷加速】する時って地面に焼けた跡があるよね?」

「そうだよ♂」

「「サリーは便乗しないで(すんな)」」

 

 はぁ、と一つ息を吐いて。見たけりゃ見せてやるよと白い衣装の下を脱ぎ出す……訳ではなく、しっかりと噛み締めて

 

「【ら・い・か・そ・く】」

「「ん? 今詠唱してたよね??」」

「したよ」

 

 メイプルとサリーは慌てて振り返る。目の前にはコウヨウ。後ろにもコウヨウ。本物は……後ろのコウヨウである。

 

「コウヨウ……これで3人になったら……私の上の口と下の口2つを犯せるね!」

「「黙れよ(黙って)サリー」」

 

 下ネタじゃねぇか。観客席もこれには苦笑い。そんな事よりもだ……

 

「これは……どうしようメイプル……」

「え? 何が?」

「いやコウヨウと戦ってるんだよね私達!?」

「「忘れてた」」

 

 そんな訳で次回第二ラウンドが開催します。絶望的な状況ですけど。

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