ヴェルディ「さんきゅ」
ノア「三十話・・・総合六十話だね」
理桜「ある意味すごいよね」
ノア「三十話まででカップルが一人だからね」
理桜「しかたないしかたない」
ヴェルディ「ここから糖分も少ないだろうからな」
理桜「シカタナイネ」
ヴェルディ「理桜・・・大丈夫か?」
理桜「僕、報われてないよね?」
ヴェルディ「・・・とりあえず、どうぞ」
理桜(これはひどい)
理桜side
紅魔館の門が見える位置でゆっくりしていた俺は、視界の端にまとまった人影を見て「おっ」と声を漏らす。
門の中から三人が現れた。
美鈴は「ではっ」と門に立った。
見覚えのある二名の姿はどんどん近づいてきて、ゆっくりしていた俺は溜息をついて立ち上がり、その二人を見やる。
なんか、前より仲良くなっているような気がする。
まあ、そんなことは置いておいて、俺の顔を見て二人が声を上げた。
「理桜!」
「それで、何の用――――誰だ、お前」
二人のうちの一人、ヴェルディが顔をしかめて、明らかに警戒するように俺をにらんで言った。
俺は一切それを気にも留めず、二人に声をかける。
「とりあえず、用件を先に言っていいか?」
「・・・」
「ええ、お願い」
敵意むき出しのヴェルディをまた無視して、ジルシーアのほうを向いて俺は口を開いた。
「緋奈が危険なんだ。手を貸してくれ」
俺が頭を下げてそう言うと、二人が驚くのがなんとなくわかった。
ただ、ヴェルディの警戒は未だ解けないようで、「ほう・・・」と声を上げた。
「・・・危険?どういうこと?」
「いやそれが・・・その、・・・」
俺はどう説明すればいいのかわからず、口を閉ざす。
どこから話せばいいのだろう?
しばらく思考を巡らせていると、やがてそれがまとまった。
「―――俺が悪い。俺のせいで、緋奈が敵に連れて行かれた」
まったく、むかつく話だけれど。
その一言は飲み込み、俺は二人の顔をしっかりと見て反応を探る。
「・・・詳しく教えろ。なんで俺らに協力を求める?」
「どうやら緋奈はヤンデレの素質があるようでさ。『俺』が理桜って言ったらキレて、白玉楼を腐らせ始めたんだ」
肩をすくめ、冗談めかして言えば、二人に真面目に話せというようににらまれた。
「ごめん」と軽く言うと、あの悪魔の声と顔を思い出して、胸糞悪くなる。
「そこを助けてくれたのが敵だ。敵―――悪魔は、緋奈を『俺らの世界に戻した』といっていた。もう、緋奈が何なのかとかは考えていない」
俺はそこで言葉を切る。
次に何を言えばこいつらは把握をするんだろう。
それを考えるのがめんどくさくなって、俺はあの光景を、あいつの言葉を、思い出しながらイライラを募らせていた。
なんで、あそこで俺は自力で緋奈をどうにかしなかったのだろう!
手遅れだ、お手上げだとあきらめて放棄して逃げて、俺はこんな事態になることを全然予想してなかったんだ。
こいつらに頭を下げなければならなくなったのも、俺が『オヒメサマ』を救わなければいけなくなったのも、全部俺が招いたことなんだ。
「悪魔に言われた。『緋奈を返して欲しかったら堕天使と吸血鬼を連れてスキマに入れ』ってな。だからお前らのところに来たんだよ」
「・・・ありがと、だいたい把握したわ」
「いや、この説明でよかったか?」
「うん、まあ。私たちのところに来た理由はそれなのね」
「そうだ・・・だから、来てほしい。何があるのかはわからないけれど、冥界に展開されてるスキマに入れば、わかると思うんだ。頼む」
俺が再び頭を下げると、ヴェルディは「しかたない」と承諾してくれた。
ただ、それを聞いて、ジルシーアの声が聞こえないのが少々気になり、顔を上げると、ぼそり、とつぶやいているのが見えた。
「・・・だから、あの男が―――――――――――ッ!!!」
ボボボッと顔を真っ赤に染めたジルシーアは、しまったといった顔をしながら顔を手で覆った。
それを不思議に思ったヴェルディが声をかけると、その顔を視認したジルシーアがまた何ともいえない顔をした後、その顔を押しのけた。
「・・・なんかあったの?」
「な、何もないわよ!!ええ!」
俺がそう聞くと、顔が赤いまま、ジルシーアは何もないと否定する。
押しのけられたヴェルディは額に青筋を立て、彼女の肩をつかんだ。
「おい・・・さすがに俺もキレるぞ・・・」
「あの『まだ』には、そんな意味はないのよ?!」
「何の話だ!!!」
「まだ・・・まだじゃなくて・・・そんなつもりは・・・あうぅ・・・」
二人の、成り立ってるようで成り立ってない会話を聞き流し、ショートしたジルシーアを運ぶようヴェルディに頼むと、俺は能力で浮き上がった。
「・・・そう言えば、答えをもらってない」
「なに?」
「お前は誰だ」
「・・・・・・俺は死にぞこないのイタチだよ」
そうつぶやいて、俺は二人より先に出発することとした。
☆ ☆ ☆
第三者side
理桜たち三人が飛んで行くのを紅魔館の屋根から見送る。
嫌な予感しかしないけれど、たぶん大丈夫だろう。
そう決めつけるように自分に言い聞かせたノアは、頬杖をついて口元を緩めた。
(もし、ヴァル達が死んでも、任務は遂行するだけだからなぁ)
苦笑しながら、あまり気持ちよくない感情に心が染まっていくのがわかった。
(あの子はあまりよろしい子ではない。それはわかっていることだろうに・・・なんで手を出すんだろうね、理桜くん)
(僕にはそうする意味が分からない。ヴァルもだ)
(ある意味禁止されたことにも近いだろうに。君が天界の意向に背いて恋愛に気をとられてしまっていいのかい?)
(――――きっと、あと数日、もって一か月か)
(君は死ぬよ、ヴェルディ)
満面の笑みを浮かべたノアが、その屋根から飛び降りる。
美鈴はきっと寝ているだろう。
「じゃあね、ヴァル」
(僕がいなくても、うまくやってね?)
ノア君が去りました。
たぶんその辺をうろついています。だって出れないし。
ヴェルディ「ふむ・・・無難だな。リオのほうは」
理桜「だね~」
ジルシーアさんが思いのほかかわいくて満足です(*´▽`*)
理桜「・・・だってさ」
ヴェルディ「作者死ね。じゃあ理桜、バトン頼んだ」
理桜「おうよー」
さらっと死ね言われたよ!これはひどいね!
ヴェルディ「うっせぇしゃべるな」
・・・。
理桜「では~!」
ヴェルディ「ヴェルドールさん、頼んだ!」