Re:ありふれた破壊者と魔王は世界最強 作:マサヒロ (旧名デイブレイク)
追記
第二章(仮)の士と雫の衣装に関するアイデアが欲しいです。
活動報告に意見箱を作ってあるのでイメージとかと合わせて書いてくれると有難いです。
よろしくお願いします!
士達はオーロラカーテンとマシンディケイダーを使ってそのままオルクス大迷宮へ直行する。
雫はその『仮面ライダー』の力に圧倒され、士は仮面ライダーを褒められたことに仮面の下で鼻を高くした。
そんなやり取りをしつつオーロラカーテンを抜ける。
そこは、一本の石橋の上その中央辺りだった。
「ねぇ、士。ここってもしかして…」
雫が何かに気が付いたのか、士――ディケイドに声を掛ける。
辺りを見渡していたディケイドもそのことに気が付き雫が言おうとしていることを理解する。
「…間違いない。俺とハジメがベヒモスジャマトと戦って……」
ハジメと香織が落ちた65層だ。
最後の言葉はディケイドからは出てこなかった。
だが、確実に雫には伝わった。
その時、橋の先に赤黒い脈動する直径十メートルくらいの魔法陣が浮かび上がる。
それは、見覚えのある魔法陣だった。
「な、何で!?あの時士と南雲君で倒したんじゃないの!?」
雫が冷や汗と、緊張を浮かべて叫ぶ。
「迷宮の魔物の発生原因は解明されていない。一度倒した魔物と何度も遭遇することも普通にあるって本に書いてあった。多分それだろうな」
ディケイドはハジメと二人で迷宮について事前に調べていた知識からそう結論付けた。
雫は腰の剣に手を伸ばし臨戦態勢をとるがディケイドはそれを制止する。
マシンディケイダーに跨ったままライドブッカーから一枚のカードをドライバーに差し込んだ。
【ATTACKRIDE!HARDTURBULER!】
するとマシンディケイダーの前にWのライダーズクレストが展開され、マシンディケイダーがWの空中戦用ライダーマシン『ハードタービュラー』に変化した。
ディケイドがコントロールペダルを踏みこむとハードタービュラーのVTOLローターとティルトローターが唸りを上げゆっくりと上昇を始める。
「つ、士?何を?」
「何って、いちいち倒すのはめんどくさいからこのまま飛んで降りてく。それだけだ」
雫が若干引いた気がするが気にせずディケイドは奈落の方へハンドルを向ける。
だが、ディケイド達が奈落に突入する直前魔法陣がが爆発したように輝き、あの時と同じ――否、トリケラトプスのような風貌は同じだが、蔦のような触手は生えておらず角は炎に包まれていた。
「グゥガァアアア!!!」
咆哮を上げ、地を踏み鳴らす異形。
ベヒモスがディケイド達を壮絶な殺意を宿らせた眼光で睨む。
「めんどくせぇな、これでもくらっとけ!」
ディケイドはハンドルのトリガーを引き、翼のエナジーバルカンをベヒモスに直撃させる。
「グゥルガァアア!?」
悲鳴を上げながら後ろに下がるベヒモス。
その身体には見るも無残に焼けこげ、穴だらけになっていた。
「しっかりと掴まってろ!雫!」
「ええ!」
ディケイドはハードタービュラーを垂直にすると、メインブースター出力を全開にして勢いよく垂直降下した。
ハードタービュラーのクリアフラッシャーを点灯させて、ディケイド達は奈落へと降下していく。
既に上を見ても六十五階層は見えず、暗闇に包まれている。
時折、崖の所々から地下水が噴き出しており、水飛沫が空気を一層冷たく感じさせる。
「だいぶ降りてきたな…」
ディケイドの大体の感覚だが、30階層分くらいは降りてきている。
「いくら水があってもこの高さだと……」
雫が最悪の可能性を口にする。
ディケイドはそれを振り払うようにローターの出力を弱め、降下スピードを上げた。
その時、ディメンションヴィジョンで何かが見えた。
ディケイドのディメンションヴィジョンが捉えたのは、壁面に空いた巨大な横穴だった。
崖の反対側からは、水が勢いよく吹き出し、まるでウォータースライダーのように水が横穴に流れ込んでいる。
大きさとしては直径3m程度。
ハードタービュラーのままだと、ギリギリ通れないかくらい大きさだ。
「他にそれっぽいところが無いからな……雫、この穴の先に何があるか分からないし、戻ってこれるかもわからない。だけど、この先に二人が居る可能性を信じて進んでみるか?」
ディケイドのディメンションヴィジョンは40㎞先の物体を識別することができ、ナイトヴィジョン機能も有している。
それ故に今ディケイド達が居るさらに下の層は岩が針状に連なっていて、二人の姿がないのが分かってる。
超低周波不可聴音をも聞き分け、10㎞四方の音を探知できるディメンションスカウトがそこからハジメと香織の心音がしない事をディケイドに伝えていた。
だから、最後の望みを賭けて雫に問いかける。
「……私は行くわ。だって、まだ香織と南雲君の死体を見たわけじゃないもの」
雫は決意に満ち溢れた表情で答え、そう言い切った。
「そうか。なら行くぞ!」
ディケイドは雫の返事を受けてハードタービュラーの推力を再調整し、横穴の入り口へ向かった。
入口は水飛沫で見えにくくなっていたが、ディメンションヴィジョンで正確に把握できている。
「行くぞ雫!しっかり掴まっていろ!」
「ええ!」
ディケイドは雫の返事を確認すると、ハードタービュラーをのハンドルを鋭く切ってからマシンディケイダーに戻し、重力と水の勢いを利用して横穴へと突入した。
