ブルアカ×ゴジュウジャー キヴォトスナンバーワンバトル! 作:伊勢村誠三
アビドスの乾いた空気と青空の下。
緑色の弓が風を切り、十数メートル離れた場所に置かれた板を撃ち抜く。
「よし!ど真ん中!」
個人所有の武器としてイーグルシューター50を登録した禽次郎は学籍を得た以上生身での扱いも練習していた。
アビドス高校の校庭で。
「ん、お疲れ禽ちゃん先輩。はい、タオル」
「おお、ありがとうロコチ!」
衝撃の借金が明かされたヘルメット団追撃作戦から一夜明け、猛原禽次郎は未だアビドスに留まっていた。
あの場で吠に直談判してシャーレ部員の学籍を得てそのままアビドス係に立候補したからだ。
「……物好きな爺さん。
もう一回青春がしたいならこんないつ廃校になるともわからない学校にしなくてもいいのに」
今度一緒にサイクリングに行こう、ジムに行こうと話している禽次郎とシロコを遠目に眺めながらセリカは未だ禽次郎……もっと言えばシャーレの介入を認められずにいた。
今まで自分たちの力で終わるとも知れぬ戦いをしてきた。
それなのに何度助けを乞うてもこなかったくせに今更着た挙句既に仲間のようなかオオをしているのが端的に言って気に食わないのだ。
禽次郎の実年齢を知らなかったらもっと激しく食って掛かってもおかしくなかっただろう。
流石に老人相手に本気で怒鳴る気にはならない。
「モヤモヤする……」
そうつぶやいて去っていくセリカにシロコと禽次郎は気付いていた。
「やっぱりまだ心を開いてはくれんか」
「ごめんね禽ちゃん先輩。セリカも禽ちゃん先輩だからあんな態度な訳じゃなくて……」
「儂が本質的には大人だから」
先ほどまでの次は何をしようかと好奇心を輝かせていた瞳は八十七年の時間を生きた譲二のそれになっている。
「儂にも覚えがある。
若返りでもしなかったら頑固爺の卒業なんてできなったじゃろう」
だが、と前置きして禽次郎は堂々と宣言した。
「結局この学校がどうなろうと、最後に残るのは人と人との縁だ。
だから儂の卒業を笑って見送ってくれるぐらいに仲良くなってみせる!」
「きっと大変だよ」
「全くノープロブレム
頑固爺は卒業したが、昭和の美徳まで捨てたつもりはない!
地道にこつこつやってくさ。
あ、そうだロコチ。
昭和で思い出したが、この前昔の雑誌の裏表紙に載っていたようなトレーニング器具を見つけてな……」
「何それ気になる」
以外とチューニングが合うのか話を弾ませながら二人は校舎に戻った。
「どこに行っても砂、廃墟、ヘルメットに不良にガラの悪いロボ!
駄目だ!なんの手がかりもねえ」
数日後。
吠と陸王はアビドスに赴いていた。
別にアビドスの生徒たちを信じていない訳ではなかったのだが、公的な捜査機関である以上持ち込まれた相談事の裏どりが必要だったからだ。
「ただまあ……これだけ砂漠化が原因不明で歯止めも聞かないともなればアビドス高校二闇金ぐらいしかお金貸してくれるところが無かったのも納得かな」
「だな。なあ、お前や竜儀は俺よりも前にキヴォトスに来てたんだろ?
こうゆうのに心当たりないのか?」
「そうだね……もしかしたら何か記述があるかも程度の淡い期待だけど、トリニティぐらい古い歴史のある学校だったらかつてのアビドスに関する資料もあるかも。
昔はアビドスもマンモス校だったらしいから、政治闘争の一環で調査や警戒ぐらいはしてただろうし」
「とは言え他所の自治区で災害の調査やってるレベルじゃねえだろうし、手詰まりか?」
原因不明の災害をどうにかするより阿漕な借金をどうにか現実的なレベルに落とし込む方が速い気がしてきた吠と陸王は一軒のラーメン屋の前に来た。
「紫関ラーメン、か。腹減ったし寄ってくか」
「他に飲食店もなさそうだしね」
そう言って二人がのれんをくぐると
「いらっしゃいませ、柴関ラーメ、ん、で……す」
「お前、アビドスの一年の……」
「やあセリカちゃん!素敵なユニフォームだね。
もしかして、制服でバイト選ぶタイプ?」
「な、な、なんで!?どうしてここに……!?」
「腹減ったからだよ。一番安いの二杯頼む」
そう言って吠は適当にカウンター席に腰かけた。
センタイリングの所持状況
吠:ウルフ、レッド、01、47
陸王:レオン、ブルー、49
竜儀:ティラノ、イエロー、??
猛原:イーグル、グリーン
??:???、???、33、39、??