妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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二刀流と幽霊、すみっこにサリー

「コウヨウ助けて!!? コウヨウ!!? 助けて!! 助けて!! ああああああ!!!」

「サリー、落ち着けー」

「落ち着けるかぁぁぁぁ!!? 何でよりにもよってアンタがいるの!!?」

「マスター、間違えたー」

「ひぃぃぃぃいぃぃ!!!?」

 

 間違えて幽霊のテイムモンスターを預けたコウヨウを恨みながらサリーは走り続ける。ログアウト不可能エリアという事もあり絶望して、絶叫して、全力でモンスターから逃げたのだが、未だに追いかけてくる。わらしはサリーに必死でついて行くが、サリーは味方ですらも幽霊なので逃げる。

 

「【超加速】【超加速】【超加速】!!!」

「サリー、待てー」

「いやぁぁぁぁぁ!!!」

「置いてかないでー、私は味方ー」

「幽霊に味方もなにもあるかぁぁぁ!!」

 

 もはや正気では無いサリー。こんな時コウヨウかメイプルがいれば変わっていたのだが、いかんせんとなりにいるのは化物に変身する死霊少女である。

 しかもサリーが走っている方向に、幽霊がいる。サリーはそれに気づいたのは、そいつがもう眼前に迫っている瞬間である。

 

「サリー、危ないよー」

「こ……コウヨウ……お願い……助けてぇぇぇぇ!!」

「マスターじゃないけど分かったー」

 

 そう返事したのはコウヨウではなく隣の少女。彼女はすぐに化物に変身をして、サリーの目の前にいた死霊モンスターを食いちぎった。

 

「サリー……大丈夫ー?」

「ははは……あはははは……コウヨウコウヨウコウヨウコウヨウコウヨウコウヨウコウヨウコウヨウ……」

「待たせたサリー! 俺を呼んだか?」

「サリー、精神壊れたー」

「サリー!? 大丈夫!?」

 

 結局、何とかしてたどり着いたメイプルとコウヨウがサリーを見つけることが出来た。ただ、サリーはしばらくコウヨウから一切離れずに、謝っていたことはメイプルが覚えている。

 

「サリーは本気でホラー無理だよなぁ」

「私も知ってた。ってかお兄ちゃん顔真っ赤」

「好きな女に抱きつかれて無表情でいられるほど俺は悟ってない」

 

 その後サリーこと白峯理沙が現実世界で本条楓と本条紅葉に電話をし続けたのもあり、紅葉が理沙を自宅に招き入れて久しぶりに3人で眠ったのは別の話。

 

「あ、楓」

「どうしたのお兄ちゃん?」

「カナデと何をしたか、出来るだけ念入りに聞かせてくれ」

「それは勘弁して……」

「え? 何の話?」

「楓の……メイプルの大事なものが全部カナデに奪われた話」

「詳しく」

「だから勘弁してぇぇぇぇ!!」

 

 ☆

 

「お兄ちゃん! 私と遊ぼう!」

「あぁ、良いぞ。何して遊ぶ?」

「私もー、遊ぶー」

「僕とも遊んで!」

「俺も俺も!!」

 

 お兄ちゃんと呼ばれた時点でコウヨウはメイプルと遊ぶ予定だったのだろうと、他のプレイヤーは思うが、今回は違う。テイムモンスターのわらし含めた4人の子供は、コウヨウと遊びたいと近づいて来たのだ。

 しかも、その4人全員、足が無い。というか消えてる。どう見ても幽霊です。

 

「みんなただいま、良い子にしてたか?」

「おかえりなさいーあなたー」

「おかえりお父さん!」

 

 幽霊と一緒におままごとをするコウヨウ。第五層のクエストではあったが、メイプルやサリーとやったおままごとを過去の思い出として思い浮かべて、楽しんだコウヨウである。

 

「そんなわけで子供って可愛いなぁって話だ」

「お兄ちゃん、多分それ聞いたらサリーが死ぬからやめようね」

 

 どっちの意味なのかはコウヨウが知る由もない。普通のテンションなら大喜びで思考回路が死んで、直ぐにでも彼と子供作る発言をしそうなサリーだが、今回は本当にあった怖い子供である。魂が抜ける方の死ぬという可能性が大きい。

 

「でも、今もそうだが、メイプルやサリーが小さい時は可愛かったぞ」

「えへへ……」

 

 そう言って彼はメイプルの頭を撫でながらそのまま膝に寝かせる。そういえばとメイプルはコウヨウに聞いた。

 

「最近お兄ちゃん釣りしてなくない?」

「あぁ……まぁな」

 

 メイプルの言葉にコウヨウは事の事情を話す。コウヨウといえば釣り、釣りといえばコウヨウというように、NWOの名物である、最強の二刀流釣り師はそこそこ有名になってきた。

 だが、ペインやミィを筆頭に【楓の木】メンバーでさえ、最近この層で釣りをしているコウヨウをあまり見たことがなかった。

 

「まぁ、この層の魚はコンプリートしたが……」

「したんだ……でも、どうしたの?」

「食えないから釣りたくなくなった」

「え?」

 

 コウヨウ曰く、ここはホラーゾーンというのもあり、釣れる魚も独特であった。例えば、目から血の涙が溢れている魚や、そもそも骨だけなのに生きている魚など、サリーが見たら怯える魚しかいなかった。

 

「魚は骨まで食えるとは言うけど、骨だけの魚を進んで料理しようとは思わないし、そもそも目から血の涙流してる魚なんてどう料理すれば良いんだ?」

「だから、コンプリートしたらもう釣らなくて良いかなって」

「な、なるほどね……だから、最近お兄ちゃんが料理しなくなったんだ」

 

 そうだと、メイプルの言葉に同意する。代わりにクエストで時間を潰そうとしてはいるが、今は子供(幽霊)達と遊ぶのが楽しみなのだと彼は伝えた。

 

「お兄ちゃんいつか冥界に誘われるよ?」

「俺は呪われてるから大丈夫」

「私が守ってあげるよー」

「わらしちゃんそれ私の台詞」

「マスター、遊ぼー」

「良いぞ、メイプルもおままごとするか?」

「もうそんな歳じゃ無いんだけど……」

「妹ー、一緒に遊ぼー」

 

 結局コウヨウとわらしに誘われたメイプルはおままごとに参加した。その後、ログインして来たカナデを強制参加させて、メイプルとカナデを夫婦役、コウヨウとわらしが双子という設定でおままごとをしたのはメイプルとカナデの羞恥心案件であった。

 

「カナデお父さん、メイプルお母さんといつキスしたの?」

「勘弁してよコウヨウ……」

「カナデ……助けて……」

「カナデー、妹ー、顔真っ赤ー」

 

 終始コウヨウがニヤニヤしながら2人の仲睦まじさを見守りながら、質問攻めしたのは言うまでもないが。

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