ブルアカ×ゴジュウジャー キヴォトスナンバーワンバトル!   作:伊勢村誠三

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まじですみぽよ何処で出したらええねん


第九話 狙われた黒見セリカ

「俺もアルバイター時代ここで働きたかったな」

 

提供された紫関ラーメンを啜り吠は呟いた。

立地はアビドスにしては良く、一年のセリカが元気に働けている所を見るに悪い場所でもないのだろう。

店主も気さくで、セリカの知り合いならばとサービスしてくれるというが、公的機関の調査員という体で来ている以上そう言った事を受けるわけにはいかなく断ったが、とても親切だ。

 

「はいお水。吠先生が首になってたのはその口調と無愛想が原因じゃないの?」

 

「単純作業みたいな仕事はしなかったの?

あれなら愛想とか関係ないと思うけど」

 

「一回やったけど心を殺して何かを続けるのが逃げ回ってた昔を思い出すから辞めた」

 

そう言ってなんてことない様に麺を啜る吠にセリカと陸王は黙り込んでしまう。

 

「……ごめんなさい(ごめん吠くん)」

 

「チャーシュー一枚で勘弁してやる」

 

そういって陸王のラーメンに箸を伸ばす吠だが、陸王はそれを右手で制すると

 

「マスター、吠くんにトッピングチェ―シュ―三枚と餃子一皿追加で」

 

「お代は半分バイト代からひいといて!」

 

「いいのかお前ら?返さねえぞ?」

 

「餃子一個だけちょうだい」

 

「一個だけだからな?」

 

吠としては大したことを言ったつもりはなかったらしく、新たに出て来たチャーシューと餃子に目を奪われる。

 

(……こうしてみてると、なんか禽次郎先輩とは逆ね)

 

ここ数日の付き合いだが、現代の青春にいつもキラキラと目を輝かせながらも時折成熟した大人のやんちゃする子供を見守るような視線を寄越す禽次郎と、どこか諦めたような鋭い視線で物事を見つめながらもふとした瞬間に子どのような純粋さを見せる吠はとても対照的に思える。

 

「ねえ吠先生。

どうして吠先生はアビドスの救援の手紙を読んできてくれたの?」

 

「あ?んなもん仕事に決まってんだと?

この前ノアに教えてもらった言葉だけど、人間霞を食んでは生きていけねえんだからな。

嘘でも何でも一回その内容がマジか調べてからじゃねえと給料はねられちまう」

 

「吠君はストレートだね。

アヤネちゃんの手紙から必死さが伝わったとかリップサービスでもないわけ?」

 

「なんも特別なことじゃねえだろ。

嘘だったら帰る。マジだったら助ける。

今回は休みの日もコツコツバイトして自分の居たい場所守りたいってやつらがマジにいたから助けた。

それがシャーレらしいからな」

 

「……なにそれ」

 

「大した人生送ってねえけど居たい場所に居れない辛さだけはそれなりに分かってるつもりってだけだよ。

ほら、そろそろ戻れよ。俺に陸王と驕った分稼がなきゃだろ?」

 

「言われなくてもそうするわ」

 

そう言って別の客の所に向かうセリカの姿には、バイトモードなのを差し引ても以前まで感じた棘はなかった。

 


 

「お疲れ様でしたー!」

 

夜、バイトを終えたセリカは帰路についていた。

 

(吠先生、逃げ回る生活してたとか言ってたけど、まだ二十歳ぐらいよね?

学校とか、ちゃんと行ってたのかな?)

 

キヴォトスの外のことに明るくはないが、信じがたいことにほとんどの国で誰もが銃を持ち歩いている訳ではなく、必然的に乱暴な喧嘩で鉛玉が飛び交う事はないという。

そんな世界で心を殺して荷が回らなければならないこととはなんだろうか?

 

(いやいや!なにほだされてるのよ黒見セリカ!

今大事なのは、アビドスを立て直すこと!

もっと頑張って、治安を戻して、人を戻して、きっといつか……)

 

「おい」

 

すっかりさびれた人気のない街中でセリカ以外のどすの効いた声がした。

見るとヘルメット団らしき生徒が居た。

数は1人。

セリカは愛銃シンシアリティを構える。

 

「カタカタヘルメット団……あんだけボッコボコにしてやったのに性懲りもないわね!

二度とこの辺りに足を踏み入れられない様にしてやるわ――ッ!」

 

そう叫ぶが速いが引き金を引くが、放たれた鉛玉は一発残らずヘルメット団員が構えた銀のテガソードに阻まれた。

 

「その武器、まさか!」

 

「エンゲージ!」

 

<センタイリング!>

 

待機音を待って顔の右横で一回クラップ、ステップを踏んで左横で二回クラップ。

腰の右横でためを作って一回クラップ、正面に突き出したテガソードを二回クラップして左手を残し、大きく後ろに引く。

 

<ゴーカイジャー!>

 

赤い海賊を模したパワードスーツが装着され、ユニバース・ゴーカイレッドへの変身が完了した。

 

(これって吠先生たちと同じ……いえ!前に戦った時に使わなかったってことは手に入れてから日の浅い……使いこなせてない武器の筈!

冷静に対処すれば逃げ切るぐらい!)

 

そう考えるが早いが引き金を引くセリカだったが、ユニバース・ゴーカイレッドは全弾銀のテガソードで受けると、ワイヤーアンカーを投げてセリカの脚をひっかけると引き寄せる。

 

「し、しま!」

 

<ファ~~イナルウェイ~~ブ!>

 

持ち替えたゴーカイサーベルで腹部を一閃されてセリカは気を失った。

 

「はっ!いい様だな、アビドスのクソネコ!

さーて、それじゃあ……」

 

ユニバース・ゴーカイレッドが気を失ったセリカに手をかざすと、その姿が銀一色の小さな人形のようなそれに変わる。

 

「待ってろよ……他の連中も全員同じ目に逢わせてやるからな」

 

確かな復讐心と野心をにじませながらエンゲージを解除したヘルメット団員はその場を去って行った。




現シャーレ内での役職
顧問:遠野吠
副顧問:百夜陸王(宣伝係兼任)
副顧問:暴神竜儀(第二カフェテガソードの里店長兼任)
アビドス係:猛原禽次郎
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