妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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 本編とは全く関係ない「日常編」です。スピンオフまでは行かないですが、閑話休題として見てください。


二刀流と日常1

「我が海に伝わりし破滅の魔術を……」

「カット、海なのに破滅ってなんだよ」

「ええと……じゃあ……我が海に伝わりし魔術を持って貴方の命を壊滅……」

「怖いわ、貴方の命を闇から救済しますで良いだろ」

「流石紅葉、言葉の天才」

「矛盾考えれば理沙でもできる」

「お兄ちゃん、理沙、何して……あぁ、厨二病ノートか……」

 

 現実世界で紅葉は理沙の厨二病ノートを完成させていた過去がある。今回はその一部始終のお話だが、理沙は勉強が苦手なので、こう言った言葉選びは紅葉が手伝っていたのだ。

 

「技の名前と台詞を決めてるんだけど、楓はどんなのが良い?」

「全部同じじゃん……」

「「それは違うよ」」

「息ぴったり……」

 

 技名1つ1つに言霊が宿ると訴えた2人。紅葉は理沙程厨二病ではないが、木刀やら侍の和服などをカッコいいと思う男の子の部分は当然あった。だからこそ理沙の技名を考えることに真剣なのだ。

 

「お前は伝説の海アトランティスで生活している水の精霊なんだろ?」

「ええ、私はアトランティスの精霊……悪や闇を浄化する役目をポセイドン様から押し付けられた存在……」

「押し付けられてるんじゃねぇよ……」

「お兄ちゃんー、私は勉強してるねー」

「分からないところあったら聞いてくれよ」

 

 楓は2人のやりとりを無視して勉強しにいく。理沙と紅葉は真剣に、仲良く厨二病言葉を考えるのであった。

 

 ☆

 

「理沙、コレ欲しい」

「紅葉には必要無いよ」

「理沙、頂戴」

「絶対あげない……ってこら! 中身見るな!!」

「大好きな理沙の全てが欲しいし知りたいから見るね」

「やめろぉ!!」

「2人ともうるさいなぁ……」

 

 時は最新にまで進み、現実世界で紅葉と理沙はお家デートをしていたのだが、今日は本条家に親がいないため、妹の楓も一緒に紅葉は連れてきた。楓も最初は遠慮していたが……

 

「じゃあ楓は独り身ね」

「お兄ちゃん、私も行く。理沙、喧嘩の準備はいい?」

「遊びに行く奴の態度じゃねぇだろ……理沙がいいなら楓もお願いする」

「いいよ、親の話は紅葉から聞いてたし、楓を1人にする気は無かったから」

「理沙、一緒にケーキ食べよう。お兄ちゃん材料買ってくるから理沙の家で作って」

「こいつ連れて行かない方が良いんじゃねぇかな?」

 

 そんな会話があり理沙と紅葉は楓を連れて理沙の家に向かったのだが、理沙の部屋に入るなり楓が部屋を物色した。

 

「何してんの楓……」

「理沙の漫画読むから探してる」

「楓、親しきものにも礼儀があるとは思わんか?」

「そう言いながらもお兄ちゃんだって恋人の部屋に来たんだから思うところはあるんじゃない?」

「紅葉も?」

「昔毎日行ってたから無い」

「「無いの!?」」

 

 この兄妹は理沙に対して礼儀もへったくれもなかった。親の都合もありほとんどお互いの家に寝泊まりしていた仲でもあったので、今更紅葉もドキドキはしない。前みたいに理沙が下着を置き忘れてなければの話だが。

 

「ねぇ、理沙ー」

「どうしたの楓」

「スポブラ落ちてたー」

「あ、普通にしまい忘れてた。棚に入れといて」

「お前ら……マジ……いや、もう慣れたわ……」

 

 慣れたと言いながらも顔は赤い紅葉。女の子に夢とか見ない現実主義の理由は割とコレである。理沙と楓は美少女であるからこそクラスのみんなから人気であることは紅葉も知っている。

 それでも彼女達に品がないというわけでないが、こう言った自由奔放な、いかにも現実的に女の子も人間である会話を昔から聞いていたこともあって、紅葉はあまり女の子に夢を見ない。

 そう言った意味もあって、理沙が妹の楓のように人気であっても、美少女だとか楓みたいに言われていても紅葉としてはなんとも思ってないのが理由だった。そんな紅葉だからこそ理沙と付き合えたのだが。

 因みに一番初めの流れだが、楓は理沙の家を物色しながら一冊のノートを見つける。そこから全てが始まった。

 

「お兄ちゃんと理沙の愛の結晶見つけた」

「あ、コレ俺と理沙が……」

「ダメェェェェェ!!」

「理沙、コレ俺にくれ」

「あげないヨ……絶対にアゲナイ」

 

 楓が揶揄いながら見つけたノートは昔理沙と紅葉の2人で考えた厨二病ノートである。

 

『アトランティスの精霊による福音書』

 

「うわぁ、懐かしいな! 見てみろ理沙、この『私の救済は止まるところを知らず、全ての闇を浄化する』なんて結構簡単な台詞だけど長時間考えたよな」

「見たくナイ、恥ずかシヌ」

「お兄ちゃん、理沙の厨二病名ってなんだったの?」

「いや……それが分からないんだよな。なんでも理沙曰く……『真の名は語れない。我が王であるポセイドンがそれを認めないから。貴方がもしアトランティスの守護者となり、私の隣で戦うのなら語る許可は得られる』なんて言って教えてくれなくてな」

「ねェ、紅葉? 私の昔のセリフはどこまで覚えてるのかな? カナ?」

「ほぼ全部。たまにユイとマイの前で技名叫ぶ時ある」

「シテ……コロシテ……」

「理沙が溶けた!?」

 

 結局理沙はしばらくベッドに潜って帰ってこなかったので、キッチンを借りてケーキを作ることで理沙を誘き寄せたのだった。

 

「そういえば、ミザリーさんから知ったけど理沙が厨二病でつけてた『ホーリーランス』ってマジであったんだよな」

「アアアアァァァァァ!!?」

「お兄ちゃん、これ以上やったらアトランティスの精霊が死んじゃうからそろそろやめておこう」

「カエデェェェェ!?」

「理沙落ち着け、言うなら俺の『いっぺん死んでみる』もパクリだしなんら変わらない」

「理沙たまに闇魔法も考えてたよね」

「ゴフッ……」

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