ヴェルディ「遅い。バトンはもうもらってるんだからな」
大変申し訳ない・・・。
少々諸事情でバタバタしていたのと、データが半分ふっとんだりで気が滅入ってまして・・・(苦笑
理桜「僕を速く生き返らせろよ」(怒
怒らないで!
ではでは、ほぼその場のテンションでどうぞ!
ヴェルディside
西行妖の樹皮、土着神の聖水、吸血鬼真祖の血、世界樹の若葉・・・。
まず、冥界に行くことは決まっている。そのほかの三つだ。・・・血と若葉は、後回しだと言っていたから考えなくていいか。
西行妖はたしか、冥界にあったあの巨大な木だろ。あれは咲いたらとても美しいだろうな。
そして聖水は・・・。土着神、アテがないわけではない。ただ、見当違いだった時の隣の奴の白い目はできるだけ避けたい。
「よし、とっとととりにいこ!」
「ふむ・・・。多分、あいつの性格ならあっさりと――――ここのは、そうでもなかったな」
「あははっ。とりあえず行きましょ?頼んでみれば案外すぐにもらえるかも」
「・・・だと、いいんだけどな」
俺は隣の奴、ジルシーアと少々言葉を交わして、羽を羽ばたかせる。
目的地は冥界の白玉楼。
「・・・ついてこいよ」
「わかってるわよ!」
念のためそういうと、ジルシーアはむくれてそう返した。
それに苦笑すると、俺は速度を上げて冥界への道を思い出しながら飛んで行く。
☆ ☆ ☆
―――――――――なっさけねぇ。
―――――――――これが、女のために人生を棒に振る男ってか。
―――――――――俺なら、上手くあいつを殺せたのに。
―――――――――俺に体をあのまま預けてれば・・・いや。
―――――――――空け渡したのは俺だったな。あの時も、さっきも。
―――――――――緋奈のために・・・・・・か。
―――――――――ハハッ・・・笑えてくらぁ。
――――生き返らねぇと、承知しねえからな、理桜。そんな体に戻るのは、俺でも嫌だぜ。
☆ ☆ ☆
ついた。
長い階段の先を見やりながら、俺は小さくため息をついた。
この先に目的のものはあるのだが、主以前にその従者が通してくれるかわからない。
気が滅入る。俺は何の意味もなく手のひらで光をこねくり回して、それを明後日の方向に投げつけた。
「・・・ふぅ。というより、普通にはいれたがいいのか、これは」
「知らない。とりあえず、行こうよ」
「はいはい・・・んじゃ」
「あっ、待て!」
義足の先で地面を一、二回ほど叩いてから大きく羽を広げ、飛びあがる。
その後にジルシーアもおっかけてきた。
「待ちなさい!」
聞き覚えのある声が聞こえた。下からだ。
俺は下を見渡しながら空中で止まる。
「わぷっ」と追いかけてきてたジルシーアが俺の背中にぶつかる。
「なによ、急に止まって・・・どうしたの?」
「いや、声が聞こえたんだが・・・」
「声?・・・」
彼女は俺の言葉に首を傾げ、一緒にあたりを見渡した。
その後すぐに声の主を見つけ、声を上げた。
「妖夢!」
「・・・何の用だ。俺・・・らはこれからお前の主人に物を頼みに行くんだが、なにかあったのか?」
「いえ。・・・幽々子様に頼まなければならないことなのですか?」
妖夢が首を傾げながら問うてきた。
俺は苦笑しつつ、その問いに答える。
「西行妖のことなんだが、お前が管理してるのか」
「・・・・・・?西行妖?なぜ」
「そいつの樹皮が欲しいんだ。頼む」
ジルシーアを空中において、俺は妖夢のもとへ降りる。と、少し遅れてジルシーアもついてきた。
頼みごとをすると、妖夢は少々顔をしかめ、「そうですね・・・」と考えるようなしぐさをする。
「・・・妖夢」
彼女の背後から声がかかる。
