副キャプテン 辰馬   作:匿名希望のぽっちゃり

42 / 60
スーパーボランチを目指せ!

 

 

ハンブルグ・アトランティックホテル 夕暮れ

 

日本Jrユース宿舎。

まだ外は薄橙の空を残しているが、ホテルのロビーは静かで、遠くからピアノのBGMが流れていた。

そこへ、黒い制服を着たホテルマンが重そうな段ボールを二つ抱えて現れる。

 

ホテルマン「すみません、日向さま、友坂さまにお荷物が届いております」

 

その声に、ロビーに集まっていた日本Jrユースメンバーたちが一斉に顔を向けた。

段ボールの重さに、ホテルマンの腕がわずかに震えている。

 

石崎「日向と友坂に荷物?なんだそりゃ?」

滝「まだ帰ってきてないけどな……」

来生が眉をひそめる。「てか、なんか重くないか、それ?」

 

そのとき、後ろから静かに声がかかった。

「俺たちならここにいるぜ」

 

振り返った全員の視線の先には――

試合後のユニフォーム姿のまま、日向小次郎、友坂辰馬、若島津健の三人が立っていた。

汗の跡がまだ袖口に残り、彼らの表情は充実と疲労、そして新たな闘志が入り混じっていた。

 

沢田タケシが慌てて駆け寄る。「日向さん、辰馬さん!吉良監督から荷物が届きました!」

友坂「えっ、吉良監督から?」

日向「まさか、あの吉良監督が国際便かよ……」

 

二人は顔を見合わせ、ダンボールの封を切った。

ギシ、と段ボールが音を立てる。

中から現れたのは、漆黒のサッカーボールだった。

 

日向「黒い……サッカーボール?」

友坂がボールを持ち上げようと手を伸ばす――が、

「……お、おもっ!?」

片手で持ち上げようとしてもほとんど動かない。

日向も手を添える。「うぉ、ほんとに重い!」

 

ボールの下には、一通の封筒が入っていた。

白地に墨で力強く書かれた宛名――「東邦学園・日向小次郎、友坂辰馬」。

 

二人は顔を見合わせ、ゆっくりと手紙を開く。

 

⸻

 

『小次郎、辰馬。まずは東邦学園V1おめでとう。

これはお前たちへの、わしからの優勝祝いだ。

黒いボールは“鍛錬の象徴”。己の力を試し、磨き、打ち砕くためのものだ。

初優勝したからといって驕ってはならん。

日本一になったなら、次は世界一を狙え。

小次郎、辰馬。

これからもより一層精進して、世界一のエースストライカーと世界一のスーパーボランチを目指せ。

――東邦学園監督 吉良耕三』

 

⸻

 

日向は読み終えると、思わず拳を握った。

「……まったく、あの人は相変わらずだな。祝うより先に説教かよ」

だがその表情は、どこか誇らしげでもあった。

 

友坂は黒いボールを見つめる。

光を吸い込むようなその色――

手のひらに伝わるのは、単なる重さではなく、彼らの背負う「期待」の重みだった。

 

⸻

 

ロビーの空気が落ち着いたところで、友坂がみんなに向き直る。

「見上監督はまだ戻ってないみたいだし……ウチらだけで、今日の試合を少し振り返ってみようか。」

 

松山が頷く。「ああ、いいな。ちょっと整理しておきたかったところだ。」

だが、メンバーたちの顔はどこか曇っている。

敗戦の影がまだ心に残っていた。

 

反町がぼそりと呟く。「完敗だったな……」

森崎はうつむいたまま。「辰馬がいたからあの失点で済んだけど……正直、シュナイダーのシュートなんて止められる気がしなかったよ。」

立花兄弟も肩を落とす。「ヨーロッパの壁を感じた」「俺たち、勝てるのかな……」

 

空気が沈みきったその時、友坂が軽く笑った。

「俺から言わせてもらえば――そこまで悪くはなかったと思うぜ。」

 

え?と全員の視線が集中する。

 

