妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ)   作:初見さん

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 お久しぶりです。


二刀流とイベント3

「お前は一体何者だ、レリフル」

「ただの刀使いですの……そこまで警戒しないでくださいまし」

「別に、ハクが苦戦するくらいなら私も何も言わない……それくらい強いプレイヤーだって話なだけだからな。ただ私は、その刀をお前が持っている理由が知りたいだけだ」

「落ち着けー、侍女ー」

「演技はいらんぞ……お前、わらしだろう。何故知らぬ女についた?」

 

 レリフルは1つミスをした。モンスターを狩ろうと森の中に入ったまではよかった。白い蛇に会った所まではまだいい。だが、それをカスミのテイムモンスターであるハクと知らず斬り伏せようとした事が最大のミスであった。

 そのせいで彼女と会ってしまい、更には彼女から貰った刀の存在を知られてしまったのだ。それを何故か誤解したカスミに問い詰められるレリフルことコウヨウ。気づけよと思いながらも、レリフルは念の為にカスミに伝える。

 

「オーダーメイドでしてよ……なんて」

「となればイズの知り合いか? それでも、イズはその刀は唯一無二だと言っていたぞ。強さや珍しさはともかく、その刀は私専用……まではいかないが刀使いが持ちやすいものだからな」

「唯一無二ですか……流石イズさん……また、そんな大層なものを……」

「これは私があるプレイヤーに渡したものだ。忘れるわけがないだろ」

「私はそのプレイヤーに1勝するまでその刀を預けるつもりだったのだ。プレイヤーを本気で倒したいと心の底から思ったのはその刀を渡したコウヨウだけだ」

 

 逃げ場は無かった。カスミはレリフルに刀を向けたまま、自身の想いを、言葉を、彼女に返し続けるので、レリフルも逃げようとはしない。

 

「もう一度聞く。お前は何者だ? その刀を持っているという事は、コウヨウ……この持ち主と何か関係があるのか……あるいは……」

「そろそろ気づいてくれねぇかなぁ……」

「いや……アイツがこんな奴に倒されるわけ無いか」

「はぁ? 何ですって?」

「はっきり言うが、私はその刀の持ち主……コウヨウよりも強いプレイヤーを見たことも聞いたこともない。お前に倒されるプレイヤーでもない。あいつは今どこにいるかは知らないが……」

「コウヨウは負けない。どんな奴にも。例えあいつの妹や幼馴染でも、運営が悪ふざけで作ったモンスターにも、コウヨウは勝つ」

 

 そう言ってカスミはネットワークの乗っ取りかという結論を色濃くつける。随分ととんでもない犯罪話になったものだと、レリフル(コウヨウ)は笑ってしまう。

 

「はぁ……降参……だよ」

「ならば大人しく切られてもらう」

「それは……嫌かなぁ」

「犯罪を見過ごすわけには行かない。運営に通報……」

「分かった、外せばいいんだろ、外せば」

「お前……嘘……だろ?」

「今は【集う聖剣】の新人ですわよ。というか気づけよ」

 

 そう言って、彼女は仮面を取ったのだが、その時のカスミの顔は歴代トップクラスに喜怒哀楽がハッキリと分かった顔だったと後のコウヨウは語るのだった。

 

「喧嘩すんな2人ともー」

「してねぇですわ。カスミさんも気づいて下さいよ」

「コウヨウが……女の子……」

「違います」

「サリーやメイプルより……可愛い」

「やめろ」

「コウヨウ……私は男か?」

「ふざけないでくださいまし」

 

 ☆

 

「君、コウヨウでしょ」

「え? 誰ですの?」

「惚けなくていいよ。刀で分かるし。それ、カスミから貰ったやつでしょ? しかもそのベビーカーに乗ってるのわらしだし」

「どうして分かったー??」

「それに、そんなSTRとAGIなんてコウヨウ以外知らない」

「そんなプレイヤーならこの世界に何人かいらっしゃいますわよ」

「そんなわけないでしょ……とうとうどっちかのステータスが5桁いったんだね」

「それに、コウヨウがNWOの人口ごときで負けるわけ無いし」

「いや言いすぎだろ……一応桁は覚えてねぇけどよ。全く、流石のわたくしでも……完全記憶能力には勝てませんわね……久しぶり、カナデ」

「久しぶり、兄さん」

「誰が兄さんですの」

「義理のお兄ちゃんってメイプルが呼べって」

「仕方ありませんの、メイプル達の様子は?」

「死んでも良いなら戻ってくれば?」

 