それは、この白玉楼の主、西行寺幽々子のものだった。
「・・・西行寺」
「二人とも、こちらへいらっしゃい。妖夢ってば、ちょっと警戒しすぎなのよ」
「うっ・・・申し訳ありません。あれからというもの、幽々子様の身に何かあったらと―――」
「ふふ、いいのよ妖夢。それじゃあ二人とも」
西行寺は優しく俺らに声をかける。
俺らは顔を見合わせてから、彼女についていくこととした。
☆ ☆ ☆
広大といえばいいのか。
庭が広がるその場所においてけぼりを食らった俺らは少々談笑することとした。
「・・・ねぇヴェルディ。あなた、幽々子がこなかったら全部話すところだったでしょ」
「さぁ?どうだろうな」
「ちょっと。ここは冥界よ?死者を復活させようとするのを反対されたらどうするのよ」
俺の適当な言葉に、少し怒っているような表情をするジルシーア。
下手に何か言って刺激するのも嫌なので、俺はまた適当に答えておこうと口を開く。
「その時はその時だ。なんとかしたさ」
「その場しのぎって?バッカみたい」
「バカとは何だ、バカとは」
ジルシーアが吐き捨てた言葉に、俺は口元を引くつかせる。
くすりと笑んだジルシーアは「なにも」と返すと、それ以降会話は続かなかった。
――こんな静寂、あまり好きではない。
静かな空気の中、俺はなんとなく居心地の悪さを感じ、「あー」だの、「ぐぬ」だのとうなり始める。
「・・・何言ってるのよ」
「うるさい」
「あなたのほうがうるさいわよ!・・・もう。早く収集していかなきゃいけないっていうのに」
ぽそり、とジルシーアが最後に付け加えた言葉が俺の耳に届く。
嘆息しながら俺はその言葉に声をかける。
「そんな急ぐことじゃないだろ。まあ、早いに越したことはないがな」
「何事もなく集められればいいんだけど・・・」
「・・・心配するな。絶対に、お前には必要なものを渡して帰らせる。何があっても、それは徹底するさ」
「ヴェルディ・・・」
俺はそう言って不安そうなジルシーアの頭をなでる。
俺の言葉に余計、不安に思ってしまっただろうか・・・しかし、そう思っているのは事実、俺の優先順位は変わらないだろう。
―――別に、紅爛緋奈の要求が優先なんじゃない。ジルシーアのみが最優先なのだ。
自分もここまで考えてしまうほどに堕ちてしまったのかと思うと、どうしても笑いがこみ上げてくる。
頭をなでていた手を彼女の頬にそっと添える。
愛おしい。
彼女が、とてつもなく。
元(?)友人が死んでいるというのにのうのうと考えていられるのは自分でも少々恐ろしいと思うほどだ。
なぜかなんて知らない。
だが、これだけは言えるだろう―――それほどまでに彼女を愛しているのだと。
「・・・ジルシーア」
「なによ?」
『心配しなくとも、ずっとそばにいてやる』
「――――あー・・・なんでもねぇ」
気恥ずかしくて口から出なかった言葉を飲み込み、そっぽを向いて誤魔化した。
彼女が気になるとうるさいが、しかたがないだろう。
向こうに、ニヤついている西行寺が見えたのだから。
「・・・西行寺!もって来たのなら、早くしてくれ。いつまでもそんなところで立っていないで・・・」
「あらら、ばれちゃったわぁ」
「!!!?」
俺の声と西行寺の笑い声にジルシーアは飛び上がって驚いた。つい先ほどまでそんなところに彼女はいなかったのだ。
急にその場に姿を現した西行寺には、なんだか尊敬のようなものを抱いてしまう―――ことは、まあないのだが。
彼女が手に持っていたものは袋のようなものだった。
中にはしっかりと固い物が入っているようで、おそらくそれが樹皮なのだろう。
