妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
「コウヨウ、後で私の部屋に来てくれ。見せたいものがあるんだ」
「俺にですか?」
ギルドホームでのんびりと釣竿の数を確認していたコウヨウにそう言ったのは同じ刀使いのカスミ。話を深く聞いてみると、どうやらコウヨウに見てほしい刀やら日本の芸術品などがあるらしい。
「同じ刀使いだし、コウヨウも和風なものが好きかと思ってな」
「まぁ、正座してお茶飲むのとか刀系に関しては好きですけど」
「ならきっと気にいるはずだ、付いてきてくれ」
そう言われてコウヨウはカスミについていく。それを見ていたサリーがマイとユイから出された湯呑みを握力だけで握りつぶしたのをクロムが確認して、コウヨウを可哀想に思ったのだった。双子は恐怖したのだが。
☆
「おぉ、凄い数ですね」
「私の全財産を使ったからな」
「そこは威張るなよ」
カスミの金使いの荒さにツッコミを入れたコウヨウだが、物は確かに立派であった。刀だけでなく、日本文化の象徴となるものがたくさん飾っていて、とても楽しい雰囲気だった。
「この刀カッコいいですね」
「そうだろう! この刀はイズに作って貰ったんだ。ただ……イズが作ってくれたものがたくさんあってどうにも全部使えてなくてな。もし良かったらコウヨウが使うか?」
「良いんですか? でも効果とか合わなかったらアレですけど……」
「STRとAGIが上がるものだから使えると思うぞ」
それならとコウヨウはカスミから刀を貰う。装備している刀よりは低い補正だが、万が一の事があってもアレなので使える様にはした。
「ありがとうございます。良かったら釣竿貰ってください」
「そう言えばコウヨウは釣りが好きなんだったな」
「ええ、現実では出来ないのでゲームでやってみたらかなりハマりまして……」
「今どれくらい釣っているんだ?」
「昨日やっとコンプリートをしました」
「へ? こ、コンプリートだと!?」
確か数百種類はざらにあった魚コレクションのはずだが、コウヨウはそれを達成していた。運営から魚コンプリート報酬としてどこか別のゲームで見たような金色に光った釣竿を貰ったとカスミに見せてあげた。
「す、凄いなこれは」
「何と釣竿の中で唯一、一切壊れないらしいです」
「【破壊不能】のついた釣竿か……初めて見たな」
カスミの言葉にでしょうね。と答えるコウヨウ。ふと、カスミが気になって彼に聞く。
「そう言えば、何だか誰かに見られている気がするんだが、気のせいだろうか?」
「俺に盗撮趣味はありませんが」
「いや、カメラとかじゃなくてだな……何か別の者に見られているような」
「ああ、俺の守護霊ですか」
「なに!?」
コウヨウの言葉に驚くカスミ。まさかこのゲームに守護霊のシステムがあるのかと聞くと、彼は少し笑いながら伝えた。
「守護霊まではいきませんけど、似たようなやつが俺の肩で寝てますよ」
「そ、そうなのか? 一体どんなシステムなんだ?」
「正直普通の時に姿見えてるのはメイプルくらいですね、サリーにはバラしましたけど、イズさんも知ってるかな? でも、申し訳ありませんが次のギルド戦まで聞かないで頂けると嬉しいです」
「コウヨウがそこまで言うという事は……どうやらかなりの隠し玉みたいだな」
「当たり前ですが俺より強いです」
コウヨウの言葉に正直ドン引きしたカスミ。コウヨウのステータスを持ってしてもそのモンスターに値しないのであれば自分がコウヨウに勝つ事は無理だろうと悟る。
「メイプルもヤバいがコウヨウも相当ヤバいな」
「メイプルと一緒にしないでください。俺は普通です」
「STRとAGIが500以上あるプレイヤーが普通な訳あるか」
「俺は呪われてるので。後、このゲームのカンストは5桁とかでは?」
それはお前とメイプルだけだとキレたカスミだが、コウヨウは少ししか信じない。つい最近STRが4桁に手を届かせた数字になったのもあり、あんまりカンストは意識もしなかった。
☆
「カスミと何やってたんだ?」
「刀とか見せて貰いました、とてもカッコよかったです」
「男の子だものねぇ」
「カスミさんがキレますよ?」
クロムとイズの3人で会話をしながらイズの言葉にツッコミを入れるコウヨウ。彼の言葉にハッとして、訂正しようとしたイズだが、この場にカスミはいないのでスルーでいいぞとクロムが伝えた。
「そう言えばコウヨウの武器ってどこで手に入れたんだ?」
「第二回のイベントクエストですね」
「あぁ、あの50人斬りの……」
「それにしても凄いわねぇ、1人で50人なんて」
「釣りしてただけなんですけど」
それじゃあどうしてそうなるんだとクロムは呆れながら聞くが、彼が攻めてきたから正当防衛だったと前の時と同様改めて伝えると、イズから乾いた笑いが返ってくるのだった。