・大会まで
「とりあえず大会のエントリーは済ませたから」
「ありがとうございます。」
気は進まないが顧問の荒木先生に事務連絡を済ませる
「まぁ、これも教師の仕事って奴だ。ここで仕事しないのも『俺の理想』に反するしな」
「はぁ」
「あとなんかこの大会今回で最後らしいな」
「なにか今年中にオンラインVRゲームサービスの形に移行するそうですね」
ガンプラバトルのシステムの根幹の『プラフスキー粒子』は今でこそ落ち着いているが、一時期は暴走だの、それを利用するガンプラマフィアとか言う犯罪組織が出てきたりと、かなり大きな騒動があった歴史を持つ
そうでなくても、ガンプラを直接動かす都合、関節パーツの磨耗は著しく頻繁な修理交換が必要。
全国大会ともなればダメージレベルA、つまりモデルがパーツ分割を考慮しない形で破損する(プラそのものが割れてしまう)
大破すればほぼ修理と言うより再制作レベルだし、必要なキットがあれば購入が必要でお金もかかる。
甲子園とかもそうかもしれないが、資金力と学校側の理解がある強豪校が必然的に有利な悪く言えば「リッチマンズ・レギュレーション」だと思う
これからVRゲームに移行するのも遊び方を広げる以外にも、ここら辺の「破損を気にしなくて良いバトル」を目指しているのかもしれない
「顧問として最低限の大会の引率はするから、君たちも「学校の代表」だという意識を持ってくれよ」
「いやそこまで気張らなくても…」
「だめだ。どの部活も立場は一緒なんだ。教師の私の引率がある以上学校の代表だ」
「………」
つまり「引率の私」の面子を立てろってことか?
こう、言ってることは決して間違ってはいないんだろうが、必要以上に物事を固く考えるというか。ルールに従っている自分偉い、感と言うか。
やっぱりこの先生苦手だ
・それぞれの機体
「じゃあそれぞれ考えてきた愛機のコンセプト?を言っていこう~」
半ば部室と化している祖父宅ガレージで新城先輩が声をあげる。
この前のバトルの体験をベースに改造の考えを話し合う。
なんだかんだ先輩たちは芸能活動もあり、夏休み前には大会予選も始まってしまう。なので色々なキットを作る時間もないので、作ったキットを改良していく形で進めて行くことになった。
「あたしはストライクフリーダムベースで羽根をフリーダムのヤツに戻す感じで考えてる」
ファンネル無理だ~、とだらけながらぼやく新城先輩。
「ということはやっぱり射撃メインで?」
「うん。ぶっぱなすの好きだった!!」
分かりやすく楽しかった戦い方を選んだ感じだ。
「私はインフィニットジャスティスで近接戦メインを考えてる」
ソードインパルスの剣持たせたいな、と言う常磐先輩。
こちらは動かした時に感じた適正で選んだようだ。
そして自分は
「色々考えたんですが、今回はデスティニーを防御やサポート寄りの改造をするつもりです」
「え~。もっとガンガンいこうよ~」
「うん。私たちの活動のこととか気にしなくていいよ?」
たしかに最初はもっと違う形を考えていた。
だけど、元々先輩たちの芸能活動の後押しが目的のようなものだし、自分が前に出るのはちょっと違うかな?と感じたのだ。
まぁそれ以前に、今の自分では理想のデスティニーをビルダーとして造ってもファイターとしてまっったく生かせそうにないことを痛感したのも大きい。確実に自分の機動性に振り回されて終わる。
「まぁまぁ、他にしたいことって何かあります?」
「じゃあオリジナルのチームマークみたいの作りたい!!」
「たしかにここの設備なら水転写デカールは印刷できますね」
「実は仕事の待ち時間とかにイラスト描いてて」
常磐先輩が見せてくれたのはSEED DESTINY作中に出てきたFAITHの徽章の羽を背に生やした妖精のデザインだった
「良いですね。作品に出てきた物を上手く使ってますね」
「ではこれをあたしたちのチームマークにします!!」
これがこの後若干呪物っぽくなるのはこの時はだれも思わなかった