西行寺はそれを俺の目の前まで持ってきて、それを俺の手の中に落とした。
「・・・なくさないで、しっかり緋奈のもとへ届けて上げて頂戴。あの子のためにも」
「了解した。協力、感謝する―――は堅いか」
「そうね。まあ、要するにこれもってさっさと行ってきなさいってことよ。ほらほら♪」
「はいはい・・・ジルシーア、早く行くぞ」
「わ、わかったわ!・・・幽々子、ありがとね!」
「ふふ~、いいのよ」
俺らは言葉を残して、出口のほうへ向かっていく。
西行寺は最後まで笑ってこちらを見ていたが、そのうち飽いたのか、そっぽを向いて屋内に入っていってしまった。
「・・・あ、もう用事はいいのですか?」
そう妖夢に話しかけられる。
俺は彼女に「そうだな」とつぶやいて、階段を下りようとする。
「・・・・・・結局、何が目的で西行妖の樹皮を?」
「それは、だな」
妖夢を見上げて、俺は言葉選びに迷う。
先ほどジルシーアに、遠回しに「事情をペラペラいうものでない」と怒られたので、直球に「死んだ奴のため」とは言えない。
しかたないので、彼女を見て言う。
「それが必要な人がいるから。俺が―――俺らがそれを持ってくるのを、待っているから」
「・・・そうですか。引き止めてしまってすいません」
「いや、いいさ・・・じゃあな」
「ええ」
白玉楼・・・冥界の階段を駆け下り、次の目的地へと向かう・・・が、決まっていないのだ。
まあいい、待っていたジルシーアに声をかけて、問う。
「次はどこへ向かう?」
「うーん・・・聖水を取りに行こうよ。神社いこ、神社!」
「・・・博麗神社にそんな奴はいなかったと思うが?」
「わざとでしょ、あなた・・・・・・守矢神社よ、守矢」
「まあそうだろうとは思ってた。じゃあ行くか」
「ええ!」
――――――――――――――――――――――――――――
なんで、俺は今こんなことになっているんだろう?
首をかしげて、境内を見下ろす。
守矢神社に着いたのはいい。
諏訪子に会えるよう、早苗にも頼んだ。
足が動かなくなるなんて、少々厄介ではないか?
まあ飛ぶことでどうにかなっているのだが、なんとなくこれから嫌な感じがしてならない。
現れた少女、洩矢諏訪子の前へ移動する。
「やあ、待たせたね」
「・・・いや、いいさ。こちらがお願いする立場だ。文句も言えない」
「はは。そう言ってもらえると私も安心する。それで、何の用だい?」
諏訪子はからからと笑いながら、用件を聞いてきた。
それにジルシーアが答える。
「その・・・ちょっと必要なものがあって、持っていないかどうか確認したいの」
「必要なもの?どんな感じのやつだい?」
「土着神の聖水・・・だ。お前、知っているか?」
それを聞いて、諏訪子は目を丸くする。
俺とジルシーアはその反応に首を傾げた。
「え?聖水?・・・君、なんてモノを要求してるのさ・・・さすがの私も照れちゃうよ」
「すまんが何を言っているのかがわからない」
やや間があって、諏訪子が笑みを浮かべてそう言うと、俺は呆れて脱力してしまう。
ジルシーアも同様の様で、「そうでなくて・・・っ」と何か言いたげにあらぬ方向を向いて悶えた。
意味が分かっているのかいないのか・・・。
「君は一度恥というものを知るべきだね」
「ふざけるな」
「そうだなァ・・・何にしても、条件って言うのは必要だよね」
諏訪子は人差し指を立ててそう言った。
なんとなく嫌な予感はするものの、聞いておこうと思う。
「・・・条件がどうした」
「ほら、なんていうかそうやって決めておくと、どことなく大事なもの感がするじゃない」
「いや・・・大切なんだが」
「ふふっ、照れるね」
