記憶喪失問題児と紅い実験者   作:Lan9393

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ジルシーア「はいどーぞ」
理桜「ありがと~」
ジルシーア「じゃあ帰るわ」
理桜「うん!」

・・・よかったのかい?

ヴェルディ「・・・はぁ」

そうかい。
とまあ、どうぞ。


十八話:気持ちが交錯する。不器用な言葉

ジルシーアSide

 

  流れ落ちてきた涙を拭って、足を止める。

そこには倉庫の扉があった。

私は倉庫の扉に手をかける。

さすがに声をかけるべきか?いや、でも確か・・・。

はぁ、と一つため息をついて思い切り開け放つ。

すると案の定ヴェルディは眠っていた。

ドアがぶつからない位置に、寝転がっていた。

 

「・・・なんでここで」

 

もう一つため息をつくと、ヴェルディの肩が揺れた。

私はそれに気づくと、ちょいちょいと揺れる肩をつつく。

 

「ゔ・・・」

 

呻くヴェルディに構わずつつき続ける。

あ、これちょっと楽しい。

というか、さっきまでの私の涙返せ。

 

「ほら、起きなさいよ」

「・・・んだよ、お前か。ノアとの話はどうだったんだよ?」

 

ヴェルディが不機嫌そうに肩越しに私を見やった。

低い声が、私の耳に届く。

(ヴェルディはいなくなったりなんかしてない)なんて安堵しながら、私はヴェルディに返事する。

 

「終わったわよ。というか、なんで不機嫌そうなの?」

「・・・うっせー」

「はいはい、で聞きたいことがあるの」

 

ヴェルディは状態を起こして、胡座をかく。

私は後ろ手で扉を閉めると、続けてヴェルディがなにやら光を作った。

その淡い光は足元を照らした。

 

「・・・なんだ?」

 

こちらを見るヴェルディについ私は言葉をつまらす。

なぜ私は普通に質問があると聞けたのだろう?

自分でもびっくりだが、ヴェルディはそれを気にすることなく、「どうした」と聞いてくる。

私は極めて冷静を繕い、言葉にした。

 

「あなたは、私が嫌い?」

「好きだ」

 

直球で告げられたことに、私の体は大げさに揺れる。

しかし、その次の瞬間、ヴェルディの口角はつり上がった。

 

「・・・とでもいえば満足なのか?」

「っ!?」

「だいたい、俺は堕ちても天使だ。でもノアのような博打のような選択はできない。そもそも、なぜお前にそれを聞かれなければならない?」

 

硬直する私に、ヴェルディは次から次へと言葉を浴びせる。

もう、把握しきれない。

把握しきれないというよりも、把握したくない、理解したくない。

つまりは、『ヴェルディは私を好きじゃない』ということ。

つまりは・・・『嫌い』ということ。

・・・その時、私は追い打ちをかけられた。

 

「悪魔に好かれて喜ぶ天使がいるなら是非見たい。あまりいい心地はしねぇだろうけどな」

 

パァンッ!

 

無意識に体が動いた、とでもいえば伝わるだろうか?

私の右手はヴェルディの頬を殴りつけるように叩いていた。

ヴェルディの目はこちらに向いたままで、冷めたような目つきをしていた。

 

「・・・信じられないッ!」

「俺の考えを述べたまでだ。感情がそこにあるとは言ってな」

「あるんじゃない!!」

 

私はヴェルディの言葉を聞かず叫ぶと、倉庫の扉を開けて出て行った。

 

☆   ☆   ☆

 

ヴェルディSide

 

  俺には何があったかなんてわからない。

しかし、一つだけわかる。

『俺はミステイクをした』。

少々嘘を混ぜた話をすれば、怒られることなんてわかっていたことだろうに、俺は何をしているんだろう。

 

「・・・俺は、天使だ」

 

ジルシーアがなぜああいうことを聞いたかはわからない。

少なくとも、ノアになにかを吹き込まれたか、それか単純に気になったからだろう。

すぐ俺は追いかける気にもなれず、もう一度ふて寝した。

誰も、訪れない。

暗闇と静寂。

 

