妹と幼馴染が強すぎるので、釣りと料理スキルに極振りしたかったです(手遅れ) 作:初見さん
運営が今回のイベントを振り返っている事をNWOプレイヤー全員が知らない話である。
「番狂わせは無さそうだな」
「あぁ、ただ、一つ言いたいことがあるんだが……」
「なんだ?」
「何でコウヨウは女装してるんだ!?」
「しかもあんなテイムモンスター作った記憶ないぞ!?」
「コウヨウは普通に自分の娘だと強調してるけど普通の娘はモンスターを食べないだろ!?」
運営が全員突っ込んだのはコウヨウの女装ことレリフルとたまにこっそり化け物になってる娘(わらし)である。姿形は確実に違うし、お嬢様口調だし、仮面被ってるし……だが、たった一つ分かるのはレリフル(コウヨウ)はそのままのステータスであることだ。
「とうとうあいつもレベルMAXか……」
「STR10000だとよ。AGIも5000か……もうこのゲームバランス崩壊してるの9割コイツじゃねぇか?」
「メイプルやサリーも大概だろ……でも、予選は通過してるがあまり上位では無いんだな」
これもペイン達【集う聖剣】とコウヨウの作戦だった。かなりの上位に入るとレリフルと名乗ってはいるが、コウヨウと言う正式なプレイヤー名が運営を通して知られてしまう。【楓の木】数人にはバレたが、あまり知られない方がいいだろうとペインはコウヨウに改めて伝えた。
難易度は最高難易度参加に変わりはないが、コウヨウが順位は低くさせたのは運営も知らなかった。
「それもあるが、メイプルがまた意味わからんことしてるんだが……」
「何で喰われてるんだ!?」
「もう、コウヨウ含めてやばい奴らしかいないだろ」
「本戦モンスターなら多分大丈夫だと……信じたい」
「せめてやばい奴らの1人は倒せるくらいのレベルにしてやろう」
そう言って運営達は解散したのであった。
☆
「サリー、コウヨウには会えたか?」
「うん……でも……まだ言えない……」
「女装していたとはいえ、見つけたのなら声くらいかけるべきだったんじゃないか?」
「コウヨウ……多分凄く怒ってるから……」
「怒ってはいないと思うよ。それでも、僕はコウヨウには少しばかり謝らないとダメだと思うな」
「コウヨウが我儘言っていた事をサリーにも今伝えただろう?」
あの日、カスミはコウヨウと会った。レリフルと言う名で仮面を外したが、顔はコウヨウそのものである。カスミは怒った。一言ものを申したかったから、純粋に彼に怒った。
『コウヨウ、お前は一体何をしているんだ!! サリーを泣かせて、【楓の木】から抜け出して……一体何を……』
『一言言うなら……本気で勝たないといけない奴がいる。後、サリーが構ってくれないから拗ねました』
『お前……そ、そんな……そんな理由で……』
『俺にとって……大事な話です。割と前まではみんなは本気でこのゲームをやってて……みんなの意識についていけなかったんです』
そう言って、コウヨウは涙を流した。今言ったことは全て事実だ。コウヨウはムサシのお願いを聞いて後に倒さないといけないモンスターを倒すために鍛えたのもあるが、サリーが構ってくれないことやら、少しばかり本気でゲームをしているギルドの人達と自分ではギャップがあった。
『サリーに関してはせっかく昔から愛していた幼馴染と結ばれたのに……ゲームに……NWOに取られたんです……俺はそれが嫌でした』
『コウヨウ……お前……』
『それでも、俺はサリーとメイプル。3人で楽しくゲームをしたかったのは事実……それを思い出させてくれたのは割とムサシがいたおかげでもあります。だから……』
『少なくとも俺が強くなるまで【楓の木】には戻りません。メイプルが全部それを聞いて知ってて俺をどうしようが俺には関係ない。何なら最悪【楓の木】に戻らなくても良い』
『俺は今依頼を受けているので、それを解決するまで俺は強くなる』
それでも絶対に自分は礼を返してから帰る。そしてサリーに謝るとカスミに伝えた。
「コウヨウは私たちが何を言ってもサリーにだけは謝る気だ。あいつは自分のした事を理解して、悔やみ、反省し、それでもなお自分が正しいと思ったことに動いている」
「それが褒められた事じゃないのはコウヨウも知ってると思うけど……打算とかその場の感情で動いているわけじゃないのは僕も分かるよ……まぁ、ギルドを抜けたのはちょっとだけ許せないけどね」
「私は……コウヨウもそうだけど……みんなにも謝らないと……コウヨウが抜けたのは、私のせいでもあるし……」
そう言いながらサリーは2人に伝える、本戦でコウヨウと会ったら教えて欲しいと。2人きりにして欲しいと。
「コウヨウと仲直りしたら、今度【楓の木】全員で、アイツに本気で切り裂いてやろう……それでチャラにする」
「僕達がコウヨウに勝てるの?」
「最悪メイプルがビンタしてくれればいいさ」
「コウヨウは私が殴るから……大丈夫!」
そう言ってサリーについていた心の重りはほんの少しだけ、取れたという……
「んで……カナデ、お前はメイプルと何を隠しているんだ?」
「兄さんの生き様を見守らないといけないんだ。だからごめん、核心は言えない」
「そうか……だが、どうしようもなければ言ってくれ」
「うん。約束するよ」
☆
「サリーに謝りたい、好きって言いたい、愛してるって言いたい……フレデリカさん……サリーに会いたいです」
「我慢しなさい……ってかあんた本当にサリーが大好きね!!?」
「サリー……愛してるぜ!!」
「本当に……こっちが恥ずかしくて死ぬからやめて!!?」
「サリー好き、好き、愛してる……あぁ……サリー……デートしろぉぉぉぉ!!」
「うるさいわねぇ!!?」
「なぁ、ペイン良いのかあれ……放っておいて……」
「素晴らしい愛じゃないか。あのコウヨウがここまで愛した女性を俺は羨ましく思うがな」
「まぁ、確かに……彼女は欲しいけど……あそこまで愛せる自信がねぇな……」
「お前にはフレデリカがいるだろう?」
「え? 何でだ?」
「「ドラグは鈍感なんだな」」
一方で、コウヨウは【集う聖剣】の中でサリーの事をただ一筋に愛していて、ずっとサリーの話をしていたのは【楓の木】が知る由もない。
コウヨウの情緒不安定物語。