「お前のノリにはもうついていかん」
「冗談だよ、冗談。さて、それじゃあ聞くけど――――――君の足って、片方義足だよね」
真剣な表情に切り替えてきた諏訪子が俺を――――いや、俺の足を指さしながらそういった。
足。義足のほうだ。
俺は特に何も考えず、首を傾げながらうなずく。
「・・・?ああ、そうだが」
「じゃあ、それちょうだい」
彼女はにっこりと笑みを浮かべて問題発言を発する。
俺もジルシーアも、硬直して声も出なくなる。
「・・・・・・はっ?」
「ちょっ、何言ってるの、諏訪子?!」
ジルシーアが目を丸くして、諏訪子の言葉に食いつく。
「ん?そりゃ、条件だよ。ほら、足がなくったって君には羽があるでしょ?飛べるじゃない」
「・・・まあそれもそうか。・・・いやでも―――」
バキッ
そんな音が聞こえたころには、俺はふらついてその場に座り込んでしまった。
俺に見えたのは、俺が納得してうなずいたころに姿勢を低くして足元へ駆け込んでくる諏訪子の姿。
「・・・折りやがったな」
「え?だってほら。
意味深な表情をして、諏訪子は不敵に笑った。
俺は苦笑しながら言葉を漏らす。
「お前相手に、事情を話した覚えはないんだが」
「さあ、何のことだろうね」
「テメェ・・・」
「ジルシーア、後のことは任せたよ。この足、折ったのバレたらきっと大目玉だろうしさ」
にこにこと笑みを浮かべながら諏訪子は俺の義足を持って神社の中へ入っていく。
ジルシーアは少々心配そうな顔で俺のほうを見ていた。
「・・・心配するな。痛くはない。さっさと聖水受け取って帰るぞ」
「で、でも・・・これから二つも行くのに・・・」
「羽を落とされなければいい話だ。心配しなくていい。それと、樹皮はお前がもっていろ」
「・・・うん」
不服そうな表情で樹皮を受け取った彼女は神社から出てくるはずの諏訪子を探す。
俺にはその行動の意味は読み取れなかったが、まあいいとしよう。
鳥居まで飛び上がり、そこに腰掛ける。
青い空が近い。
ここで羽を休めておかなければ、二つ回るときに疲れて足を引っ張ってしまうかもしれない。
いや、片足だけでも歩けなくはないが(歩くというよりは跳ねる、か)、残った足に負担をかけることはしたくない。
そうすると羽に負担がかかるわけだが―――――まったく、厄介なことをしてくれたものだ。
たまにこちらを見上げるジルシーアに微笑みかけて、彼女とは反対の方向を見やる。
妖怪の山は、平和らしい。
☆ ☆ ☆
ジルシーアが聖水と樹皮を入れた袋を持ったままこちらへ向かってくる。
「ヴェルディ、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ。もう行くか?」
「うん・・・でも、足・・・」
「いいから」
彼女の額を指ではじいて、苦笑して見せる。
ふわりとその場に浮いて羽を羽ばたかせ高度を保つ。
額を抑えたそいつが口を開く。
次は――――――――――。
はい、二つゲットです(白目
理桜「聖水・・・ゴクリ」
ヴェルディ「やめろ」
アハハ。
条件が中々決まりませんでした。
いちゃいちゃ・・・キス・・・?いやヴェルディがしないだろうと。
その結果、ふと考え付いた足折り大作戦。
どこかの誰かさんが怒りそうです。
ヴェルディ(もう怒ってる・・・)
理桜「とりあえず、残った二つはヴェルドールさんにパス、だね!」
ですね。
というわけで・・・はい。申し訳ありません(いろいろな意味で
ではでは、また次回~!
あ、妖夢さん、任せた!
妖夢「私?!」
ヴェルディ「ほらバトン」
妖夢「えぇ?!」
理桜「ファイト!」
妖夢「アッハイ」