(・・・いい、このまま寝てしまえば。考える必要なんてない)

 

目を閉じる。

しかし、一向に眠気も何もこない。

イラついて、イラついてしかたがない。

俺は起き上がった。

ジルシーアを探そうか。いや、それよりここでじっとしていた方がましだ。

 

「・・・ノア、そこにいたんだろう?」

「うん、勿論だよ」

「趣味の悪いやつ。・・・なぁ、」

「言いたいことはわかってる。ジルちゃんの様子を見ろ、でしょ?」

「・・・ふん」

「あはは、素直じゃないっていうかさ。君のあれ、ただの言い訳でしょ?」

 

ノアには心を見透かされてる。そう思えてしかたがない。

 

「せっかく、君のために彼女が聞くきっかけ与えたのになぁ。それを無駄にされるとはね」

「黙れ」

「はいはい、さっさといけってことね。じゃ、また」

「・・・」

 

天力の明かりはもうない。

また倒れこんだ俺を見るものはいない。

この空間に一人なのが、どこかうすら怖く感じられた。

 

——————————————————

 

理桜Side

 

  刀で足を落とし、ドサリ、と横たわった鹿を確かに抱え上げた。重力操作でやや軽くしているから問題はない。

とりあえず冥界の近くの山で狩りをするうちに、時間はすぎていった。

  今は夜。そろそろ帰らなければ。

鹿をすぐ降ろし、頭と皮を切り離す。

余計な骨と臓器をとって、肉だけをつかみ上げる。

滴る血を振ることであらかた落とし、そのままかぶりつく。

さっきっから病みつきになったこの味。

どうにも懐かしくって、なんだかクセになる。

 

『兄さん、美味しいね』

 

隣に笑う影がいるんじゃないか、とふと思ってしまうその味に、ふいに笑ってしまう。

俺はそのまま冥界へ向かおうとふわりと浮かび上がる。

  思えば、服に返り血がついてしまっている。このまま行ったら怒られるだろうか?しかし、廊下につくほどついてない。少し気をつければいい程度だ。

階段の元へつくと、肉は約半分ほど胃に収まった。

少々ペースをあげれば、見つかることなく完食するだろう。

階段を飛ばし、また浮くことで進む。

手を休めることはない。

きっちり全部胃に収まると、白玉楼の手前についた。

さあ、報告は必要だろうが、この状況はどうしようか。

替えの服なんてものはもってない。

洗濯しようものなら瞬間的に水が赤くなる。

このまま乾かすのがいいか、と考えるのを放棄し、白玉楼へ入る。

  さて、入ったはいいが、誰にも話さずにいるのはまずい。

行くと告げた彼女に報告しようか?

考え込んでいても始まらない。

 

「・・・緋奈ちゃんに会いたいなぁ」

 

理屈なんか関係なく、そう思った。

悲しませちゃったかな。怒らせちゃったかな。不安を抱えながら歩き出す。

 

(・・・なんで、なんで、俺は、俺は)

 

同じ思考を繰り返しながら。




まず、ヴェルディくん。
遠回しにフったぞこいつ?!

ヴェルディ「・・・」

そしてこっちのほうでは初めてかもしれない女性目線。
だってヴェルディ寝てるもん。
ヴェルドールさんの話見た瞬間にブワッと湧いたネタを書き連ねたらこうなったよ!
でもまだフったとは言えないよ!希望あるよ!
ノアくんフォローしろ馬鹿野郎!

ノア「とはいうけど。どっちもあちらにパスしてるんだからね?」

あー・・・。
それで、まあ一応理桜くんにも触れておきますか。
生肉食ってます。大丈夫か。

理桜「絶対病気かかるから・・・」

看病ネタ?

理桜「狙ってない、狙ってない」

あ、そう。
というわけですので、ヴェルドールさんすいません、パスです。
理桜の姿を見た緋奈さんが想像できませんでした・・・あはは。

理桜「理由がひどい」
ヴェルディ「聞けばいいだろ」

ぷぎゃーーー!

理桜、ヴェルディ、届けるの任せたよ全く。
では!



理桜「・・・僕持ってく」
ヴェルディ「・・・ああ」
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