妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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 日常編続きます。


二刀流と男達の魚

「マルクス援護を頼む!」

「分かったよ……と言いたいところだけどさ……僕必要?」

「当たり前だろう、この中で後方支援はお前しかいないんだぞ?」

「いや……そうだけど……」

 

 ペインの言葉に対して一言物申すマルクス。その言葉にクロムが反論しながらお前が必要だとまるで恋人のような口ぶりで話すが本人にそんな気持ちはない。因みにマルクスは何を見て自分をいらないなんて言ったのかというと……

 

「呪斬呪斬呪斬呪斬呪斬ムサシムサシ呪斬ムサシ呪斬呪斬居合極……」

「コウヨウが爆速で無双してるんだが……」

「だからだよ、僕必要ある??」

「マルクスさんにはこれから宴の準備で活躍してもらうのでここはお任せください」

「できれば戦闘で活躍したいなぁ……」

「多分コウヨウがいるから無理だぞ」

 

 奴が無双していたからである。今日は珍しい話だが、男性陣全員集合で宴のお時間をするつもりだった。事の発端は少し前……

 

 ☆

 

「魚食いてぇ……」

「どうしたドラグ急にそんなこと言って」

「いや、最近現実で肉食べすぎてよ……さっぱりした魚でも食べたいんだよ」

 

 トップギルド【集う聖剣】所属のドラグがドレッドに魚を食べたいという発言をしてからスタートした。ドラグは屈強な肉体を持つのもあり、平均男性よりも食べる人間だ。だから肉の食べ過ぎなんて稀によくある話である。

 そんなドラグもやはり人の子。油っぽいものを食べすぎたのでさっぱりした食材を食べたかった。

 

「野菜とかどうだろう?」

「それもいいんだけどよ……やっぱりメインは欲しいだろ?」

「まぁ、確かにペインの言う通りさっぱりしたのは野菜にドレッシングだけど、豚肉とか魚とか入ってた方がいいよなぁ……」

 

 そんな会話をしながらドラグは今回のストーリーが開始される核心のセリフを吐いたのだった。

 

「せめてゲームの中でもいいから魚食いたいぜ……どこかにいつも釣りしてて、魚のことを知り尽くしているエキスパートとかプロみたいなプレイヤーいねぇかな……」

「「いるだろ、1人」」

「え? えっと……あ……あいつかぁ……」

 

 魚と言えばあいつだとペインやドレッドも分かりきっていたのだった。

 

 ☆

 

「いやぁ、助かったぜコウヨウ。流石魚のエキスパート」

「ただの釣り師です……というか俺も助かりました。まさか久しぶりにヌシが出るなんて思わなかったのでみんなで倒してくれて良かったです」

「ほぼお前が減らしたんだけどな……」

 

 そんなわけで、【集う聖剣】の男性陣は後でフレデリカにお土産で魚を分けてあげるという話をしながらドラグ、マルクス、ペインの3人だけでコウヨウの元に来たのだ。そこにはコウヨウとコウヨウが所属する【楓の木】のクロムの2人が共に釣りをしていてた。

 そこに、偶々散歩していたマルクスも引き連れた結果、コウヨウ、クロム、ペイン、ドラグ、ドレッド、マルクスの6人体制で釣りをするという聞く人からしたらとてつもないメンバーが集まったのだ。

 今はコウヨウが釣り上げたヌシモンスターを集団リンチしてから、その素材をコウヨウが料理。それをみんなで食べているところである。

 

「塩振りましたけどどうですか?」

「「「「めっちゃ美味い」」」」

「よくこんなに美味しく出来るよね……」

「メイプルとサリーに飯作ってるので」

 

 コウヨウの言葉にドラグはすげぇなと褒めるが、彼からすれば普通の事である。昔から妹と幼馴染(恋人)に親の都合もあり料理を作り続けていたので特に悪い意味で何かを思ったことはないのだ。

 

「【楓の木】に何か作ってあげようかな」

「そういえばコウヨウ、お前サリーってやつと付き合ってるって本当か?」

「ドラグさんは死にたいんですか?」

「どうしてそうなる!?」

「コウヨウ落ち着け、ドラグはサリーを取らないぞ……」

「冗談ですよ……はい。付き合ってます。付き合ったのは最近ですけど」

「会話する気があるなら刀しまえ」

「それほとんど突き刺さってない?」

「サリーを傷つけるなら殺す」

「お前本当にサリーちゃんが関わると人が変わるよなぁ」

 

