妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
「へぇ、美味しそうな人間ね」
「まさか吸血の女の子と戦うクエストがあるなんてな」
「貴方かなり良い血を持ってるのね、匂いで分かるわぁ」
「仮に血を吸われるとしても相手はサリーで充分だな」
コウヨウが釣りを休んで適当な廃墟に行くと、待っていたのは【カリスマ吸血姫】というクエスト。承認ボタンを押して喧嘩を売ると、そんな会話が繰り広げられた。
吸血姫はコウヨウに突っ込んで攻撃をしてくるが、彼はサリーから学んだ回避術でしっかりと避ける。すぐに刀で斬ったのだが、攻撃が通らない事に気がついた。
「おいコイツ攻撃無効かよ?」
「私には貴方の攻撃は効かないの……大人しく血を……」
「【悪霊退散】!!」
吸血姫の顔面目掛けてパンチしたコウヨウ。【悪霊退散】の効果でダメージが入る。
「へぇ……一体……なんなんだよ……その右手はああああ!!?」
「左手もだよ」
今度は左拳を彼女の顔にぶち当てる。その後、ムサシに乗り、彼女の攻撃を綺麗に避けながら交互に顔をぶん殴る。
「この……クソ野郎があああ!!」
「それがお前の正体か……まぁ、サリーもゲームに熱中したらそんな事言うけど……サリーの方が億千万くらいの差で可愛いな」
こう言いながらコウヨウは容赦なく顔面をぶん殴る。一回どころか二回くらい拳で女の子の顔を殴った彼にとって、情けは無用であった。
「敵だから殴る。それが武士道だ」
カスミが聞いたらドン引きするようなパワープレイ(武士道精神)で結局はコウヨウが勝利を収めたのだった。
「くそっ……お前を倒して……アイツの……娘の糧にしたかったのに……」
「誰かは分からんが糧にされるならサリーで充分だ……それにしても……アレだな。お前強かったな」
なんやかんや楽勝ではあったが、コウヨウの1撃を喰らっても負けない吸血鬼のHPに驚いた。
「仕方ない……人間。貴方にコレあげるわ」
「なんだこれ……スキル??」
☆
【浮遊】
空を縦横無尽に駆け回ることが出来る。
「普通に攻撃と複合出来るのは強いな」
「お兄ちゃん気持ち悪い」
「泣くよ?」
「「師匠(コウヨウさん)強すぎて怖いです」」
「じゃあやめるわ」
スキルを発動すると宙に浮いたコウヨウ。そのまま空中で回転斬りをしたのだが、不評である。そりゃそうだろうなとそれを見ていたクロムやイズがドン引きしている。
「私もいいスキル手に入ったよ!!」
「お、見せてくれるか?」
そう言うとメイプルはコウヨウの言葉に頷いてレーザーを4本浮かせた。そうして宙に浮いたレーザーが刃物のように素振りを始めるのを見るとカッコいいなと彼や双子は目を輝かせた。
それを端で見ていたクロム達はもう虚空を見るしか無かった。
「カスミ……俺は一体なんなんだろうな」
「大楯使いじゃないのか? いや……私も真の刀使いならコウヨウみたいに空を飛ぶべきか……」
☆
「第七回イベントは塔の攻略……ってこれコウヨウ1人でも良くない?」
「みんなで行こうぜ?」
「でも、ソロの方が報酬良いみたいだよ? お兄ちゃん1人でやってみたら? 出来なかったら私達も行けば良いと思うけど……」
メイプルの言葉に対してコウヨウは最初から3人で行った方が良いのではと伝えたが、メイプルは頷かない。何か理由でもあるのかと聞いてみると、驚きの答えが返ってきた。
「正直言うと……今回はサリーと組みたいなぁって」
「え? 私と?」
「そうか、なら仕方ないな」
メイプルの気持ちを彼は考えた。第六層ではホラーエリアというのもあり、メイプルやコウヨウがサリーとまともにクエストに行けない状況が続いたのだ。コウヨウと同じでメイプルだってサリーと一緒に遊ぶのは我慢していた。
「それなら俺は1人で行こう」
「コウヨウはそれで良いの?」
「妹の久しぶりの我儘だ、叶えとく」
「ごめんなさい……お兄ちゃん」
「謝るくらいなら一言礼をくれ」
コウヨウの言葉に少し笑顔でお礼を言ったメイプルである。