副キャプテン 辰馬   作:匿名希望のぽっちゃり

10 / 60
死闘!東邦学園
東邦学園・入学


東邦学園入学後エピソード(後日談)

 

時は流れ、桜が満開を迎えた春。

日向小次郎、友坂辰馬、若島津健は東邦学園へと進学した。

 

新たな環境での生活が始まり、毎朝の朝練から学園の厳しい空気を肌で感じていた。

 

校庭をぐるぐると周回しながら、部員全員で掛け声を合わせる。

「東邦ーファイオ!ファイオ!」

声を張り上げながら走り込む光景は、さながら軍隊のようだ。

 

 

朝練後の会話

 

朝練が終わると、息を切らしながら日向、辰馬、若島津、そして新しい仲間・反町一樹が集まっていた。

 

「はぁ、しんどいな……」若島津がタオルで汗をぬぐう。

「でも小次郎は元気そうだな」辰馬が笑いかける。

「新聞配達で毎朝走ってるからな、慣れてんだよ」日向が肩をすくめた。

「オレも早く試合に出てぇな。先輩たちに混じってでもゴール決めてやる」反町が拳を握る。

「そうだな」辰馬もうなずいた。「ここからが本当の勝負だ」

 

 

室内トレーニング場にて

 

夕方の練習後。

日向、若島津、反町の三人は自主練を続けていたが、辰馬の姿が見当たらなかった。

 

「なあ……辰馬はどうした?」反町が辺りを見回す。

「そういえば、いねぇな」日向も首を傾げる。

 

ちょうど通りかかった上級生が答えた。

「友坂なら室内トレーニング場にいたぞ。変わった練習してた」

 

三人は顔を見合わせ、「行ってみようぜ」と室内へ向かった。

 

――そこにいたのは、二つのバランスボールの上に片足ずつを乗せ、スクワットを繰り返す辰馬だった。

 

「なんだあれ……すげぇバランスだな」反町が目を丸くする。

「おれでも無理だな……辰馬さん、やっぱすごい」若島津も感嘆する。

「フン、あいつらしいぜ」日向が口元を吊り上げた。

 

ちょうどその時、北詰監督が現れた。

「……流石だな。松本スカウトが認めただけのことはある。天性の両利きに加え、全身の筋肉のバランスも見事だ」

 

監督は辰馬に声をかける。

「友坂、練習には慣れたか?」

「はい、先輩方とも上手くやれています」

「そうか。なら今度の練習試合、日向と一緒にAチームで出てみろ」

 

辰馬は驚きつつも笑みを浮かべ、力強く答えた。

「……はい!頑張ります!」

 

 

仲間とのやり取り

 

そこへ日向たち三人が駆け込んでくる。

「おい辰!そろそろあがろうぜ」日向が声をかける。

 

「休憩してからな。……そうだ小次郎、監督が今度の練習試合で俺らを出してくれるってさ」

「マジか!?よし、ゴール決めて早くレギュラーになってやる!気合い入れるぜ!」日向の目がぎらつく。

「応援してるぞ、辰馬さん」若島津が真剣に言い、

「オレも負けねえからな」反町が笑った。

 

辰馬は仲間を見渡し、少し真剣な顔になる。

「小次郎、監督やチームに認められるにはゴールだけじゃ足りないんだぜ」

「なんだと?エースストライカーはゴールを量産してこそだろ」

「確かにそうだ。だが“信頼”されなきゃエースにはなれない。無理に突っ込まず、楔になって周りを活かすプレーも必要だ。世界を目指すならな」

 

一瞬言葉を失った日向だったが、やがて不敵に笑った。

「……世界を目指す、か。面白え。だが点を取るのは俺だ。エースストライカーになるのは俺しかいねぇ」

「それでいい。ただ、選択肢を増やせってことだ」辰馬は笑みを返す。

 

「選択肢か……オレも守備から前線に絡んでみるか」反町が頷き、

「おれはGKだけど、積極的に攻撃参加するかな」若島津も負けじと言う。

「はは、さすがだな」辰馬は笑った。

 

 

手紙の正体?

 

ふと若島津が辰馬の手元を見てニヤリとする。

「それ、彼女さんからですよね、辰馬さん」

「さあな……とにかく、飯食いに行かねえと寮母さんに怒られる」辰馬は苦笑しながら走り出す。

「おい待てよ!」日向たちも慌てて追いかけていった。

 

 

練習試合、そして夏へ

 

――そして後日の練習試合。

日向小次郎はハットトリック、友坂辰馬は1ゴール2アシストの活躍を見せる。

 

二人のパフォーマンスを見た北詰監督は迷わず彼らをレギュラーに抜擢。

熾烈なスタメン争いの幕が切って落とされた。

 

日向のポストプレイはまだ不発だったが、それを課題により強く練習に励む日々が始まる。

 

そして迎えた夏の大会。

日向小次郎、友坂辰馬はスタメンとして。

若島津健、反町一樹はベンチメンバーとして。

 

――それぞれの戦いが、ついに始まろうとしていた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。