妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
「雲の上でも釣り出来るんだな」
コウヨウは第五層に行っても変わらず釣りを楽しんでいた。最近また魚の種類が増えたので釣ってあげないと魚達に申し訳ない。最強の二刀流はただの釣り師なのだ。
「
そう言って釣りを続けると、釣竿が引っかかる。ナイスヒットだとコウヨウは釣ろうとするが……かなり力が強い。むしろ、コウヨウのSTRは4桁(首輪ありの場合)なのに彼が引っ張られていた。
「ぐっ……マジかよ……俺でも釣れない魚が……いるのかぁぁぁぁ!!?」
そのままコウヨウは湖の中に落ちていったのだった。
「あれ? 今コウヨウらしき人がが湖に落ちたような……気のせいか?」
それを見ていたクロムは彼を最後まで助けることが出来なかったという。
☆
「お前か……我の部下を釣り上げたのは……」
「ぽ……ポセイドン?? サリーの厨二ノートに出てきた奴が何でここに……」
湖に落ちても息はできた。その代わり、自分がよく耳にした海皇と言う名のポセイドンがコウヨウに噛みついてきた。混乱していると新しいクエストが出て来た。『海皇の怒り』と言う名のクエストが発生したのでとりあえずそのまま了承して、コウヨウは戦う事にした。
「部下の仇だ!!」
「人ならともかくモンスターなら遠慮なく斬るぜ!」
そう言ってコウヨウはいつも通りモンスターの攻撃を受け止めた……はずだった。
「ぐぁぁぁぁぁ!!?」
「その程度で我に挑むな!!」
だが、吹っ飛ばされて大ダメージを受けたのはコウヨウの方である。慌ててムサシに【封印解除】を命令して、首輪を取る。それでもコウヨウの3倍ほど大きなモンスターの持つ巨大な槍を受け止めることは叶わず、ポーションで回復して受け止めようとしても、ほとんど同じ数字のダメージを受けて何回も2割程しかHPが無くなった。
「やばいぞこれ……ムサシ、行けるか??」
「キュルルルン!!」
どう考えても普通に戦ったら勝てそうにないコウヨウは刀をしまって、スキルを全開放させる。
「【極天二刀】、【豪傑にして英雄】、【居合極】!!」
STRとAGIを12倍にしたコウヨウは全速力と全攻撃力で海の神を斬り裂いた。流石のモンスターもコウヨウのSTRには耐えきれず、HPを5割ほど削られた。だが、モンスターは不敵に笑いながらコウヨウに言う。
「見事だ人間。貴様の力思ったよりも大きいようだが……これならどうだ?」
「キュルルルルル!?」
「え? ムサシ!?」
海皇の槍にムサシが吸い込まれた。同時に海皇のHPも全回復した衝撃もあり、コウヨウは驚きながらもそれを見ることしか出来なかった。クエストの仕様か分からないが、足を動かせなかったのだ。そうしてクエストが新しく発生する。
『エクストラクエスト 海皇の本気』
「ふざけんなよテメェ」
それが発生した瞬間、ムサシを取られてブチ切れたコウヨウはそのまま承認ボタンを押した。押したら押したで海皇は彼に全力で槍を振って襲いかかる。
「滅びろ、人間」
「誰がお前に負けるか」
その槍をダメージ判定ギリギリでコウヨウは避けた。槍を避けた瞬間、槍から出た複数の水の塊が彼を襲うが、それすらも全て避ける。モンスターの攻撃は1分ほど続いたが、彼には一切当たらない。
コウヨウはカスミとの戦いの後、ギリギリで避ける事を極め続けた。サリーのようにしっかり避けるのは不可能だが、あたり判定ギリギリで避ける事は彼のAGIで可能だ。
「ここまでキレたのはフレデリカさんとペインさん以来か……サリーは……まぁ、俺も悪いしそこまで怒ってなかったからな」
1人で喋りながら海皇の槍を全て避けて行く。NPCは疲れないが、コウヨウは疲れる。それでも避ける、避け続ける。そうしてしばらく避けると、何処からか声が聞こえてきた。
『今の海皇は善では無い。悪である』
「誰だ……?」
『神に立ち向かう勇敢な人間……そなたにはこの矢で射抜くしか術はない』
「へ?」
声が止まった瞬間、コウヨウの身体が輝いた。真っ先に気がついたのは感覚。手は刀を握っていたはずなのにかなり軽く、その手を見てみると刀ではなく、黄金の弓と矢を持っていた。
「は? 俺は弓使いじゃ……って何だこれ!?」
驚いたのは弓だけではない。身体の装備が全て黄金の鎧に変わっていた。
『神に抗う
この装備は他の装備やスキルの効果を受けない。HPとMP以外のステータスが0になる代わりに、HPとMP以外のステータスの合計分がVITになる。
『
この装備は他の装備やスキルの効果を受けない。HPとMP以外のステータスが0になる代わりに、HPとMP以外のステータスの合計分がSTRになる。
「なんか意味わかんねぇけど……足が遅いんだが!?」
「滅びよ……」
「死ぬってこれマジで!?」
自慢のAGIが0になったコウヨウに対して海皇が槍を振りかざす。流石に当たると思った彼は弓を持ちながらガードの構えをして、攻撃を受けるが……
「あれ? 痛くない? しかもHP減っていない??」
何度攻撃をくらっても全く痛くも痒くも無かったので、彼は自分のステータスを見た。
コウヨウ
Lv65
HP 150/150
MP 60/60
【STR 0〈+9000〉】
【VIT 0 〈+9000〉】
【AGI 0】
【DEX 0 】
【INT 0 】
「ナニコレ???」
疑問には思ったが、装備の説明を見て納得した。鎧は鎧の効果、弓には弓の効果でステータスがとてつもない事になっていたのは事実だが。
「人間……中々やるな……」
「いや、圧倒的過ぎるだろ何だこの装備は……」
因みに言うとこの装備は仕様である。だが、コウヨウのステータスだからこそ異様な数字が出ているだけなのだ。他のプレイヤーどころかペインでさえもこのステータスにはならない。
「まぁ、いいや……ムサシの仇だ覚悟しろ……」
そう言ってコウヨウは弓を構えてゆっくり海皇に近づく。AGIは遅いが、敵も逃げないので徐々に近づいて……最終的には0距離まで足を運んだ。
「俺は慎重派だからな、ここまで来れば流石に……当たるだろ!!」
そう言ってコウヨウは神を射抜いた。海皇は膝をついて槍を地面に落とした、そこで先ほど誘拐されたムサシが現れた。
「ムサシ、怪我はねぇか?」
「キュルルルン!」
「な、何故この我が……敗れるなど……」
「俺は戦いは嫌いだ。だけど、俺の大事なモンスターを奪ったんだ……」
「ならば俺は神でも殺すぞ」
こうしてコウヨウは神を下した。それを見ていた運営が目を虚にしながら彼のプレイを見続けてからしっかりと匙を投げたのだった。
『スキル【海皇】、【無双転生】を手に入れました』
【
大きな津波で広範囲の敵を攻撃する。受けた相手のAGIが0になる。
【
1分間全ての攻撃を完全無効にする。1日2回使える。
セイントコウヨウ