妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
「サリー! ユイ、マイ! 助けてくれ!」
「コウヨウ? どうしたの?」
「クエストがクリア出来ない!」
コウヨウの言葉にギルドホームが静まり返った。クエストクリア不可=コウヨウの敗北と見てもおかしく無い。だがコウヨウが負けるなんてありえないとサリー、ユイ、マイ、そしてメイプルが今ギルドにいるが、全員思っているからである。
「お兄ちゃん死んだの!?」
「死んでねぇ!! けど……クエストクリア出来ないんだ」
「師匠どう言う事ですか?」
「私たちに出来ることならお手伝いしますコウヨウさん!」
とりあえず敗北はしてないことに安堵するメイプル達。一方で双子の言葉に感動の涙を流すコウヨウ。簡単に言うとコウヨウがクリア出来ないクエストは釣りクエストである。敵も出ず、失敗したら死ぬわけでも無い珍しいクエストだがクリア条件がかなり難しい。
「【
「それもそれで凄くない? と言うか名前も凄いねその鯉」
「メイプル、お前にも頼みたい」
「え? 私も?」
「メイプルの運は異常だから釣れるかもしれん」
そうして、初めてコウヨウに頼られた人も多かったので、5人でそのクエストに挑む事にした。
☆
クエスト開始から2時間経過したが、全く釣れる気がしない。メイプルやサリーはあまり釣りをしてなかったのもあり、釣れる時間が遅く、ユイとマイはコウヨウとよく釣りをしていたが、だからといって【黄金の鯉】が釣れる事もない。コウヨウに至っては魚は沢山釣っているが掠りもしない。
「こりゃ……難しいわけだ」
「俺もう100匹目なんだけど」
「うぅ……釣れないよぉ……!!」
「釣れるけど金の鯉さん来ないです……」
「師匠が凄い数釣ってる……」
そういえばと、サリーやメイプル達がコウヨウに対して疑問を投げる。コウヨウはゲームを始めてからスキルポイントをSTRとAGIにしか振っていない。
メイプルみたいに1つではないが、2つしか振って無いのも正直極振りに近い。にも関わらず、彼は割と器用に魚を釣るし、料理も出来るのは何故かと言う話である。
「俺の装備が全ステータス100にあげるからだな」
「何その装備無茶苦茶じゃない!?」
「え? じゃあお兄ちゃんSTRとAGI以外0なんじゃないの?」
「VITとDEXとINTは本来0だけどこの装備のおかげで100ずつあるぞ」
「だから攻撃受けてもユイやマイみたいに即死じゃ無いんだ……」
「「コウヨウさん(師匠)ヤベェです……」」
「おい、そこの双子にヤベェとか教えたやつ出てこい俺が制裁してやる」
「多分クロムさんじゃない?」
次回、クロム死す。
因みにコウヨウの答えは攻略サイトも掲示板もすり抜けた反則装備(剣豪シリーズ)であった。それにに対してサリーは突っ込むみ、メイプルは兄専用のユニーク装備だと喜ぶが、そんなレベルではなかった。
「知らないよ、偶々手に入れた装備が呪われたり強すぎたりしてるだけだし」
正直メイプルとコウヨウも本当に普通にプレイしていただけ(たまにモンスター咀嚼プレイ)である。装備や武器に関しては確実に運だ。コウヨウもメイプルもお互いにトップクラスに運が良い。それが幸運と悪運の違いではあるが。
「そもそも、ここまで釣っていないなんて……ん?」
「コウヨウ? どうしたの?」
「なぁ、サリー……1つお願いがあるんだけど」
「どうしたの? コウヨウのお願いならなんでも聞くよ?」
「この池潜れるか?」
「え?」
「あ、なるほど!!」
コウヨウの言葉にメイプルだけは理解して、ユイとマイ、サリーは疑問に思った。改めてコウヨウは伝える。
「ごめん、俺が勘違いをしていたんだ。このクエストは【黄金の鯉】を手に入れる事……つまり、釣る事じゃなかった可能性が高い」
「釣るんじゃ無くて、潜って手に入れるって事?」
「恐らく。その検証の為に、泳ぎが1番上手いサリーに頼みたい。助けてくれ、頼む」
「コウヨウのお願いなら何でも聞く!!」
「って潜るの速!?」
コウヨウが本気でサリーに頭を下げた瞬間サリーは池に飛び込んだ。あまりの速さにメイプルが突っ込むが、ものの数分で5人分の【黄金の鯉】を持ってきたのだ。
「取ったよー!」
「こんなに簡単だったのか……せっかく8時間も3日間連続で釣ったのに……」
「だからお母さんがご飯呼んでも来なかったの!?」
「コウヨウって本気になるとバカになるよね」
「また8時間やったんですか!?」
「流石師匠!!」
褒められたことではないのは確実だが、コウヨウの頑張りが無駄になったのも事実である。こうしてサリーのおかげで、釣りのクエストをクリア出来たコウヨウはお礼としてみんなに【黄金の鯉】を改めて乱獲した後、イズですら太鼓判を打った最高に美味しい魚料理を振る舞ったのだった。
「何だか……コウヨウと結婚したら、食に困らないな」
「カスミ、コウヨウは私のもの」
「コウヨウ君、お姉さんのお料理教室付き合わない?」
「俺の全てはサリーのものなので無理ですね」
「コウヨウ愛してる!!」
「お兄ちゃん私は?」
「メイプルにはカナデがいるだろう」
「こ、コウヨウ!?」
「確かにカナデがいれば良いかも……」
「え!? メイプル……どういう……!?」
メイプルが割と本気で言った言葉にカナデの顔が真っ赤に染まりコウヨウ化するのは別の話である。
「カナデがコウヨウ化した」
「コウヨウ化って何だよ?」
「紅葉の色みたいに赤く染まるのと、恥ずかしい話題でコウヨウが真っ赤になるのをかけた」
「やかましい」