 コウヨウはサリーの事になると愛ゆえに暴走する。現に今、サリーとの話をしている間にもドラグに刀を向けている。

 ドラグは恐怖しながらも、冷静に話し合おうとまるでこれから刺される人間のセリフをそのまま言う物だからペインですらも少し笑ってしまった。

 

「コウヨウ、お前なら例え俺達にサリーを奪われたとしても全滅させられるだろう?」

「はい」

「即答かよ怖いわ」

「だから今はまだ刀を抜かなくてもいいんじゃないか?」

「うっす」

「コウヨウが怒ったら本気でやばいからな……」

「僕達束になっても全員死ぬよね」

「流石にこのメンバーに勝つのは無理でしょう。クロムさんも流石に俺が勝てるとは思いませんよね?」

「最近コウヨウが真の姿を手に入れたんだが、それでなんとかならないか?」

「アレは隠し球予定でしたけどバレちゃったからもういいです」

「フレデリカが言ってた黒龍か……アレはなんなんだ??」

「俺も分かりません」

「怖いって」

 

 魚を食べながらコウヨウはのんびりと話をするが、黒龍と聞いた男性陣全員は普通に怯えた。

 

「それよりもマルクスさん。ミザリーさんとその後はどうですか?」

「あぁ……うん……まぁ……うん」

「なんか言えよ」

「え? ミザリーとマルクスってそう言う仲なのか?」

「うーん……僕の思い違いって言うのもあるからなんとも……」

「嘘つけ絶対見てるゾ」

 

 マルクスの鈍感力にコウヨウはちょっと怒りながらツッコミを入れる。マルクスは割と自分に自信がない人間だと知ると、コウヨウは念のため彼に伝えておいた。

 

「マルクスさん、別に何の意味を持たなくても、感謝とか好意とかその場のノリで伝えてみたら多分相手も反応してくれるので分かりますよ」

「感謝はともかく僕が好きって言ったら気持ち悪くない?」

「そりゃ恋愛的な意味で好きだと急に伝えたらそうなる可能性はありますが、例えば……ミザリーさんにしか出来ない事とかミィさんにしか出来ないとことかを自分には出来ないから凄いって思うとか、そういうところ好きだななんて言うだけでも割と反応が見やすいですよ」

「なんか普通にコウヨウの恋愛相談が始まったぞ……」

「なぁ、コウヨウ。俺もちょっと相談が……結構タッグを組む女でよ、頼りになるし俺も好いているんだがいつも軽口で喧嘩っぽくなるのはどうにかしたいんだ……」

「言葉に出来ないならたまに欲しいものとか聞いて渡してあげればいいんじゃないですか?」

「コウヨウ、もしもフレ……いや、その女が私の事好きなの? とか言われて自分を揶揄われたらどうする?」

「激アツじゃないですか。そんなのたった一言そうだよで返してやれば終わりですよ」

「気持ち悪くないか?」

「何でここの男共は自分に自信がなさすぎるんだよ……」

 

 流石にコウヨウもドラグとマルクスの話を聞くと自分がおかしいのかと思い始める。ゲームでは戦闘狂の2人だが、心は繊細であった。

 特にドラグは見た目も強そうに見えるので、引かれないかとか見た目によらず1番情けないことを言っていたが、何とかコウヨウが落ち着かせて自信を持たせた。

 

「なんか……いいな。こういうのも」

「俺達は戦いしかしてなかったしな。コウヨウがいるからこそこんなこと出来るんだろうよ」

「確かにな」

 

 コウヨウ、ドラグ、マルクス、ドレッドが恋愛的な話をしている中で、大人なペインとクロムは2人でコウヨウに感謝したのだった。

 

「そうなったらこう言いましょう……お前の事が好きなんだよ! って」

「「なるほど」」

「いや、すげぇなこの人……」

 

 コウヨウのアドバイスに頷くマルクスとドラグ。それに突っ込んだドレッドは苦笑いである。

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