今日も今日とていつもどおり学校に登校する。俺の名前は神原 晴翔。一般高校生でなにひとつ特筆することのない平凡な学生だ。
そんな俺には夢がある。
そう、ヒーローだ。
この世界には怪人と呼ばれる謎の化物がどこからともなく現れる。毎日毎日どっかから湧いて出てきては事件を起こしまくっては被害を出す。もちろんその分被害者も出てくる訳で、俺もあの日、焼け落ちる建物の中で泣きながら叫んでいた。
───黒煙にむせ返り、逃げ場もない。どこからか聞こえてくる呻き声に背筋が凍りついたその時…
真紅のヒーローが炎を裂いて現れた。
そのヒーローこそが俺のことを救ってくれた正真正銘のおれにとっての英雄だった。
……俺は、あの姿を一生忘れない。忘れられない。
だがその一件以降急に怪人による事件がピタリとなくなり、ヒーローも姿を見せなくなった。
でもきっとまたいつ怪人がまた悪さをする。人々を襲い、奪い、事件を起こしてくる。だからあのヒーローのように人々を守れるように俺はいままで鍛えてきた。
さあ、今日はどんな練習をしy…「おはようハルー!」
そう言って抱きついてきたのは中学からの悪友『神谷 伊吹』だ。こいつとは中学から一緒にバカやってきた仲で親友と言っても過言ではないぐらい仲がいい。さらにはこいつもヒーローが大好きのようで気が合い、よく一緒にいるのだ。
「ああ、伊吹か。おはよう」
「てか昨日のみた?『超獣ギガ』!!」
「見たぞ!今回もうさレッドの活躍アツかったよな!!」
「それなぁー!最後のあのロボ戦も…ってあれ?」
「何急にとまってどしたん」
「いや、なんか人だかりできてるからさ。校門前にできるって珍しくね?」
「あれか…」
校門前のひとだかりを見て呟く。
…はっきりとはわからない。ただ、視線が自分に向かっている気がして、少し冷や汗が出てくる。
「…どうせ怜のファンの行列かなんかだろ」
「?、怜って…ああ、鳳さんのことか!名前呼びだと一瞬わからないってぇ…」
「それでも一瞬でわかるお前はすげぇの自覚しろ」
「そうかなぁ、てか名前呼びって彼女かなんかなの?」
冗談交じりに言ってくるが目が笑ってない気がするんだが…
「い、いや。そんなことはないぞ。ただの知り合いってだけだ。」
「そ。…まあいいや、鳳さんたぶんこっちにくるから早く行くよ。ハルもあの件もあるし会いたくないでしょ。」
伊吹も察してくれたのか俺の手を掴んで引っ張ってくる。
「あ、ああ。」
そう言って適当な返事をして視線の正体に気づくことなく、俺達はその場を離れた。
怜side
憂鬱な一日がまた始まった。最近は研究続きで休みが取れていなく、疲れが溜まっている。昨日も深夜2時半まで起きて実験と調整の繰り返し。
将来を誓いあった彼のために始めたはずのものが、今では私の執念だけで動いている気がする──そんなこと、考えたくもないけど。だけど…会えてない日々がもうかれこれ1年近く続いているのも事実だ。
───だが昨日の調整でようやく完璧と言っていいほどの出来になった。もうあの日のような顔にはさせないしそうさせない。そううわ言のようにいいながらメイドに身支度をしてもらい送迎車に登校用バックや"荷物"を運んでもらう。
昨日完成したそれは白と蒼を貴重としたデザインできっと彼に似合うと確信している。あとは、これを──────
託すだけ。
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…学校に着いた。ボディーガードに引いてもらった赤いカーペットの上を歩きながらおそらく群衆の奥にいるであろう彼を探す。
みつけた。これであとはこれを託せば…
───なんでだろう。幻覚でも見てるのかな?そばに女がいた。しかもよく見たら抱きついてるし…確か名前は…『神谷 伊吹』だ。あいつは中学からやけに彼に引っ付いていたため警戒はしていたがやりすぎだろそれは。
物申すために早歩きで向かうがあいつもこちらに気がついたような様子で校舎に逃げていった。……彼を連れて。
胸の奥から漏れそうな大きなため息を噛み殺し、
私は、いつも通りの“鳳 怜”として学校へ向かった。
ヒーローとかが出てくるやつってやっぱいいよね…
これからちょくちょく更新します…