転生したらゾイドだった!   作:自由山明

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1章3話 ベヒーモスとゾイド

「ライガー、あの金色の獅子になってちょうだい」

 

 町の門を出ると、すでに衛兵や冒険者が勢ぞろいしていた。

 皆、神妙な面持ちをしている。

 が、そんな中に味方として現れた僕は随分と希望に見えたらしく、にわかに沸き立つ。

 

「ハクさん、乗らないんですか?」

 

「私も戦うわ、ライガーの足手まといにならないようにね」

 

 うーん……僕ってライダーがいないとワイルドブラストできないんだよな……。

 いやまあ、闘争本能が高まったら自力でいけるかもしれないけど……。

 本能極限開放とかは流石にできないだろうな……。

 そして、万全の状態でベヒーモスを待ち構える。

 

「……! 来た!」

 

 ライジングライガーの目が遠くからまっすぐ向かってくるベヒーモスを捉えた。

 大きさはトリケラドゴスくらいか。

 まずは砲撃を選択すし、A-Z機関砲が唸りを上げながら砲撃する。

 が、ベヒーモスは中々に頑丈で擦り傷程度のダメージしか与えられていない。

 どうやら遠距離攻撃で倒しきることは難しそうだ。

 

「ハク! 突撃してくる!」

 

「え、ちょっと、ライガー!」

 

 全速力でベヒーモスに接近し、頭部がぶつかり合い、巨大な衝突音が鳴り響く。

 ……重量、パワー共にこちらが上、ならば!

 咆哮砲から気合いの入った咆哮を上げ、ベヒーモスの表皮をライジングクローで切り裂く。

 このままいけば倒せる……倒せるけどこのままじゃあ町に到達してしまう!

 やっぱり決め手が欲しいからエヴォブラストしたい……。

 そこで、この中で一番信頼しているハクに白羽の矢を立てる。

 ベヒーモスを転ばせ、時間を作ってからハクの元へと駆け寄る。

 

「ハク! 僕に乗って!」

 

「なんで!? 私も戦わないと!」

 

「いいから乗って、早く!」

 

 戦おうとするハクを半ば強引に乗せ、エヴォブラストの説明をする。

 この世界の住民は頑丈だし、きっと耐Bスーツがなくてもいけるはず……。

 

「わかったわ、その進化解放エヴォブラストとやら、町を守るためならやるわ!」

 

 本当は身体能力向上のために絆を結んでワイルドブラストしたいところだけど、申しわけないことに僕がまだハクのことを信頼しきっていないためかブラストキーは出てこない。

 ……そもそもライジングライガーはブラストキーがあるのだろうか?

 同じゾイドだからあるはずだけど……。

 そんなことを思いながらも、ハクがエヴォブラストを発動させる。

 

「進化解放! エヴォブラスト!」

 

 咆哮砲から思い切り咆哮を上げ、ライジングフリルとA-Zタテガミショットを展開し、起き上がったベヒーモスに向かって機関砲とタテガミショットを連射しながら高速で接近する。

 タテガミショットの砲撃はベヒーモスの表皮を破砕し、その破壊された部位に向かってハクと一緒に叫びながらライジングガンスラッシュを叩き込む。

 

「「ライジングガンスラッシュ!」」

 

 ゼロ距離でタテガミショットを連射し、ベヒーモスの内部に致命的な一撃を与え、ベヒーモスは倒れ込んだ。

 

「やったわ! まさかベヒーモスを倒しちゃうなんて、凄いわねライガー!」

 

「……そうだね、ありがとう」

 

 倒したはいいけど不安なのは今後だな、この土地の領主や貴族など、特権階級の者が一体ゾイドという存在にどういう反応をするか……。

 これは超大型ゾイドの開放を急ぐ必要があるかもしれない。

 それと、どうやらスキルポイントは何らかの生命体を倒すことで獲得できるらしい。

 幸い前回の魔族と今回のベヒーモスで大分スキルポイントがたまった。

 これなら中型ゾイドをいくつか開放できそうだ。

 出来ることならジェノスピノとかを開放したいけど……。

 

「ライガー、みんなあなたに感謝しているわ! 何かお礼がしたいそうだけど、欲しいものはある?」

 

 それなら、自己再生やメンテナンスに必要な金属が欲しい、ゾイドが何をエネルギー源にしているのかよくわからなかったけど、ゾイドになった今、本能ではっきりとわかる。

 ゾイドコアのエネルギーも無限ではない、何かしらのエネルギーを外部から得る必要がある。

 幸いこの世界には魔力というエネルギーが空気中に漂っているようで、自己再生できる金属さえ何とかできれば活動するには困らなそうだ。

 

「じゃあいらない金属が欲しい、種類は何でもいいから」

 

「そんなのでいいの? それならみんなに伝えてくるわ、ちょっと待っててちょうだい」

 

 取りあえず今はこの短そうな平和を楽しもう。

 これが終わったらスキルポイント集めに出かけないと。

 ……いつか古の皇帝竜や破壊の魔獣を使わないといけない日が来てしまうんだろうか?

 そんなことを思っていると、町の人たちが要らない金属を沢山持ってきてくれた。

 かなりの量があり、全部食べられるか不安だったが、意外とすんなりと食べれてしまった自分に驚いたのはここだけの話だ。

 その日、町はお祭り騒ぎで、僕もジークになってみんなに混ざってお祭りを楽しんだ。

 ……こんな日常がいつまでも続けばいいのに、叶わないとわかっていながらハクと一緒の部屋、しかも同じベッドでで就寝した。

 理由は一人だと寂しいかららしい。

 余談だが、僕はオス(男)だからと必死に抵抗はしたことをここに追記しておく。

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