友坂はゆっくりと立ち上がり、テーブルの上の黒ボールを指で転がした。

「ハーフタイム中にも言ったが、ハンブルグの奴らはパスもドリブルも判断も速い。俺たちはそれをわかって、しっかり対応しようとした。少なくとも“ついていけなかった”とは思わない。」

 

その言葉に、みんなが顔を見合わせる。

 

「守備でも、ヨーロッパNo.1ストライカーのシュナイダーにやられた3点を除けば、他はよく耐えた。

点差も5−2だが、流れによっちゃ2−2に持ち込めた。単純な数字じゃ測れないけどな。」

 

松山が頷いた。「……確かに。オレたちは完全に崩されたわけじゃなかった。」

 

友坂は続ける。

「攻撃でも最後の一点――反町と日向との連携は完璧だった。あれは“偶然”じゃない。

あの形は、他の強豪にも通じると思う。」

 

翼が柔らかく笑う。「うん、あのゴールは若林くんが本気でも入ってたと思うよ。」

 

その一言に、みんなの表情が一気に明るくなる。

落ち込んでいた瞳に、再び光が宿った。

 

友坂はそんな彼らを見渡し、心の中で呟いた。

(やっぱり翼だな……このチームの中心は。俺が引っ張る必要はない。翼がいれば大丈夫だ。)

 

友坂「当然、まだまだだ。これからも負けることはある。でも大会本番に照準を合わせよう。ヨーロッパのスピード、パワー、体格差に適応していく。それが俺たち日本の武器になる。」

 

松山が拳を握る。「ああ!」

井沢、石崎、立花兄弟、反町、森崎、滝、来生、翼――

全員が力強く頷いた。

 

ロビーの空気が、一瞬で変わった。

敗北の夜が、希望の夜へと変わる。

 

⸻

 

その直後、ホテルのドアが開いた。

見上監督が戻ってきたのだ。

全員が立ち上がる。

 

しかし、監督の表情はやや険しい。

 

見上監督「……友坂。お前は今日の乱闘の件で、明日の試合、出場停止だ。」

 

「……えっ」

その場が一瞬、静まり返る。

 

友坂「ま、まじかぁ〜……」

 

石崎が笑う。「ははっ、やっちまったな、辰馬!」

日向もニヤリと笑って肩を叩いた。「まぁおとなしくしとけよ、軍師さま。」

 

苦笑しながら友坂は頭をかく。

だがその胸の奥には、確かに燃えるものがあった。

 

――次こそ、勝つ。

――世界の頂で。

 

黒いボールが、ロビーのライトを受けて鈍く光った。

それはまるで、日本の若き戦士たちの未来を象徴するかのようだった。

 

 

夜風が心地よく吹き抜ける。

日本Jrユースの宿舎から少し離れた場所にある公園は、試合の熱気が嘘のように静まり返っていた。

昼間の喧騒とは違い、街灯の下で照らされるグラウンドの一角に、二つの影がボールを蹴り合っている。

 

日向小次郎と友坂辰馬。

彼らは吉良監督から届いた“黒いサッカーボール”を前に、ひたすらにパスを繋ぎ、トラップし、そしてまた蹴る。

夜の闇に溶け込む黒い球体が、光を反射して一瞬だけ銀色に輝くたび、二人の表情もまた、真剣さと何かの決意に照らされていた。

 

⸻

 

「吉良監督は俺らが――世界の壁にぶつかることを、分かっていたんだな…」

ボールを受け止めながら、友坂が呟く。

 

日向が軽くトラップして蹴り返す。

「……ああ。あの人も、メキシコ五輪で世界の強さを知ってる人だからな。」

その声には、どこか懐かしむような、けれども闘志を隠せない響きがあった。

 

一瞬の間を置いて、日向がふと笑う。

「ところでさ、“スーパーボランチ”ってなんだ?」

吉良監督の手紙にあった一節――その意味がずっと気になっていた。

 

