妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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 仲良しです。誰が何を言っても仲良しです。


二刀流と仲良し

「なぁ、理沙。何してんだ?」

「スゥ……ハァ……え? 何が?」

「いや、何してんだ?」

「紅葉の匂い嗅いでる」

「なんで?」

「おかしい……」

「今の質問におかしなところは無いぞ?」

「楓の匂いがする……」

「怖いわヤンデレじゃん」

 

 時は現実世界、理沙は紅葉の背中にくっついて彼の匂いを嗅いでいた。言葉だけ聞くと意味不明だが、理沙としては好きな人の匂いを堪能したいだけであるし、せっかく付き合えたのもあり、暴走してやろうと思ったのだ。

 

「シャンプー切れたから楓の使っただけだ。昨日は一緒に入ってない」

「毎日入ってたら常識を疑うけど?」

「妹と一緒に寝るのは当然として、風呂は無い」

「恋人がいるのに妹と一緒に寝るな」

「昨日急に『お兄ちゃん、なんだか今日寂しいから寝よう?』と言われたら寝るだろう」

「うわ、悪女だよ。流石楓やることがブラコン」

 

 紅葉はシスコンである。昔からそう言う片鱗は見せていたのを理沙は知っているからまだ許せるが、風呂は流石に無い。

 

「というか、一個いいか?」

「クンクン……何? モミモミの匂いは臭くないよ。むしろいい匂いする。楓の」

「モミモミ誰だよ……怖いって……いや、あのさぁ……」

「男なんだから言いたい事くらい言えば?」

「んじゃ、言うわ……」

 

 ──ここ教室なんだけど

 

「へぇ」

「何その返事」

 

 そう言って紅葉は少し顔を赤らめていた。理沙は気にしてないが他がめっちゃ見てる。クラスメイトがめっちゃ見てる。見られてる。紅葉と同い年の同級生が男女関係なく見ているのである。

 理沙が紅葉に告白した事は紅葉のクラス全員が知っていた。だからこそ、リサモミがクラスで流行っているのだ。因みに理沙が攻めなのは、告白した方が理沙だからである。

 

「恥ずかしいんだけど」

「紅葉ぃ……スゥ……ハァ……好きぃ……愛してるぅ……」

「話聞けやテメェ」

 

 ちょっと怒った。話は流石に聞いてくれと紅葉は理沙に頼む。

 

「だって折角付き合えたんだから現実で紅葉を堪能したいんだよ」

「紅葉狩りの方なら時期がまだ早い気がするが?」

「紅葉を食べるのは今でも出来るよ」

「耳を噛むなくすぐったい」

 

 ただのバカップルである。その後、楓が理沙を呼びに来たのだが……

 

「お兄ちゃん、流石に学校でエッチなのはダメだと思う」

「してません」

「紅葉顔真っ赤」

「理沙は反省して」

「楓君怖い」

「理沙」

「すみませんでした」

 

 妹にめっちゃ怒られた紅葉と幼馴染にめっちゃ怒られた理沙がいた。

 

「あ、楓今日一緒に寝る?」

「いいの? わーい!」

「おいコラちょっと待てやそこの兄妹」

 

 今度は理沙がキレた。

 

 ☆

 

「そういえばこの前紅葉におめでとうって言うの忘れてたね」

「何の話だ?」

「理沙さんと付き合ったじゃん」

 

 楓が理沙に今日は紅葉と接触禁止令を出したのもあり、その間紅葉は暇になったので図書室にいた。

 かえでとオセロをしながら、祝福の言葉を浴びるが、笑いながら解答を返す。

 

「ありがとう……と言いたいところだが、早くお前も頑張れ」

「な……何のことかな?」

「さぁな? まぁ、俺はいつでも待ってるが向こうは待ってはくれないぞ」

「そ……それって……」

 

 紅葉は少しイタズラ含めてかなでにそう伝えた。かなでも心当たりがあるので何も言い返せないし惚けも効かなかったが、それでも紅葉に話す。

 

「僕は……うん……まぁ……その内ね」

「はよ」

「うるさいよ」

「かなで」

「何さ……」

「らしくないとか考えるな。欲しけりゃ掴め」

「そんなこと……」

「分かってるならいい、これ以上は何も言わん。俺は帰る」

 

 そう言って紅葉はそのまま立ち上がって帰って行った。かなでは普通に片付けろよと思っていたのだが、すぐにその思考は消えていた。

 

「あ……負けちゃった……そんなに動揺してたかな……?」

 

 ☆

 

「そんなわけでコウヨウと付き合ったから。コウヨウは私のものだから。コウヨウはこのサリーちゃんのものだから」

「「サリーさん怖いです」」

「やめんかバカり……サリー」

 

 NWO内で双子のユイとマイはサリーの宣言に恐怖した。言葉は威圧的で、めっちゃ宣戦布告している。紅葉ことコウヨウはサリーの事を本名でツッコミそうになったがしっかり抑えて、ちゃんとツッコんだ。

 

「で、でもサリーさんとコウヨウさんが付き合ったからと言って……コウヨウさんと出掛けてはいけないルールは無いはずです!」

「そうだよ」

「マイ、よく考えてみて。男女が2人で出かける事をデートって言うの。それを他の女の子とやると浮気なの。そして私と言う名の彼女がいるコウヨウは浮気を禁じられている。つまり2人はコウヨウと出かける事はあってはならない」

「そうはならんやろ」

「はい! サリーさんは少し誤解しています! 浮気というのはサリーさんがどう思うかにもよりますが、師匠が私達女の子とどこまで行動するかで決まるはずです! つまりサリーさんが私たちと師匠のおでかけを許してくれればそれはデートでも浮気でもありません!」

「そうだよ」

「ユイ確かにその通りだけど……全部許すわけないでしょ」

「いや、許せや可哀想すぎるだろ……」

「コウヨウ?」

「ユイもマイもまだ俺たちより歳が下なんだぞ……多分……だからサリーもお姉ちゃんの自覚が少しでもあるならちょっとくらいは許してやれよ……」

「私に姉も妹も存在しません」

「お前本当容赦ねぇな」

 

 結局、ユイとマイ。サリーとコウヨウの4人会議の末出てきた結論は……

 

「お前さっき2人ならデートで浮気って言ったよな? じゃあ、ユイとマイの3人なら大丈夫だよな?」

「私も連れてけ」

「じゃあ4人」

 

 即ちコウヨウと2人きりにならない事を徹底するという彼の意見の元、サリーの監視が緩くなったのは彼女が心底コウヨウに惚れていたからだと、ユイとマイは思ったのである。

 

((コウヨウさん(師匠)とまだいっぱい一緒にいたい……!!))

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