ブルアカ×ゴジュウジャー キヴォトスナンバーワンバトル! 作:伊勢村誠三
ドアにシャーレのエンブレムの刻まれた黒い四駆が砂に沈んだ現代都市を進む。
吠、陸王、竜儀の三人は
「なあ、本当にこの道であってんのか?」
道に迷っていた。
というのも一応前情報で公共交通機関は軒並み死んでおり、地図も数年前から自治区その物を悩ませている砂漠化現象のせいであまり当てにできないとは承知していた。
が、これほどとは思っていなかったため、大の大人三人そろって似たような道をグルグル巡って既に三時間が経過してしまっている。
「マップ通りなら何とかあと30分程度で着けるはずなんだが、帰りの燃料が持つか微妙だな」
ハンドルを握る竜儀が渋い声で告げる。
窓の外を見る限り砂と無人の家とシャッターのしまった店しか無いこんなところで立ち往生など本当に笑えない。
「適当なところに車とめて歩くか?」
「いや、それで盗まれたりしたら本当にどうしようもなくならない?」
「つってもこんなところに人なんて……居た。
おい竜儀! 左の通りだ!」
「本当か? 信じるぞ」
竜儀が吠の言ったとおりの方向にハンドルを切ると、確かに人がいた。
青いマフラーをなびかせた灰銀色の髪の少女がマウンテンバイクを漕いでいる。
しかも来ている服は事前に調べておいたアビドス高校の制服だ。
「ねえ! そこの流れる汗もサファイアのような君! ちょっといいかな!?」
窓を開けた陸王の気障な呼びかけにブレーキをかけて少女が振り返った。
竜儀がその横に車を着ける。
「やあ、はじめまして。
僕らは連邦捜査部シャーレから来たんだけど、道に迷っちゃってさ。
君さえ良ければアビドス高校まで案内して欲しいんだ」
シロコは一瞬怪しむような視線を見せたが、ドアにペイントされたエンブレムが連邦生徒会共通の意匠と正式採用品に使われるのと同じ塗装方法だと確認すると警戒を解いた。
「へえ、じゃあ久しぶりのお客さんだ」
「やっぱその制服、アビドスの生徒だったのか」
「ん、二年の砂狼シロコ。あなた達は?」
「俺はシャーレ顧問の遠野吠」
「同じく副顧問の百夜陸王だよ♪」
「暴神竜儀だ」
カンタンに自己紹介を済ませると、竜儀はハンドルのボタンを操作して後ろのドアを開けた。
「どこまでの距離か分からんが、案内してくれる以上乗っていけ。
まだ荷台には余裕はあったはずだ」
「分かった」
シロコは荷台に自転車を乗せると空いていた助手席に座って三人を案内した。
「ここか」
辿り着いた学校は建物だけならそれなりの物だった。
ミレニアムやトリニティのような規模ではないが、多分キヴォトス全体で見ても中の上程度は硬いだろうが……道中見て来たゴーストタウンの一部と言われて納得するレベルで人の気配を感じない。
「本当に生徒が居ないんだね」
「私以外にあと四人しかいない」
「なあ、アヤネってやつからの手紙の内容的に最初に連邦生徒会に要請出した時はまだ連邦生徒会長失踪して無かったんだよな」
「そう。けど結局返事さえなかった。
吠先生たちが来てくれるまで、長かった」
そう語るシロコから察せられる苦労に何か言おうとした時に銃声が響き、四駆が真赤な炎を噴き上げて吹き飛んだ。
思わず頭を守って伏せた四人だが、直ぐに振り向き戦闘態勢を取る。
「今日こそ校舎を明け渡してもらうぜ!