ウォータースライダーのような水流に乗って、ディケイド達は勢いよく洞窟内を疾走する。
水の勢いはかなり速く、アーマーやマシンディケイダーのあちらこちらが岩肌に掠り、火花が飛び散る。
「うっ……っ!」
激流の衝撃に耐えきれず雫が呻く。
ディケイドができる限りぶつからないようにハンドルを操作しながら激流を下ると、激流が突然穏やかになった。
そして、前方に僅かに明るい光が見えたその瞬間、マシンディケイダーごと二人は水路から放り出される。
水の勢いで数メートル飛翔するが、直ぐに重力に引かれてマシンディケイダーは水路とつながっている川に水しぶきを上げて落下する。
「……ぷはっ!」
ディケイドは即座に立ち上がり、膝丈の激流を蹴散らすように前進する。
変身時の耐水性が功を奏したが、それでも冷たい川の流れは容赦なく体温を奪っていく。
しかも、着水の衝撃で雫がディケイドから手を放してしまい、マシンディケイダーの下敷きになる。
だが、雫は自力で這い出し水面に顔を出して激しく咳き込んでいた。
「大丈夫か!雫!」
「ごほっ…!大、じょう…ぶ!けほっ!」
ディケイドが激流を逆らって咳き込んでいる雫に駆け寄ると、その肩を抱き寄せて岸へと引き上げる。
そして、ライドブッカーから一枚のカードを取り出すと、ドライバーにセットしてサイドハンドルを押し込んだ。
【KAMENRIDE!WIZARD!】
【ヒー!ヒー!ヒーヒーヒィー!!】
ディケイドが上げた左手から魔法陣が通過していきディヴァインスーツが黒い魔法『エレメンタルオーバーコート』に変化し、アーマーの各位にフレイムリングで赤く変化した『ドルイドクリスタル』からなるマスクの『ベゼルフレイム』に変化する。
そして、魔力増幅器である『フレイムスリーブ』『フレイムレガード』が装着された。
ウィザードフレイムスタイルの能力は炎。
地面に赤い魔法陣が浮かび上がった瞬間、炎がふわりと舞い上がる。
湿った空気の中でも、炎は揺らめきながらしっかりと燃え広がり、周囲を柔らかく照らし始めた。
「濡れたままだと風邪ひくからな、ちゃんと乾かせよ」
「……ありがとう、士」
雫は震える声で礼を言い、濡れた髪をかき上げながら炎の前に座り込む。
その背中はまだ水滴に濡れていて、炎の光に照らされて淡く、そして赤く輝いていた。
ディケイドウィザードは振り返り越しに雫の様子を確認すると、水没したマシンディケイダーを引き上げに再び川へと向かった。
ざぶざぶと音を立てながら、ディケイドウィザードが川の中心へと向かっていく。
幸いに、マシンディケイダーは岩に引っかかって激流に流されることなくその場に留まっていた。
「さて…こいつを引き上げるには、一工夫必要だな」
士はライドブッカーからカードを一枚取り出し、ドライバーに差し込む。
【FORMRIDE!WATERSTYLE!】
ディケイドウィザードの上に青色の魔法陣が展開され、それが下りてくると同時に『ドルイドクリスタル』が青色に変化。
頭部を覆うマスクは菱形の『べゼルウォーター』になり、両腕の魔力増幅器は『ウォータースリーブ』、両脚の増幅器は『ウォーターレガード』に変化する。
胸部から腹部を覆う魔装具も水に纏わる魔術や呪文などが内部に刻まれた『スプラッシュペイル』になり、水の力を強化するよう最適化される。
胸部に備える6つの制御バランサー『ウォーターラングストーン』も色に加えて菱形に変化した。
ウォータースタイルの能力は『水』。
ディケイドウィザードから少し上流の部分から川が真っ二つに割れ、静かな川底が姿を現す。
ディケイドウィザードは割れた川底に沈んでいたマシンディケイダーへと歩み寄る。
水圧が消えたことで機体は安定しており、岩に引っかかった部分もはっきりと見えた。
「うっ、こいしょォッ!!」
ディケイドウィザードはマシンディケイダーのフレームと、ハンドルを持ってタイヤが川底に接地するようにする。
そしてそのまま、前に押して行って川から引き揚げた。
ディケイドウィザードはドライバーからカードを引き抜き、変身を解除すると心配そうな眼でマシンディケイダーを眺め始めた。
「エンジン、水没してないよな………してるよな…うごくといいなぁ……」
しょんぼりしながら炎の方に戻ると、雫の姿が焚き火の前に座っているのが見えた。
雫は濡れた服を全て脱いで、焚き火の熱で乾かしていた。
肩から背中にかけて濡れた髪が張り付き、肌に沿って水滴が流れている。
その姿は、炎の揺らめきに照らされて幻想的なほど美しく、そしてどこか儚げだった。
雫が水に濡れて張り付いた髪を軽く掻き上げて後ろに流す。
その光景に士の心臓は一瞬だけ飛び跳ねた。
炎に照らされた雫の肌は、まるで幻のように揺らめいていた。
士は慌てて視線を逸らそうとしたが、ほんの一瞬だけ雫と目が合ってしまった。
「っ……!?」
雫の目が見開かれ、次の瞬間、頬がかぁぁぁっと赤く染まる。
彼女は慌てて濡れた上着を胸元に引き寄せ、肩をすぼめながら叫んだ。
「み、見た!?今、見たでしょ士っ!」
「いや、見てない!……いや、ちょっとだけ見えたけど、見ようとしたわけじゃなくて!」
士の言い訳が空回りする中、焚き火の炎が二人の間に揺らめきながら静かに燃え続けていた。
ホロウィッチTHESTAGEが最高だったッ……!!皆かわいかった……!!