友坂はボールを足元で転がしながら少し考える。

「……ああ、あれな。正直、サッカー用語としては存在しない。

でもな、ボランチってのは役割で言えばいくつかタイプがあるんだ。

ゲームを組み立てる“レジスタ型”、守備と位置取りを重視する“バランサー型”、

そして攻守両面で機能し、試合を支配する“ハイブリッド型”。」

 

「なるほどな。……辰は攻守どっちもやってるし、ハイブリッド型ってやつだろ?」

「まぁ、そうなるかな。」

友坂は少し照れくさそうに笑った。

 

だがすぐに、真剣な顔に戻る。

「けど、多分…吉良監督が言ってた“スーパーボランチ”ってのは、

そのどれかに収まるもんじゃないと思うんだ。

攻守の総合力はもちろん、戦術眼、精神力、支配力――全部が高いレベルで備わってる。

そして、無尽蔵のスタミナでフィールドを駆け回り、味方を鼓舞して流れを変える。

言うなれば、チームの“心臓”であり、“舵”であり、“頭脳”なんだ。」

 

日向は腕を組み、唸るように笑う。

「やばいな。……まさに“世界一のプレイヤー”ってやつじゃねぇか。」

 

「まあ、まさに“スーパーボランチ”ってやつだな…」

友坂は笑いながらも、心の奥底で不安を感じていた。

果たして、そんな存在になれるのか――。

自分が、世界で通用するほどの選手になれるのか。

 

日向はそんな友坂の表情を見て、ニヤリと笑う。

「辰、悩んでるだろ?」

 

「……バレたか。」

 

「バレバレだ。けどよ、そういう時こそ、やるんだよ。」

日向が黒いボールを蹴り出す。

「考えるより、蹴る。走る。倒れてもまた立つ。お前はそういう奴だろ?」

 

友坂は一瞬黙り、そして笑った。

「……まぁ、そうかもな。何年かかるか分からんし、なれるかも分からんが――

ワールドカップ優勝を目指すなら、“スーパーボランチ”が一人いてもいいはずだよな。」

 

「へっ、上等だ。じゃあオレも目指すぜ。“世界一のエースストライカー”をな。」

 

二人の笑い声が夜空に響く。

まるで、少年時代に戻ったかのような、純粋で熱い笑顔だった。

 

⸻

 

そのとき、公園の入口から声がした。

「おーい、日向、友坂! どうしたんだ、こんな夜遅く!」

 

汗を拭いながら走ってきたのは松山光だった。

トレーニングウェア姿のまま、息を整えつつ笑っている。

 

日向と友坂が顔を見合わせる。

「決まってんだろ?」

「お前だってそのつもりだろ?」

 

松山は一瞬ポカンとしたが、すぐにニヤリと笑った。

「……考えてることは、みんな同じか。」

 

三人の視線が交わる。

ボールが一度だけ地面を跳ね、その音が合図のように響く。

 

三人の声が、夜空の下で重なった。

(――全日本Jrユースで勝つためだ!)

 

⸻

 

少し離れた場所で、同じようにトレーニングをしていた翼も、その光景を見つめていた。

汗に濡れた額を拭いながら、彼は静かにボールを止める。

その眼差しは真っすぐで、心の奥に熱が宿っている。

 

さらに遠く、木陰の下。

三杉淳が腕を組んで、仲間たちを見つめていた。

(――日向、友坂くん、松山くん、そして翼くん。

彼らの心がひとつになれば、きっと“真の全日本Jrユース”になる……)

 

月が雲の合間から顔を出す。

光を受けて、黒いサッカーボールが再び淡く輝いた。

その光は、まるでこれからの戦いの行方を照らすかのように――静かに、公園を包んでいた。

 

 

 

西ドイツ・ハンブルグ郊外。

澄みきった昼下がりの空の下、日本Jrユースのメンバーたちはホテル前から練習試合の会場へ向かうバスに乗り込んでいた。

 

