妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
「今日は死んでも御法度か、楽だな」
一応ダメージは受けていても未だにイベントノーデスのコウヨウは今回のイベントをおさらいした。回復無しで死ぬ事を前提に作られたイベントなので気はとても楽である。
一応【フィールドから出る】という項目があるので、死ぬ前に逃げるという選択肢はあるのだが……
「まぁ、一度死んだ身だしな」
はっきりと独り言を言ったコウヨウ。一応ゲームの戦績にはカウントされないのだが、正確な戦績を言うと、一敗である。
この一敗は……まぁ、あの3人がかりの時だ。ペインとミィを地に着けたのは良かったが、最後の最後でメイプルから【機械神】を食らった。いや、受け止めはしたのだが、HPが間に合わなかったのが正しいか。
そのせいでまぁ、死んでもいいかと思ったコウヨウ。だが、別のプレイヤー視点で言うと誰も彼が負けたとかペイン達が勝ったとかは本気で思っていない。
【炎帝】を斬り裂いて、【断罪ノ聖剣】も弾き返し、最後には【機械神】ですら僅かながら刀で止めたのだ。並のプレイヤーどころかある程度の有名プレイヤーでもペイン、ミィ、メイプルという3人を相手にするのは不可能である。そこにサリーまで加わって四天王になったあかつきには1分針タイムトライアルが何個ものダンジョンで行われるだろう。
そんな者たち3人を敗北したとは言えほぼ壊滅まで叩き斬ったコウヨウはまさに剣王やら剣豪の名が相応しい。
「モンスターが無限に出てきてるけど……正直あの3人相手の後だから怖いもんはねぇな」
結局コウヨウは途中でリタイアを繰り返してはいたのだが、ほぼ全てHPが1〜10の間で生き延びていたという。
「にしても……物たりねぇ……敵が弱すぎる……のか??」
☆
「え!? 師匠負けたんですか!?」
「嘘ですよね!?」
「本当だ」
コウヨウがユイとマイに世間話をしていたら、このような答えが返ってきた。師匠は負けたことがあるのかと聞いたユイに対して肯定したコウヨウだが、かなり驚かれたし嘘だと思われた。
「嘘だと言って下さい!!」
「本当だって」
「コウヨウさんが負けるなんてありえないです!」
「いや、負けたもんは仕方ねぇだろ……サリー何とか言ってくれ」
「コウヨウのバカ! コウヨウを倒すのは私のはずだったのに!! メイプルなんかに倒されるなんて……浮気者!」
「ちょっと待ってサリー、私なんかって何!?」
「突っ込むところそこじゃねぇだろ……いや、メイプルにしたらそっちで良いのか?」
段々と埒があかなくなってきたので、掻い摘んで事の事情を説明すると、今まであり得ないだのコウヨウが死んだなど驚いていた双子とサリーが目を丸くして思考を停止した。そうして……
「それなら師匠も負けますね」
「それなら負けても仕方ないですね」
「寧ろそこまで追い詰める事自体おかしいよアンタ」
「サリーからアンタって呼ばれるの初めてだな」
完全に事の事情を飲み込んだ3人は完全に納得……までは行かなかった。それでも、そのメンバーなら彼が負けてもおかしくは無いと言ったのはサリーである。
「あの時は大変だったなぁ……【暴虐】は黒龍で相殺されるし、ミィやペインさんのスキルも無効にされたり反射はされたり……【身捧ぐ慈愛】でペインさん達に付けたVITですら普通にダメージ入るしで……もうどうやったらお兄ちゃんに勝てるか3人で本気で悩んで戦ってたもん」
「最後の【機械神】は降参の意味で参ったぞ」
「HPあったら確実に受け止めてたじゃん」
「まぁ、受け止めるつもりで行ったんだがな」
「とりあえず私達は会話についていけないんだけど」
「師匠達が何を話しているのか全く理解出来ません……」
「コウヨウさんがメイプルさんにダメージを入れられる所からもう着いて行けないです……」
そもそもトップギルドマスター3人がかりで挑まないとコウヨウに勝てないという事実に頭をパンクさせるサリー達であるが、コウヨウはコウヨウでイベント中にでに入れた新しい魚の武器を手入れして話していたという。
『シャチ』STR+100 AGI+100 【
海の王者にして最強の魚。『秋刀魚』と『太刀魚』を装備すると空中に浮き、自由に動かす事が可能。
【王者の一撃】
『秋刀魚』と『太刀魚』を装備すると3本目の刀として持てる。地面を叩くとクレーターが出来る。そこに足を入れたプレイヤーのAGIが1分間0になる。
「シャチか……良い刀だなぁ」
「お兄ちゃんそれ刀だったの!?」
「しかも強すぎて反則じゃないこれ!? 運営が修正入れるやつでしょこれ!」
「「可愛いお魚さんです!!」」
「クレーター作るけど可愛いよな」
「可愛くない……」