記憶喪失問題児と紅い実験者   作:Lan9393

1 / 34
一話:誘拐

緋乃Sido

 

  俺はあの獣神異変から、理桜を見ていない。

怨霊とやらは取り除けたらしいが、未だあやふやな精神状態。らしい。

理桜は気がかりだが。

 

「・・・」

 

真剣に悩む俺の嫁。なんでだよ。

すると、境内から妖夢の声が響く。

いつも聞くハキハキとした声とは違う、どこか暗い声。

 

「・・・緋乃、妖夢が来たわ。相手して」

「はあ?ああ・・・」

 

ん?いつもなら霊夢はムスッとしながら嫌そうに言うのに、今回は顔色一つ変えずに、だと・・・?

まあいいか。俺はいそいそと妖夢の元へ行く。

妖夢はまたもや泣いてしまったのかくしゃりとなにかを握り締めた。

それを見つけて、俺はその手を取る。

 

「・・・書き置き、か?」

「なんなんでしょうね、これ」

 

鼻声で妖夢は俺に問う。

 

『運命の歯車噛み合う道。

   運命の歯車噛み合わぬ道。

  どちらも貴殿に不幸あり。

   道に迷えば道をぞ授けよう。

 

    天使を一匹穴へ放り込め』

 

書き置きの内容は意味不明だった。

この字、八雲のものか・・・?

変な内容だなぁと紙を太陽に透かす。

すると、行の間の空白に文字が浮いた。

 

『我天界の者なり』

 

天界・・。天使・・・。

ヴェルディとノアが浮かぶ。

・・・なにがあったんだか。

俺はそのまま妖夢へ返す。

 

「ヴェルディ捕獲!」

「あいあいさー!」

 

妙に軽いノリになりはしたが、俺は妖夢を送り出す。

・・・ヴェルディ?なぜノアを捕獲と言わなかった?俺は。

 

——やがて紅魔館が大パニックになったことを俺は知らないフリをする。

 

——————————————————

 

ヴェルディ視点

 

『聞こえるか?吸血鬼姉妹はどうだ』

「・・・別に。こいつらはどうってことないさ」

『ならばもういい。引け。No.777、ノアが後を引き継ぐ」

「・・・承知した」

『次の任務だが——』

 

ドンガラガッシャーン。

明らかな侵入者が入ったことを示す擬音。

魔理沙かと思ったが対応が違う。感覚的に俺らの元へ駆けてくる感じだ。

 

『——天守理桜をつれて、別幻想郷へ向かえ。そうすれば指令を与える。行く所は随時ナビゲートする——』

「・・・はいはい」

 

プツリと無線を切ると俺はフランを見る。

健やかに眠っているな。

・・・ふん、まあ気にすることもないのだが。

所詮吸血鬼といえども雌。

一回オとせばあとは楽なものだ。

監視されていたと知らず、呑気に過ごしおって。

 

「・・・さて、俺も行くか」

「お待ちくださいっ!」

「魂魄妖夢」

「あなた、あなたを・・・」

 

妖夢は俺を見ながら言葉を紡いだ。

そこへ賢者がやってくる。

 

「あなたを穴へ落とさせてください!」

「ふん、ノってやるが待て。借りるぜ、八雲紫」

「ちょっと・・・勝手に取らないで頂戴。理桜もいるのだけれど?」

 

スキマ能力を借り、理桜と八雲紫を掴み、スキマを開く。

好都合だ。と笑ってやれば八雲紫はため息を吐く。

そんな呆れるな。

 

「理桜、さん?!」

「じゃあな」

「まっ———」

 

スキマを閉じる。

穴へ落ちるのを忘れていたな。まあいいか。

俺は二人を抱えながら歩く。

ナビゲートが入る。その時に黒い羽を広げ、飛び立つ。

 

「・・・さぁ、行こうか」

「ふふっ。張り切ってるのね」

「まあな・・・」

 

俺は開いた隙間の向こうで笑う女性を見つめる。

 

「紅燗緋奈———お前を監視してやろう」

 

ニヤリ、と笑みを浮かべた。




本来のノリとは違いますが完成です。
これからよろしくお願いします。

というわけで、お次はヴェルドールさんですね!

理桜「誘拐された・・・(汗」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。