相手はブレーメンJrユース。

西ドイツNo.2の呼び声高い強豪。

その司令塔は、正確なゲームメイクを信条とする華麗なるテクニシャン・シェスター。

さらに前線には、西ドイツの核弾頭と呼ばれる長身FW・マーガス。

彼らを擁するブレーメンは、国内ではハンブルグに次ぐ実力を誇っていた。

 

試合会場に到着すると、観客席には意外な姿があった。

――若林源三。

ケガの治療で本来チームには帯同していなかったはずの守護神が、なぜか現地に同行していた。

 

「よう、若林!昨日は悪かったな、顔の傷は大丈夫か?」

友坂が声をかけると、若林は頬に貼った湿布を押さえながら振り返る。

 

「うっ……友坂……ぜ、全然痛くねぇよ!」

明らかに痛そうだが、若林は歯を食いしばって笑ってみせた。

周囲のメンバーもその様子に思わず吹き出す。

 

石崎「ははっ!若林、お前ムリすんなって!」

若林「うるせぇ!このくらい平気だ!」

 

笑いが起こる中、翼はベンチの端に腰をかけ、静かにその光景を見ていた。

この日も試合出場はなし――。

ただ、彼の眼には、燃えるような悔しさと決意が宿っていた。

 

⸻

 

 

ピッチでアップを始めた選手たちを見渡しながら、友坂はふと眉をひそめた。

(……小次郎の奴、動きが重い)

昨日の夜、吉良監督から贈られた黒いボールで夜遅くまで自主練をしていた日向。

その疲れが抜けきっていない。

 

友坂は胸の内で苦い思いが込み上げる。

(あいつのこと、もっと止めてやるべきだった……)

 

⸻

 

 

試合が始まると、ブレーメンの司令塔シェスターがまるで舞うように中盤を支配した。

左右に散らす精密なロングパス、縦のスルー、そして一瞬のフェイントで日本の守備を翻弄。

 

若林「やはりブレーメンのシェスター、中盤の支配力が抜群ですね。彼が触るだけで試合のテンポが変わる…!」

 

前半だけで、マーガスが2得点、そしてシェスター自身も鋭いミドルを突き刺して1得点。

スコアは0-3――ブレーメンの圧倒。

 

友坂は歯を食いしばりながら、仲間に声を張り上げた。

「落ち着け! ライン上げろ! パスコースを切れ!」

だが、ブレーメンのボール回しは一枚も二枚も上手だった。

フィールドをまるで掌の上で転がすように、完全にゲームを支配している。

 

⸻

 

 

後半に入ると、ブレーメンは余裕を見せて、主力のシェスターとマーガスを下げた。

次のイタリア戦への温存――それが彼らの余裕の表れだった。

 

その姿に、翼はたまらず立ち上がる。

「……舐められてるな。」

 

ベンチで拳を握る翼の姿に、チームも刺激を受け始める。

「翼……」

「行こうぜ、オレたちが日本代表だろ!」

 

試合終盤、早田がオーバーラップして放った“カミソリシュート”がネットを揺らす。

続けて、日向が意地のヘディングを叩き込む。

2-3――一矢報いた。

 

だが、そこまでだった。

試合終了の笛が鳴る。

二戦目にして、またも敗北。

日本Jrユースの面々はピッチに立ち尽くした。

 

友坂は拳を握り、唇を噛む。

(だから言ったのに……昨日の時点で、心も体も整ってなかった。

でも、このままじゃ終われねぇ。次で立て直す――絶対にな)

 

⸻

 

 

午後

ブレーメン対イタリアJrユースの試合が始まる。

スタンドから観戦する日本Jrユースの選手たち。

 

ブレーメンの猛攻を、イタリアのGKジノ・ヘルナンデスが神がかり的なセービングで全て防ぎきる。

「なんだ、あの反射神経……!」

「まるで壁だ!」

 

そして後半、ヘルナンデスのロングキックから電光石火のカウンター。

見事なゴールでイタリアが先制。

そのまま1-0で逃げ切る。

 

