記憶喪失問題児と紅い実験者   作:Lan9393

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ヴァ―ス「どうぞー」
ヴェルディ「さんきゅ」
ノア「三十話・・・総合六十話だね」
理桜「ある意味すごいよね」
ノア「三十話まででカップルが一人だからね」
理桜「しかたないしかたない」
ヴェルディ「ここから糖分も少ないだろうからな」
理桜「シカタナイネ」
ヴェルディ「理桜・・・大丈夫か?」
理桜「僕、報われてないよね?」
ヴェルディ「・・・とりあえず、どうぞ」

理桜(これはひどい)


三十話:リオの要求、そして天使の羽だけが残る

理桜side

 

 紅魔館の門が見える位置でゆっくりしていた俺は、視界の端にまとまった人影を見て「おっ」と声を漏らす。

門の中から三人が現れた。

美鈴は「ではっ」と門に立った。

見覚えのある二名の姿はどんどん近づいてきて、ゆっくりしていた俺は溜息をついて立ち上がり、その二人を見やる。

なんか、前より仲良くなっているような気がする。

まあ、そんなことは置いておいて、俺の顔を見て二人が声を上げた。

 

「理桜!」

「それで、何の用――――誰だ、お前」

 

二人のうちの一人、ヴェルディが顔をしかめて、明らかに警戒するように俺をにらんで言った。

俺は一切それを気にも留めず、二人に声をかける。

 

「とりあえず、用件を先に言っていいか?」

「・・・」

「ええ、お願い」

 

敵意むき出しのヴェルディをまた無視して、ジルシーアのほうを向いて俺は口を開いた。

 

「緋奈が危険なんだ。手を貸してくれ」

 

俺が頭を下げてそう言うと、二人が驚くのがなんとなくわかった。

ただ、ヴェルディの警戒は未だ解けないようで、「ほう・・・」と声を上げた。

 

「・・・危険?どういうこと?」

「いやそれが・・・その、・・・」

 

俺はどう説明すればいいのかわからず、口を閉ざす。

どこから話せばいいのだろう?

しばらく思考を巡らせていると、やがてそれがまとまった。

 

「―――俺が悪い。俺のせいで、緋奈が敵に連れて行かれた」

 

まったく、むかつく話だけれど。

その一言は飲み込み、俺は二人の顔をしっかりと見て反応を探る。

 

「・・・詳しく教えろ。なんで俺らに協力を求める?」

「どうやら緋奈はヤンデレの素質があるようでさ。『俺』が理桜って言ったらキレて、白玉楼を腐らせ始めたんだ」

 

肩をすくめ、冗談めかして言えば、二人に真面目に話せというようににらまれた。

「ごめん」と軽く言うと、あの悪魔の声と顔を思い出して、胸糞悪くなる。

 

「そこを助けてくれたのが敵だ。敵―――悪魔は、緋奈を『俺らの世界に戻した』といっていた。もう、緋奈が何なのかとかは考えていない」

 

俺はそこで言葉を切る。

次に何を言えばこいつらは把握をするんだろう。

それを考えるのがめんどくさくなって、俺はあの光景を、あいつの言葉を、思い出しながらイライラを募らせていた。

なんで、あそこで俺は自力で緋奈をどうにかしなかったのだろう!

手遅れだ、お手上げだとあきらめて放棄して逃げて、俺はこんな事態になることを全然予想してなかったんだ。

こいつらに頭を下げなければならなくなったのも、俺が『オヒメサマ』を救わなければいけなくなったのも、全部俺が招いたことなんだ。

 

「悪魔に言われた。『緋奈を返して欲しかったら堕天使と吸血鬼を連れてスキマに入れ』ってな。だからお前らのところに来たんだよ」

「・・・ありがと、だいたい把握したわ」

「いや、この説明でよかったか?」

「うん、まあ。私たちのところに来た理由はそれなのね」

「そうだ・・・だから、来てほしい。何があるのかはわからないけれど、冥界に展開されてるスキマに入れば、わかると思うんだ。頼む」

 

俺が再び頭を下げると、ヴェルディは「しかたない」と承諾してくれた。

ただ、それを聞いて、ジルシーアの声が聞こえないのが少々気になり、顔を上げると、ぼそり、とつぶやいているのが見えた。

 

「・・・だから、あの男が―――――――――――ッ!!!」

 

ボボボッと顔を真っ赤に染めたジルシーアは、しまったといった顔をしながら顔を手で覆った。

それを不思議に思ったヴェルディが声をかけると、その顔を視認したジルシーアがまた何ともいえない顔をした後、その顔を押しのけた。

 

「・・・なんかあったの?」

「な、何もないわよ!!ええ!」

 

俺がそう聞くと、顔が赤いまま、ジルシーアは何もないと否定する。

押しのけられたヴェルディは額に青筋を立て、彼女の肩をつかんだ。

 

「おい・・・さすがに俺もキレるぞ・・・」

「あの『まだ』には、そんな意味はないのよ?!」

「何の話だ!!!」

「まだ・・・まだじゃなくて・・・そんなつもりは・・・あうぅ・・・」

 

二人の、成り立ってるようで成り立ってない会話を聞き流し、ショートしたジルシーアを運ぶようヴェルディに頼むと、俺は能力で浮き上がった。

 

「・・・そう言えば、答えをもらってない」

「なに?」

「お前は誰だ」

「・・・・・・俺は死にぞこないのイタチだよ」

 

そうつぶやいて、俺は二人より先に出発することとした。

 

 

☆  ☆  ☆

 

第三者side

 

 理桜たち三人が飛んで行くのを紅魔館の屋根から見送る。

嫌な予感しかしないけれど、たぶん大丈夫だろう。

そう決めつけるように自分に言い聞かせたノアは、頬杖をついて口元を緩めた。

 

(もし、ヴァル達が死んでも、任務は遂行するだけだからなぁ)

 

苦笑しながら、あまり気持ちよくない感情に心が染まっていくのがわかった。

 

(あの子はあまりよろしい子ではない。それはわかっていることだろうに・・・なんで手を出すんだろうね、理桜くん)

 

(僕にはそうする意味が分からない。ヴァルもだ)

 

(ある意味禁止されたことにも近いだろうに。君が天界の意向に背いて恋愛に気をとられてしまっていいのかい?)

 

(――――きっと、あと数日、もって一か月か)

 

 

 

 

 

(君は死ぬよ、ヴェルディ)

 

 

満面の笑みを浮かべたノアが、その屋根から飛び降りる。

美鈴はきっと寝ているだろう。

 

 

「じゃあね、ヴァル」

 

(僕がいなくても、うまくやってね?)

 




ノア君が去りました。
たぶんその辺をうろついています。だって出れないし。

ヴェルディ「ふむ・・・無難だな。リオのほうは」
理桜「だね~」

ジルシーアさんが思いのほかかわいくて満足です(*´▽`*)

理桜「・・・だってさ」
ヴェルディ「作者死ね。じゃあ理桜、バトン頼んだ」
理桜「おうよー」

さらっと死ね言われたよ!これはひどいね!

ヴェルディ「うっせぇしゃべるな」

・・・。

理桜「では~!」
ヴェルディ「ヴェルドールさん、頼んだ!」
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