妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
「お兄ちゃん生きてる?」
「まぁ、多少は……だが、わけ分からん所に閉じ込められたものだ……な!!」
第六層に来られないサリーのためにと、何かスキルをプレゼントしようというメイプルの言葉に賛成したコウヨウ。途中まで幽霊を斬り裂いたり、殴り飛ばしていたのだが、メイプルと共に変なものに足を掴まれて2人で暗闇に閉じ込められた。
「【天王の玉座】!!」
「【悪霊退散】!!」
メイプルが光で幽霊を倒し、コウヨウがぶん殴って幽霊を倒す。どちらにせよ容赦は無い。途中、メイプルは腕を掴まれてダメージを受けたが、コウヨウは自分の戦いで少し精一杯だった。
「メイプル!? ダメージ入ってるぞ!?」
「【暴虐】!」
何とか化物になって掴んだ幽霊を引き離す。小さいのはメイプルが炎を吐けば何とかなるが、大きいのはコウヨウが殴らないと倒せなかった。
「珍しいな」
「油断しちゃった、ごめんなさい」
「無事ならいいさ」
そう言って彼はメイプルの頭を撫でる。メイプルは気を取り直して【全武装展開】を発動して、自身のテイムモンスターである亀、シロップにも命令する。
「シロップ【精霊砲】!!」
「私の右手が真っ赤に燃えるー、殴り飛ばせとイキリ立つー!」
「物騒だからやめような。ってかそんな台詞じゃないだろあの名言」
「お兄ちゃん、ムサシの斬撃が効かなかったらお兄ちゃんが倒さないとキリがないよ!」
「確かにそうだな。ムサシ、無理するなよ」
「ナグル」
「お前もかよ!?」
本当にお前達はテイムモンスターなのかというコウヨウの声に対して、ムサシは斬れる幽霊を斬り裂いて、無理なものはわらしが化物になって食べる。すり抜けてこちらに向かって来た幽霊はコウヨウが殴り飛ばして対処した。メイプルはシロップを守りながらも少しずつ倒していくが、HPが減っている事に変わりはなかった。
「メイプル、これやる!!」
コウヨウはメイプルにポーションを渡しながら、彼女を守る事にした。兄妹揃ってこんな所で死にたくは無い。ゲームなので多分街とかに戻されるとは思うのだが、何かのバグでこのまま一生閉じ込められるなんていう不安もあった。
「この前テレビでやってたぞ……興味本位で手を出したホラーゲームでゲームオーバーになったらその世界に閉じ込められて、自分も幽霊になる話を……」
「どうして今そういう事言っちゃうかなぁ!!?」
流石のメイプルも彼の話を聞いて恐怖した。まだ死にたくないし、今に関しては一刻も早くカナデに会いたい。コウヨウだってサリーに会いたいのだ。
「私だって死にたくはないよ!!」
「当たり前だ! 死にたくないならぶっ倒すぞコイツら!!」
結局HPはギリギリになったが何とか攻略した兄妹。【救いの手】というサリーにピッタリのスキルを渡したのだが、死者の手だったので返されたのは言うまでもない。
「お兄ちゃん……今日は一緒に寝よう」
「奇遇だなメイプル……俺もお前と寝たいって思ってた……」
現実世界では今日のクエストのせいもあり、本条兄妹が恐怖に見舞われながら2人で一緒に寝たのは言うまでもなかった。
「コウヨウ、僕のメイプルと一緒に寝たんだ……」
「カナデ落ち着け、兄妹だからセーフだ」
「いや、アウトだよ」
後日、カナデとサリーに蹴られたのは情けない二刀流である。