 誤解などを解決した後、仕方なくある程度モンスターを2人で斬り倒してからカスミと分かれたその後、今度は別の大量のモンスターを相手にしていた【楓の木】所属のカナデが2人見えたので助太刀に入ったのだ。

 

「それにしてもお前が双子だったとはな」

「本気で言ってる?」

「良いテイムモンスターじゃないか。今度俺にも変身してくれよ」

「天変地異が起きるからやめとくね……ところで、コウヨウは出さないの?」

「出せない。まぁ、止められててな」

「誰に?」

「ペインさん」

「裏切り者」

 

 カナデのジト目に対して事情があると、モンスターを斬りながら抜けた後の話を整理してまとめた。カナデは最初からわけわからんとか意味わからんとか言いながら話を聞いていたが、最後には渋々理解した。

 

「戻ったらサリーとメイプルからお説教ね」

「分かった。だが、その前にサリーに謝りたい」

「まぁ……その話聞いてたらコウヨウだけのせいでも無さそうだから両成敗じゃない?」

「さぁな……そろそろ口調戻すか、誰が見てるか分かったものではありませんし」

「どこから出してるのその女性の声……」

「喉ですわ」

 

 コウヨウの新しい特技を知ったカナデ。声を変えられる事に感心しながらも、そのからくりが気になって仕方がない。それでも、コウヨウは……レリフルは気にせずモンスターを刀1本で斬り刻む。

 

「あの大きいモンスターだけ厄介ですわね」

「魔法で何とかなるなら撃とうかな」

「【多重水弾】!! あ、効きますわね」

「え? コウヨウ魔法使えるの……?」

「今はレリフルですわ。この装備限定ですけどこの魔法だけは使えますのよ」

「魔法使えるコウヨウとかもう勝てる気しないんだけど」

 

 意地でもコウヨウと言い張るカナデに、せめて【楓の木】にだけはレリフルと言ってくれと頼み込んだ。結局、この戦いでは2人の脅威となる敵は全く存在しなかったのである。

 

「俺は別の場所に行きますわ、協力も大事ですけど、モンスターの数が重要ですし」

「僕もコウヨ……レリフルといたらモンスターを倒せなさそうだから別の場所に行くよ……それじゃあね、最強の二刀流釣り師お嬢様」

「オプションが増えましたの!?」

 

 ☆

 

「あれ……カナデとカスミからメッセージだ……珍しい……」

 

 サリーはフィールドのモンスターを狩りながら歩いていた。走ってみんなと会っても良いのだが、そんな気は起きない。コウヨウがいない日が続き、精神的に限界がきていたのだ。

 そんな中で届いたメッセージ。サリーはそれを見ると、驚いて目を大きくした。そこに書いていたのは……

 

『サリー、私からは何も言えないが、一言だけ伝えておく。ゲームばかりしてないでコウヨウに謝らないとダメだぞ』

『サリーへ、ゲームばかりしてないで兄さんにも構ってあげて。後、兄さん心配してたよ』

 

「な、何……これ? ってか、急にこのメッセージって……もしかして……」

 

 サリーは疑問を抱きながらも、恐らく2人はコウヨウに会った事は事実であるだろうと確信した。それと同時に、このメッセージの意図を必死で探る彼女。そうして……

 

「やっぱり私がコウヨウに構わなかったから猫のように逃げたんだ……」

 

 目を赤くしながら大粒の涙を溢して、コウヨウに自分の行いを謝ろうと思ったサリーである。因みにコウヨウはサリーが構ってくれないことも原因だが、本来はムサシの為にが1番の原因である事をサリーは知らない。というか猫扱いされてる事もコウヨウは知らない。

 




 コウヨウ(猫)
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