妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

33 / 159
 ひと段落したので投稿を。お待たせしました。


二刀流と決着

「ちくしょう……結局あの魔法使いのバフせいで2割残った!」

「フレデリカ……お前がいなければ俺は確実に死んでいた」

「ぶん殴る!」

「ありがとう!」

「2人とも暑苦しいわ!! しかもアイツに至ってはまだ可愛い乙女を殴る気か!?」

「確かにアンタの顔は可愛い!」

「コウヨウ? ウワキ?」

「だが! サリーを傷つけた罪はお前の腹か顔面1発殴られる事で償え!」

「もう既に一回殴られましたけどぉ!?」

「コウヨウ! ダイスキ!! ついでにメイプルとユイとマイにはコウヨウ接触禁止令出したい!! ついでにフレデリカはどうでも良いからぶん殴ってもいいよ!!」

「この人達言ってる事めちゃくちゃだろぉぉ!!」

「お兄ちゃんもだけどサリーも無茶苦茶だよ!?」

「「サリーさん怖いです!?」」

 

 結論、あの一撃を食らったペインは生きていた。フレデリカのバフがしっかりとかかっていたのと、コウヨウが遅れたため、カナデやイズの支援を受けていなかった所も影響はするだろうが、それでもあのペインを2割の体力まで追い詰めたのだ。

 そんな彼の一撃はこの中にいるメンバーだけでなく、全プレイヤーが賞賛するだろう。中にはコウヨウが勝つと本気で思っている人がいてもおかしくは無かった。

 

「正直……HPはほとんどねぇな。絶唱も出来ねぇ……」

「いや、歌うなよ……」

 

 コウヨウにツッコミを入れたのは何故かペインである。今の一撃でペインを追い詰めたのはコウヨウ。しかし、コウヨウ自身を追い詰めたのもコウヨウであった。【豪傑にして英雄】の代償とその後に少しばかり刀と剣で鍔迫り合いなどをしたのもあり、HPは1割程しか残っていない。

 

「大チャンス! 【多重炎弾】!!」

「邪魔だ! 黙れ!」

「危なぁぁぁ!? 本当に何あれ!? 魔法弾き返された挙句ノーダメージとか反則でしょ!?」

 

 隙をついてフレデリカがコウヨウに前の恨みと称して炎魔法を複数飛ばしたが、彼の【魔法反射】で全弾ノーダメージで弾き返された。なんとか当たらなかったのが奇跡ではあるが、フレデリカは本気で焦った。

 ちなみに彼女はドラグの励ましのおかげで調子を取り戻したが、コウヨウが怖いので後衛で魔法を撃ち続けていた。そうして彼女はやっと気づく。

 

「あ、アレ? あのスキルって確か……絶対に相手プレイヤーに当てるスキルじゃ……ま、まさかあれはサリーと同じ……」

 

 コウヨウの【魔法反射】は絶対に相手プレイヤーに当てるスキルではない。サリーがやった【攻撃誘導】や【流水】のように、敵の攻撃を弾いたりする効果自体はスキルの中に全くないのだ。

 

「嘘……まさか、サリーの情報だけじゃなくてあいつの情報も……ただのプレイヤースキルだったって事……!?」

「あ、今気づいた? だからサリーに格下って扱いされるんだよエセ魔法使い」

「ちょっと待て、それ私知らないわよ!? というかあんた口悪すぎない!?」

「そんな事よりHP足りねぇ」

「無視すんな!! 【多重水弾】!!」

「黙れ!!」

「危なぁぁぁぁ!!?」

 

 無限ループに入る前に、コウヨウは魔法を跳ね返してフレデリカの魔法を彼女の近くの壁にぶち当てる事で威嚇射撃をした。ちなみにペインにさっきともう一度同じ【居合極】をしたいコウヨウだが、何とか頑張ってメイプルの元に向かって、ポーションを見栄張って全部妹に渡したのもあり回復手段は無かった。仮に一本でもあったところでこの状況で使える暇もない。

 

「潮時か? 俺はまだ動けるぞ」

「うるせぇ! その口閉じやがれ!!」

「アイツマジなんなの!? ペインに向かってとんでもない口の聞き方ね!!」

「いやぁ……確かにそうだが……」

「ペインも笑ってるよ……本気で戦える相手見つかったみたいに……」

「ペインってもしかして子供?」

 

【集う聖剣】の会話をよそに、ペインとコウヨウはまだ対峙する。絶対こいつには負けるわけには行かないと、ペインのプライドが、自分の妹に傷つけたコウヨウの怒りが、方向は違っても勝利を望む想いは同じようにぶつかり合う。

 

「コウヨウ終わりにしよう。そして、メイプルを今度こそ斬る」

「実の兄である俺の前でよくそんな口が聞けるな金髪」

「そうだよ、なんか化物過ぎると思ったらこの人メイプルの兄貴じゃん……え? ってか、本当に兄なの?」

「一度でいい……消えてもらうぞ……コウヨウ!!」

「消えるのはお前だろうが! ペイン!!」

 

 そうして2人が全力で走って行こうとした瞬間……

 

「いい加減に私も混ぜてよお兄ちゃん!!」

「え?」

「は?」

 

 化物がペインを食った。完全に油断していたペインはメイプルの【暴虐】によって消えるまで噛み砕かれた。呆気に取られるコウヨウ並びに【集う聖剣】と【楓の木】メンバー。最初に叫んだのはやはり兄である。

 

「じゃ……邪魔しやがったなメイプルぅぅぅ!!」

「お兄ちゃんが1人で楽しそうにペインさんと戦っているからでしょ!!」

「た……戦うのが嫌いなんだから楽しいわけ……」

「じゃあ、私が混ざってもいいよね?」

「それでも……男の戦いに手を……」

「食べるよ?」

「出しても良いよな! よし! 今エサ持ってくるから待ってろ!!」

 

 流石にコウヨウは暴虐メイプルに敵うわけないと悟ったので【超加速】で【集う聖剣】のメンバーの元に走って行った。

 

「ムサシ! 【変身】!! 【物干し竿】!!」

「え? いつの間に……うぐぅぅぅ!!?」

「ふ、フレデ……ぐぁぁぁぁ!!?」

「ゴフゥゥゥゥ!!?」

 

 コウヨウの指示でフレデリカ、ドラグ、ドレッドが収まるくらいの全長15メートルの大剣になったムサシを、持てる全ての力を込めて振り回したコウヨウ。そのまま3人を大剣の餌食にして暴虐メイプルの元へ吹っ飛ばした。

 

「メイプル! エサだぞ!! これで俺を見逃せ!!」

「わーい!! お兄ちゃん大好き!!」

「わ……私たちを……エサ呼ばわり……するなぁぁぁぁ!!!」

「もう……ここまでやられたら……いっそ清々しいな……」

「あぁ……身体が喰われる音……」

 

 結局この日【集う聖剣】は【楓の木】に敗れた。その時のMVPはペインを追い詰めたコウヨウではなく、コウヨウでも苦戦した4人を自分の胃の中にしまい込んだメイプルである。

 

「か、勝ったのか?」

「バカ妹のせいで一件落着……じゃねぇけどな!?」

「人間って美味しいね!」

「コウヨウと付き合うのは良いけど……こんな妹絶対に嫌だなぁ……」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。