妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
「お兄ちゃん助けてぇぇ!!」
「無理」
「コウヨウならいけるのではないか??」
「STRとAGIにほぼ極振りみたいにしてはいますけど……これは対象外では?」
コウヨウとカスミが刀の特訓をしていると、モフモフ毒メイプルが助けを求めてきた。少し前の羊毛イベントで手に入れたスキルを試そうとして羊の様な無数の毛に包まれた後、そのまま【
しかしながらコウヨウも流石に無理だと伝える。【楓の木】トップのSTRとAGIがあっても、状態異常耐性は無い。更に言うと毒耐性は基本メイプルしか持ってないのだ。
「ムサシも無理だよな……」
「ギュルル!?」
流石のムサシもコウヨウの問いに透明になりながら、たわけ私を殺す気か、と言わんばかりの声で鳴く。少し考えて、コウヨウはものは試しだとムサシに策を伝えることにした。
「これでいけるかムサシ?」
「キュルルン」
「何する気だコウヨウ」
「ムサシに乗って、当たり判定ギリギリのところで毛を刈る事にします」
「お兄ちゃん……助けてぇぇぇ!!」
「うるせぇ、そこ動くなバカ妹」
そう言ってコウヨウはムサシを少し長めで彼の両足が乗る大きさの剣に変身させて、恐る恐る腕を伸ばしてカスミから貰った刀をメイプルの毒羊毛に当てる。
コウヨウが自分にダメージが無いのを確認すると、慎重に刀の先でメイプルの毛を刈りだした。
「暴れんなよ……暴れんなよ……?」
「暴れないよぉ……早く助けて……」
「OK、いい子だ。いいな、大人しくしてろよ? 動いたら俺の妹はメイプルからユイとマイに交代だからな?」
「お兄ちゃん酷いよ!?」
「なんだかアメリカ映画のワンシーンを見ている様だ……」
冷静に、落ち着いて、ゆっくりと、真剣にカットするコウヨウ。毒無効が無いのでこんな事で死にたくはなかった。そしてそのまま、毛のカットが何事もなく(コウヨウの精神が削られたくらいで)終わった。
「ふぅ……これでどうだメイプル……って……はぁ……??」
「ありがとうお兄……ちゃん??」
メイプルに対して無事だったかと軽く告げようとしたコウヨウの口が止まった。メイプルはなんとか毒羊毛から出られたので一息ついたのだが、彼が言葉を止めた事が気になった。
「お兄ちゃん? どうしたの?」
「これはダメだろ!? いらんいらん!! 破棄だ破棄!」
「本当にどうしたの!!?」
コウヨウは何やら自分のステータスポップアップを見て突っ込んでいたのもあり、メイプルとカスミも気になって彼のポップアップを見た……
『あの……お兄ちゃんらしく……妹さんの【毒竜】いります? YES or NO』
「「いやどう言う事(だ)!!?」」
「ってか何で敬語なんだ……」
訳の分からないポップアップにメイプルおろかカスミも黙っておられず突っ込んだ。コウヨウはそれと同じく何でポップアップが遠慮じみた敬語なんだと角度は違うが突っ込んだ。
「【毒竜】はメイプルの十八番だろ……いらねぇよ……NOだNO」
『お兄ちゃん……使わないの??』
「いや、お前誰だよ!?」
「お兄ちゃん……使わないの??」
「つかわ……え? 使っていいの!?」
「せっかくなら持っておけばどうだろうか?」
「カスミさんまで……」
「お兄ちゃんと一緒に毒塗れになりたいなぁ……」
「「何だその地獄絵図」」
可愛い妹の頼みでも、仮にそれが可愛くて自分が惚れた幼馴染の頼みでも、一緒に毒塗れなどと言う訳の分からない地獄絵図はやりたく無いし、なりたくも無い。
ただ……何となくサリーも昔から主人公とヒロインが同じ技を使うのはかっこいいとか言ってたのも分かるので、念のため貰うことにした。
それでも、あくまでもメイプルのスキルなのだ。妹が必死に頑張って手に入れたスキルを、自分は簡単に手に入れたのもあって、本当にヤバい時にしか使わない事を誓うコウヨウだった。
「お兄ちゃんやって」
「俺の決意を無駄にする発言やめてね?」
「コウヨウ、見せてくれ」
「俺の決意が!?」
とりあえず少しだけ見せた。MP消費が多いのでどのみちあんまり使えないことが分かった。
「【
「後は【
「浴びろと?」
「コウヨウもそろそろ人間を辞めそうだな」
「俺は人間です」