妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
内容はサリーが『メイプルとコウヨウだけがSTR4桁ある』と言い出したセリフの部分です。
正しくは、『メイプルとコウヨウだけがステータスの1つが4桁越え』という台詞なんです。
メイプルちゃんに4桁のVITだけじゃなくSTRも4桁越えのステータス持たせたら原作より無双しそうです。というかします。
これからもこの小説をよろしくお願いします。感想や誤字脱字報告あればお伝えください。すみませんでした、ありがとうございました。
「お兄ちゃんは釣りしてていいよ、サリーから許可取ってるから」
「はぁ??」
「とりあえずお兄ちゃんはここから離れてね。サリーが良い釣りスポット見つけたって言ってたから」
「え? まさかの戦力外??」
そんな訳で、ギルド対抗戦の初めは妹からのギルド本拠地から出ていけという命令から始まった。別に妹のメイプルもコウヨウの事が嫌いとか、戦力外として見ているという訳ではない。
詳しく話を聞くと、これは【楓の木】のみんな、もといサリーと真剣に話し合った結果である。コウヨウの存在は掲示板などでは知られているらしいのだが、【楓の木】のメンバーであることを知っている人は少ない。
理由は彼が毎日ギルドにとどまらないで釣りのクエストをしに行ってはレベルを上げて帰ってくるのを繰り返しているのもあり、先日サリーたちが会った【
一応何度か、ユイとマイの3人でいる姿を目撃した話とかはあるらしいのだが、運がいいのか悪いのか、誰も釣りばかりしている人間がこのイベントに参加するなんて思わなかったようである。
それを逆に優位とさせようとしたのがこの作戦。コウヨウ単独作戦である。とりあえず釣りして来いと伝えただけだが。
「話は分かった……まぁ、行ってくるけど、死んだら謝るからな」
「コウヨウが死ぬ訳ないだろ」
「いや、死にますよ?」
カスミの言葉に普通に突っ込んだコウヨウだが、【楓の木】のメンバー全員はコウヨウが死なないに満場一致でかけたのだった。
☆
「この辺か、流石サリー。立地までも分かるなんてな。割と近くとも遠からずの位置だし」
途中邪魔者を斬り倒して釣りスポットに来たコウヨウ。他のプレイヤーから見ればマジで何してるんだとツッコミたくなる行動であるが、ギルドの作戦なら仕方ない。
「そういえばこのイベントって特殊な魚釣れるのかな」
彼の釣り魂が騒ぐ。早速釣竿を準備しようとしたのだが……
「おい! プレイヤーがいたぞ!」
「しかも1人だ! 囲んで倒してやれ!!」
「囲まれたわ、死んだぁ」
恐らく2度目だろうと考えたコウヨウは囲まれながら魚を1匹釣っておいて、周りを見る。
「運が悪かったな……そんな所で呑気に釣りなんて……」
釣りなんてしているからだと笑おうとしたプレイヤーは一瞬で粒子と化した。ちなみにコウヨウは刀を握っていない。他のプレイヤーが驚きの声を上げるが、その1人が気がつく。
「お、おいアイツ……二刀流の釣り師だ!!」
「え? あ、あの50人斬りのか!?」
「嘘だろ!? 何で1人なのにギルド対抗戦にでてるんだ!?」
「何でだろうな。頑張って考えてみろよ」
ギルドに入っていないプレイヤーはランダムでどこかのギルドに所属すると言うルールだが、それを忘れているプレイヤー達。というか参加していた可能性すらも忘れていたらしい。方や1人じゃねぇと呟きながらすっとぼけた振りをしたコウヨウは、素直に何でここにいるんでしょうねと言って納得するふりをしながらムサシと共にプレイヤーを斬り倒していく。
結局釣りの前の準備運動になったが、コウヨウはほぼ、テイムモンスターに斬ってもらったのだった。
そんなことを一切知らないクロム達がコウヨウのメッセージチャットで「囲まれたわ、死んだぁ」というものを見て慌てはしたのだが、サリーとメイプルだけはムサシがいるから平気だと聞く耳持たなかったらしい。結局誰も助けに行かなかった。
☆
「20匹目、何もしないのもアレだし……ついでにオーブでも持っていくか」
流石にギルドマスターが妹でもあるので何もしないのは気が引ける。単独作戦と伝えられたからには目立った行動はダメだが、軽くオーブを集めるくらいなら大丈夫だろうと考えた。正直普通のプレイヤーならその難易度を1人ではこなせないのだが。
確か五回プレイヤーを倒せば良いんだよなというコウヨウだが、正直馬鹿じゃないのかというのが反応である。このイベントで死んだプレイヤーはステータスが1デスごとにパーセンテージで減少して、5回目で完全にいなくなる。
だからこそ彼は普通に五回同じプレイヤーを倒せば良いと言ってるのだが、ギルド対抗戦なので1ギルド何人いるかわからない。10人以上もいる大所帯だけでなく、下手をすると複数のギルドが傘下や協定を結び、戦う所もあるのだ。
彼の手は悪手だと誰もが思うし、はっきり言って頭が悪い脳筋プレイである。テクテクと自分の足をコントロールしてゆっくり歩きながらコウヨウは敵陣に挨拶をする。
「こんにちは、オーブくれませんか?」
「誰だお前!? あげるわけないだろ!」
「皆、かかれ! この男を倒せ!」
「うーん、やむを得ん。成敗しよう」
相手は戸惑いと殺気しか出せないが、コウヨウはすぐに刀を出せた。相手は運良く少数ギルド、つまりは6人程。正直彼には物足りない。
1分も要らなかった。五回倒すなんて馬鹿げた事は流石に出来なかったし、しなかったが。数十秒で6人全員を倒して、リスポーンの間の僅かな時間でオーブを手に取り【超加速】で逃げたのだった。
「真っ向勝負で負けたんなら追いかけてくんなよ。武士道違反だぞ」
この日コウヨウはたった1人で3個ほどオーブを頂戴したのだが、その手口は泥棒というよりはただの怪盗である。