シェスター「……やはりイタリアのカティナチオは健在か。」

 

観客席で見ていた日本Jrユースは、沈黙していた。

イタリアの守備はまるで要塞。

その堅牢さに、誰もが息を呑んでいた。

 

⸻

 

 

 

試合後、日本との親善試合を申し込むが、イタリア側は断ってきた。

「ブレーメンに負けたチームと戦っても得るものはない。」

 

その言葉に、チーム全体が凍りつく。

「な……に?」

「ふざけんな!」

怒りが爆発した。

 

だがその中で、誰よりも静かに燃えたのは――翼だった。

 

「……だったら、俺が証明する。」

そう呟くと、スタンドを飛び出し、ボールを片手にグラウンドへと走り出す。

 

会場中が息を呑んだ。

イタリアJrユースが帰ろうとしていた通路前で、翼が叫ぶ。

「イタリアJrユース! 一人でもいい、俺と勝負しろ!」

 

ヘルナンデスが振り向く。

「……相手をしてやれよ。」

 

一人、イタリア選手が飛び出した。

だが翼は一瞬で抜き去る。

「なっ……速い!?」

 

続けざまに二人、三人――

翼はまるで風のように、次々と抜き去っていく。

「これが……翼だ!」

石崎の叫びに、仲間たちが拳を握る。

 

十人を抜き去り、ゴール前に立つのはGKヘルナンデス。

二人の視線がぶつかる。

 

「来い、日本の10番。」

「行くぞ、世界の壁!」

 

ドライブシュートが放たれた瞬間、空気が裂けた。

ヘルナンデスは一歩も動けず、ボールはゴールネットに突き刺さる。

 

日本ベンチが総立ちになった。

翼に駆け寄る仲間たち。

「すげぇぞ翼!」「これだよ、オレたちが見たかったのは!」

 

友坂は少し離れてその光景を見つめ、心の中で呟いた。

(……少しは溜飲が下がったか)

 

⸻

 

 

仲間たちの前に立ったのは、覚悟を決めた石崎だった。

「みんな!俺なんか補欠で構わない!だから翼を試合に出してくれ!

俺はもう、日本が負けるところなんて見たくないんだぁ!」

 

地面に頭をつけての土下座。

その姿に、全員が息を呑む。

 

松山、日向、友坂――三人に視線が集まる。

 

松山が静かに口を開く。

「最初は、合宿に参加してない翼が出るのは違うと思ってた。

でも若林にも言われた。“それで勝てるのか”ってな。

……俺は反対を撤回するよ。」

 

おおー!という歓声。

 

続いて日向が口を開く。

「オレはもうキャプテンじゃねぇ。キャプテンの松山に従うよ。」

 

再びおおー!

 

そして最後に、友坂。

「俺は最初から実力で言えば翼が出るのが当然だと思ってた。

だが反対したのは来たら直ぐに試合に出してもらえると思ってる性根が気に入らなかったんだ。

でも、三杉から聞いたよ――翼もちゃんと反省してるってな。

……なら、俺も構わん。」

 

その瞬間、チームがひとつになった。

 

見上監督が前に出て頷く。

「……話は聞いた。翼の出場、みんな賛成なんだな?」

「はい!」

 

日本Jrユースの声が、会場に響き渡った。

 

⸻

 

 

その夜、片桐がチームに伝える。

「若林源三、ハンブルグから大会出場の許可が下りた。

さらに――フランスで岬太郎が待っている。」

 

誰もが息を呑んだ。

SGGK若林源三。

フィールドアーティスト岬太郎。

 

二人の名が出た瞬間、

疲れきっていたチームの空気が、一気に熱を帯びる。

 

友坂は、窓の外を見上げながら呟いた。

「……やっと、本当の戦いが始まるな。」

 

日向が隣で笑う。

「ああ、日本の反撃はこれからだ。」

 

その夜、静かなホテルの窓の外で、

再び黒いサッカーボールが月光に照らされ、静かに輝いていた。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。