アタシらカタカタヘルメット団によぉ!」
「イイイ──ーッハァ────────!」
「あいつ等……性懲りもなく!」
「シロコ、例の四人も戦えるんなら呼んで来い。
時間は俺たちで稼ぐ」
「え? でも先生たちにはヘイローが……」
「そんな物、テガソード様のかごの前には無用の長物……いくぞ!」
竜儀が投げた閃光手榴弾が炸裂する。
全員が目を伏せた隙に三人は金のテガソードとゴジュウジャーのリングを構え、
「「「エンゲージ!」」」
走りながらクラップし、トリガーを押し込む。
出現した三つの金色のリングがマスクとバトルスーツを形成。
<ゴジュウウルフ!>
<ゴジュウレオン!>
<ゴジュウティラノ!>
「な、なんだアイツら!?」
「怯むな! 武器は剣だ! 近づかれる前にハチの巣にしてやれ!」
どうやらただでさえ人の少ないアビドス砂漠まではユニバース戦士の噂は届いていないらしい。
「それじゃあ、最初から盛り上がって行こうか。竜儀!」
「分かっている!」
レオンとティラノはそれぞれテガソードブルーとテガソードイエローの指輪を使い、固有武器を呼び出す。
<レオンバスター50!>
<ティラノハンマー50!>
「はぁっ!」
「てぃいいいらぁあああ──ーッ!!!」
レオンの弾幕に、ティラノの指輪能力『ナンバーワン怪力』を上乗せしたハンマーの衝撃波に一気に吹き飛ばされるヘルメット団たち。
「折角だ。新しい指輪、試させてもらうぜ」
追い打ちとばかりにウルフはツメガバックルからセンタイリングを取り出し、エンゲージする。
<ドンブラザーズ!>
額の桃の飾りにサングラスのようなバイザー、丁髷の意匠とサムライのような戦士、ドンモモタロウへと姿を変えた吠は犬、猿、雉の折り紙を取り出す。
「
意志をもって動き出した折り紙の兵隊に右往左往するヘルメット団たち。
「よし、このまま一気に……」
「ん? 待て! 伏せるんだ!」
レオンが何かに気付いて空を見上げ、物陰に飛びこんだ。
直後、飛んで来た何かに太陽を遮られ、影が落ちる。
慌ててウルフとティラノもそれぞれ防御の構えを取る。
<イーグル! アローシューティング!>
無数の緑色の矢が降り注いだ。
「新手か?」
降り立ったのは翼人のように緑の羽を背中から生やしたゴジュウジャーだった。
「全く……学園校舎の真ん前で銃撃戦とは!
昭和の学生闘争でももう少し大人しかったぞ!」
「何だテメェは! いきなり出てきて説教かましやがって!」
「そうよ!」
銃声と同時に乱入者……ゴジュウイーグルがつんのめる。
見ると、校門の方から重火器を持ったシロコと、シロコと同じ制服の少女たちが走って来る。
「お待たせ先生たち……でいいんだよね」
「ナイスタイミングだよシロコちゃん」
「なに? 連邦生徒会はいつからヘンテココスプレ集団になったわけ!?」
「貴様! テガソード様より賜った戦う姿をヘンテココスプレと言ったか!?」
「お前らそれやる今じゃねえだろ。
どうすんだ? 手下はボロボロ、場は荒れててしっちゃかめっちゃか。
退くなら今なんじゃねえか?」
ウルフの問いかけにリーダー格らしくヘルメットは、フルフェイスのせいで表情は見えないが、悔しさを隠そうともせず、地べたを舐める手下たちの手を取って走り去った。
「さて……貴様、何者だ?」
唯一いなくならなかったゴジュウイーグルに視線が集中する。
彼はテガソードから指輪を引き抜きエンゲージを解除した。
現れたのは……
「おじいちゃん!?」
どう見ても齢80はいってるだろう老人だった。
「……お初にお目にかかる。
儂は、猛原
以後、よろしくお頼みもうす……」
深々と頭を下げる老人に一同は困惑するばかりであった。
「くそ! アビドスの連中め!
今更変な大人に媚び売って抵抗しやがって!」
アジトに戻ったヘルメット団の団長は荒れていた。
支援の手もなく、もう少しでまともな校舎を手に入れることが、今よりももっといい生活ができるようになると思ったその時になって現れた邪魔な大人たちへの怒りに突き動かされるままに壁に当たり散らす。
「いつだって大人はジャマばかり……なんなんだよ!」
もう一度壁を蹴ったその時、彼女の足元に金色の何かが転がり落ちた。
「え? これってあいつらが使ってた……」
彼女が拾い上げたユニバース
〇キャラクタープロフィール
名前:猛原譲二
学園:なし
部活:なし
学年:大人の為、なし
年齢:87歳
誕生日:?月?日(?座)
身長:175㎝
趣味:最近はスマホ
演者:小林正樹
所持指輪:ゴジュウイーグル、テガソードグリーン(第五話時点)