記憶喪失問題児と紅い実験者   作:Lan9393

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ヴァ―ス「どうも!持ってきましたよ!」
ヴェルディ「ああ、助かった」
理桜「もー!作者!どうするのさ!」

どうするもこうするもないよ!
イチャイチャが書けるまで私はがんばる!

ヴェルディ(そういう問題なのか)
理桜「まあいいや・・・どうぞ!」


三十二話:想い伝わらず紅が落ちる

第三者side

 

 理桜は腐っていく地面を見やり、ふわりと宙に浮かんだ。

沈んでいく彼女たちを次に見やってヴェルディと目を合わせる。

 

「俺が何とかする!紅爛緋奈は任せるぞ・・・!」

 

確かにそう言い放ったヴェルディを見て、理桜は無表情で緋奈のほうを向いた。

 

「さて・・・戦ってる相手以外を巻き込むのはさすがに俺も怒っちゃうかなぁ・・・ねえ、緋奈ちゃん」

「サッサト・・・腐ッテ、シネ!」

「それはできないかな。僕はきみを助けてあげなきゃだし・・・おっと、言葉は通じないんだった」

 

苦笑しながら、理桜はふわふわとあたりを浮遊して遊ぶ。

刀をくるくると回し、あっけらかんと笑った。

 

「よし、続きを始めようか」

 

パシッと刀を確かに握った理桜。

緋奈を冷たく見下ろし、にっこりと笑った。

 

 

☆  ☆  ☆

 

 もがく。

しかし、腐敗した地面は満足に動かさせてくれるはずもなく、ただ彼らの足に、腰に、まとわりついてくる。

もがく。

ずるずると動く腐土はより彼の体に密着してくる。

 

「・・・うざってぇ・・・気持ちワリィな、こりゃ」

 

打開策を考えるも何一ついい案は思いつかない。

土を払い、それでいて安全にジルシーアを救助できる方法。

 

「・・・チッ・・・こい、トマホーク!」

 

鋭く呼びつける。

トマホークは彼の手に出現し、しっかりとその重量を彼に伝えた。

 

「・・・・・・天力で隙間を作って・・・その間に抜ける・・・ジルシーアはどうする?天力が当たったら・・・」

 

爪を噛み、ヴェルディは表情をゆがめた。

この場に使えそうな能力のやからはいない。

 

(その時に考えるか)

 

考えることをやめ、ヴェルディは左手で天力を練る。

程よい密度、大きさになった瞬間、体にまとわりつく廃土にそれを押し付けた。

刹那、それが発光し、爆発を起こす。

腐敗した土が同時に爆風とともに退けられ、彼の体のまわりの土は除去されたのだ。

だが、すぐさま腐る土は落ちてくる。

その一瞬を見逃さず、ヴェルディは羽を羽ばたかせ飛翔した。

 

「!」

 

足が腐土にとられてしまう。

内心で舌打ちしながら、彼はトマホークを構えた。

 

「これは、あいつのための犠牲だ・・・ッ!」

 

☆  ☆  ☆

 

 理桜はその視界の端で確かに目撃した。

ヴェルディが自らの片足を切り落とす瞬間を。

 

「・・・早まったことをするねぇ・・・ね、緋奈ちゃん」

 

けらけらと笑った理桜が緋奈に問いかけると、緋奈は変わらぬ表情で返した。

 

「・・・・・・イイカラ、腐ッテ、シネ」

「さっきもそれ言ったよね?飽きないの?」

「シラン!」

「あははっ!『シラン』って、『フラン』みたいだよね~!」

 

笑い飛ばした彼は、緋奈の右手の攻撃を弾き飛ばして見せた。

しかしそれは止むことを知らない。

触手は何度でも理桜を襲い、周りに被害をもたらしていく。

 

(さて、どうしたものか)

 

彼は刀を構えながら、思案した。

打開策というか、緋奈をどうやって元に戻すかを考えていなかったのだ。

腕を切り落とせばそのショックで元に戻るだろう、気絶あたりでもさせればいいだろう。

そんな考えであったのだが、それはどうやら無理なようで。

 

(殺すのはやだ。絶対やだ。・・・じゃあ、どうすればいいんだろう?)

 

殺意を忘れるような行為?殺意以上に強い感情を抱かせる?

とてもじゃないが、今の理桜にはそれはできない。

セツが何をしたのかは彼にはわからないが、彼女はその時以上の強い意志を持っている気がする、理桜は頭をひねらせた。

 

「・・・まったく、俺は荒事は得意じゃないんだよ」

 

刀を一閃し、その斬撃で緋奈を牽制する。

考える時間がほしかった。

 

「ねえ、緋奈ちゃん・・・君は、いつになったら俺の知る緋奈ちゃんに戻ってくれるの・・・?待っているんだけれど」

 

グッと彼女に近づいて、問う。

緋奈は右腕を振るって反抗する。

そのたびに攻撃は重力に逆らわず違う方向へ逸れていく。

緋奈の右腕をつかみ、その目の色をうかがった。

 

「・・・君を血で汚したくない。大好きな君を殺したくない」

 

ぽつり、とこぼす。

言葉は近くで反抗する彼女には届いていないと見て、理桜は嘆息した。

 

「そう思ってたのになあ・・・」

 

刀をまた振るい、腕を切り落とさんとする。

しかし、それは叶わなかった。

 

強い衝撃が腹部を襲う。

 

「ナニモ、ヒダリガツカエナイワケジャナイ」

 

緋奈が持っていたナイフが理桜の腹部に深く突き刺さっている。

鈍い痛みが彼を襲うとともに、その腹部からは赤い血がこぽっと流れ出てくる。

ナイフがよっぽど刺さったのか、彼女の手に血が落ちてしまったようだ。

 

「おっと・・・油断したなぁ」

 

バッと身を後退させ、理桜は腹部に刺さったナイフをポイと捨てる。

傷口を圧迫し、そこから血が流れ落ちないようにする。

 

「・・・ヴェルディくん、はやくジルちゃんを助けてあげてくれないかなぁ・・・」

 

困ったように笑いながら、流砂を見下ろした。

 そしてまた彼は刀を構え直し、血が落ちた手を見やる緋奈を悲し気に見つめた。

 

「・・・緋奈ちゃん・・・なんでこんな物構えてるんだろうね、俺は」

 

理桜は再び苦笑しながら、刀で彼女の攻撃を弾き、そのまま彼女に肉薄しようと前へ出る。

腹部の痛みがまだあるが、そんなもの関係ない。

 

「・・・・・・・・・あはは、ごめんね・・・」

 

カランッ。

刀を手放し、彼女の手を掴んで木の幹へ縫い付ける。

ぶつかるように口づけをして、理桜は緋奈を抱きしめた。

 

 

「・・・殺してもいい。どうか、どうか・・・元に戻って。俺の思いを認めてくれないかな」

 

縋るように、理桜はそうつぶやいた。




緋奈さんが理桜くんを殺めるのか、それとも理桜が緋奈さんを殺めるのか。

理桜「そこに慈悲は」

ない。
ヴェルディもちょっとこれアリかな~なんて思いながらも書いちゃいました、あはは。
救出シーンとこれの続きはヴェルドールさんにお任せというわけで、まあまわしちゃうわけですけれども。

理桜「も?」

緋奈さんをもどすにはどうすればいいのか、真面目に考えてました。
で、この最後だよ!!!
どうすればいい!!!

ヴェルディ「血迷ったことを考えず、きっちり正しいルートを作ろうな」

はーい。
というわけで、理桜、任せた。

理桜「了解!ではでは~!」
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