妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

49 / 159
二刀流と本性

「うぅ……恥ずかしいよぉ……」

「可愛いですね」

「可愛いですね」

 

 第四層の街で見かけたのは、真っ白いロングの髪の毛に、白の服を着た美少女がモフモフでフワフワのネコと戯れている姿。別名【炎帝】こと、ミィである。

 たまたまメイプルとコウヨウが兄妹デート(サリーは用事)をしている時に、彼女を見かけてしまった事、後は単純にコウヨウが猫好きな事、だからとりあえず入ってしまった事、そして、お互いの事がバレた事。そこから始まった。

 

「なんか……すみません。別に尾行してた訳じゃないんです……いや、ミィさんが服変えて店入って行ったから気になりました……」

「わ、私もです……」

 

 兄妹同じセリフを言いながらミィに対して謝罪をする。

 

「うん……もう、良いかな。演技し続けるのも大変だったし」

「お詫びっていうか……何か出来ることあったら言って!」

「そうですね、俺達がズカズカ入ったのも原因ですし」

「じゃあ、この後モンスター倒すの手伝ってくれたり?」

「「任せて(ください)」」

 

 なお、ミィの言葉に敬語で返しているのはメイプルではなくコウヨウである。彼は自分以外の人の年齢が分からなければ敬語で話すのだ。

 

 ☆

 

「私足遅いから……」

「メイプル、安心しろ。ムサシ頼めるか?」

「キュルルン!! キュルルルン!!」

 

 メイプルは【暴虐】で町から出ようとしたが、透明になっていたムサシが【変身】して20メートルの大剣になった。

 

「俺の優秀なモンスターさぁ、大剣になるんだけど乗ってかない??」

「またその化物モンスター……まぁ、可愛いからいいかな。それじゃあ遠慮なく……」

「シロップも乗りやすいけど、お兄ちゃんのモンスターも乗りやすい!!」

 

 そのまま大剣に乗っかった3人はムサシの超特急で目的地に突っ込んで行った。

 

「【炎帝】」

「【身捧ぐ慈愛】」

「【極天二刀】」

 

 メイプルが天使になり、ミィとコウヨウを守る。これでダメージを一切気にしなくていい2人は攻撃を受ける事を気にせずに戦える。

 

「さて、斬るか」

「いや、もう斬ってるよね……どんな速さなの……いや……あのテイムモンスター……」

「ムサシが自動シュレッダー代わりです」

「というかお兄ちゃんも斬るの速いって……」

 

 コウヨウが言葉を発しながら、敵を斬っているが、ミィからすれば正直手の動きが見えない。もっというと、基本は二刀で斬っているが、たまにムサシが【変身】した剣でモンスターを涼しい顔で一掃しているからなおタチが悪い。

 

「これは……勝てないわけだ……」

「そういえばお兄ちゃん、1番ステータス高いの何だっけ?」

「STRだな」

「え? そうなの!?」

 

 ミィは信じられなかった。確かにたまに大剣を片手でぶん回してはいるが、前回戦った時に目で捉えることの出来なかった速さを見ると明らかにAGI中心に振り分けてるようにしか見えなかったからだ。

 

「STRは装備込みでそろそろ5桁かなぁ。まぁ、AGIも4〜5000から先は覚えてないけど……」

「私のVITと同じだね!」

「もうやだなぁこの兄妹……」

 

 因みにコウヨウが何故ここまでステータスがあるかというと、基本的には首輪をつけて経験値とスキルポイントを回収しているからである。

 

「それにしても、そっちのミィさんも良いですね」

「え?」

「いや、【炎帝の国】のカリスマミィさんもカッコよくて好きですけど、あの時の女の子って感じのミィさんも、可愛くて好きです」

「可愛……好き!?」

「お兄ちゃん、浮気はダメだよ?」

「いや、そんなつもりはないぞ!? 俺はサリーが1番だし」

「そ、そうなんだ……可愛い……フフフ……」

 

 照れるミィとそれに気がつかないメイプルとコウヨウ。彼が妹の発言に慌てていると、何やら身体が宙に浮く感覚があった。

 

「うわ!? 何だこれ!?」

「わわわ!! 浮いてる!?」

「ど、どういう……?」

 

 そのまま3人は5メートルほど高く上がり、そのまま別の場所へ。そこは雲の上であった。

 

「なんか……綺麗だな……星が降ってる」

「うん、綺麗だねお兄ちゃん……」

「待って、2人とも……あれ本当に落ちてきてない!?」

 

 ミィの言葉で2人は気がつく。星が……本当に落ちてきた。

 

「【身捧ぐ慈愛】!!」

「ムサシ! 【封印解除】! 【極天二刀】! 【魔法削除】……ぐはぁぁぁ!!?」

「コウヨウ!? 大丈夫!?」

「【超加速】!! メイプルがいなければ危なかった!」

 

 コウヨウが星を受け止めようとしたがアレは魔法では無かった。正直頑張れば受け止められそうな勢いではあったが、油断して魔法を斬る形になってしまったので、受け止めきれなかった。

 そのまま彼は押しつぶされかけたが、【超加速】でギリギリ逃げ切った。声は出たが、ダメージはメイプルのおかげでちょっとくらったくらいである。

 

「メイプル、お前なら平気だと思うが、アレは魔法じゃない。俺が刀で防ぐのはキツイから頼む」

「うん。分かった。任せて」

「嬉しそうだな?」

「お兄ちゃんが私を頼ってくれたから」

「無理な時は頼る」

「サリーにも頼らないとダメだよ、恋人だから対等にね」

 

 メイプルの優しい声に肯定するコウヨウ。赤の他人のミィが見てもその姿は本当の兄妹そのものだった。

 

「本当に……兄妹なんだ……」

「「そうですよ」」

「というかコウヨウは……サリーと付き合ってるの?」

「「そうですよ」」

 

 結局辿り着いた先に待っていたものは【天の雫】という謎アイテムであったのだが、それがこれからのキーアイテムである事を3人が知るのは十一月初めの事である。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。