puruuuu puruuuu
携帯から虚しくコール音が響く
今日はガンプラバトル大会の地区予選の当日
集合場所の会場前の広場で自分は途方に暮れ、先生は顔を真っ赤にして激怒の様相を呈していた
先輩二人がいつまでたっても来ない。先ほどから電話も掛けているが全くでない
「おい!どっちか電話出たか!」
「いえ。留守電にもなっていなくて」
「一体どうなっている!?」
「とりあえず会場行きましょう。登録は二人いなくても出来るかもしれないですし」
しかし、その希望も虚しく大会は不戦敗となったのだった
・・・・・・・・
祖父の家に戻って今までガンプラに手を出して製作できていなかったスケールモデルに手を出しながら先輩二人の連絡を待っていた。
何だかんだで部活、というかガンプラの方に作業時間を捕られていたんだなー、なんて思いながら少し寂しい感じにもなっていた。
今調べるとなんかFAITHの権限持ってたキャラは殆どろくな結果になっていなくってネットでは「呪い」とか言われていた。
なんて思っていると玄関のチャイムがなった。
出ると俯いて声のない先輩二人が立っていた。
かなり気まずそうにして自分の発言を待っている感じだった。
「…まあ、上がってください。色々聞きたいですし」
「…うん」
「…ごめん」
はぁ…なんか此方が悪いことしてるみたいだな。
二人を居間に上げてからお茶を淹れる。その間も無言で、かなり空気が凍っていた。
「…それでどうして今日の大会いきなりドタキャンなんてことになったんですか?」
「それは……」
「昨日の深夜に事務所から…」
聞いていくとなんとも言えないことになっていた。
昨日の深夜、先輩たちが所属する事務所からいきなり連絡が来たそうだ。
内容が「複数事務所合同のアイドルグループプロジェクトの書類選考に二人が通った」というもの。そもそもそんなプロジェクトの選考に自分達が乗せられていることも知らなかった二人は困惑するしか無かったし、常磐先輩なんかは報・連・相が無かったマネージャーにかなり怒っていたとのこと。
だが問題はここからだった。
このプロジェクトのメインプロデューサーは業界でもかなり実績のある年配の方が就いていたそうで、所謂「古い業界人」だったそう。
そんな人が言い出したのが「通知の翌日の早朝に対面の面接をする」なんていう無茶だった。なんたって通知その物が来たのも11時を回っていたのだと言うのだ。
自分の言うことを聞くかどうか、等と言う昭和のバブルから抜け出せていないような考えをしていて自分は驚いたが、先輩たちが言うに程度の大小は有れど、此の手の考えをもっている人間は多いとのこと。芸能界怖い。
事務所としては、今まで金がなく「地域密着」といって全国的な活動等夢のまた夢だった現状を変えられるとしてかなり無理してでもこの企画に参加したいと、二人に話を通さず話を進めて行った。
そして、実際に参加のチャンスが出てきてから話してきたのだ。
「いやいや、なんすかそれ?未成年タレント扱う事務所としてかなりアウトなんでは?」
「まぁかなりアウトかな」
「そこで携帯捕られて連絡できなくて、そのまま移動の車に乗せられて現場に連れられた感じかな」
いやいや、と思いながら二人を見るとなんか決意の決まった顔になっていた。
あぁ。そういうことですか。
「つまり二人とも何だかんだ言ってもこれに参加したいと」
「そうだね。実際活躍の幅と言うか、規模は確実に広がるから…」
「この部活の活動は完全に無駄になっちゃうんだけど…」
「良いんじゃないですか?」
「「えっ」」
なんか驚かれた。なんで?
「いや、まぁ今回のドタキャンに怒ってないっていったら嘘ですけど、元々芸能活動のためって聞いてましたし、ぶっちゃけガンプラアイドルって『売り方古っ』って思ってましたし」
ガンプラアイドルが悪いとは全く思わないが、アイドルに疎い自分でもちらほら有名処の名前を知っている。
定石と言えば良く聞こえるけど新鮮味もないし、ライバルも強いし数も多いと思う。
「自分としては部活より芸能活動を優先するのは理解できます。それに聞く限り今回かなり事務所側が強引ですし」
「先輩二人をこれ以上攻めるつもりはないです」
それを聞くと先輩二人は声を殺して泣き始めてしまった。
ただ、なんか先生がかなり機嫌悪くしてたんだよなぁ…
月曜日どうなることやら…